脚が大事
走るために生まれてきたサラブレッドですが、いつも絶好調というわけにはいきません。生き物ですから、その日の調子というものがあるのです。
では私たちは何を基準に、馬の調子を知ればよいのでしょうか?
チャプター1では脚元と調教から馬のサインを読み取る方法について、専門家ならではの意見が開陳されます。馬を苦しめる脚の病気、たとえば蟻洞(ぎどう)についても、その恐ろしさや治療法について、詳しい写真付きでレポートされています。
蟻洞は蹄の角質層の中に空洞ができてしまう病気です。私は長い間、蟻洞はアリに食われたことが原因だと誤解していましたが、乾燥や疲労など様々な要素がかみ合って発症するもので、アリは関係ないといいます。馬とその関係者にとって深刻な病気です。闘病には長い時間とお金が必要となることも知りました。
パドックでの馬の見方
馬券を当てようと思ったら、パドックで馬の様子を検証するのはとても大切な作業です。もっとも、私は何年かかっても、よくわからず「私には観馬眼がないんだわ」と、思っていました。けれども、見ている場所が間違っていたのかもしれません。
『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』によると、仕上がりの見方の1つとして、まずは腹回りのチェックが必要だといいます。お腹の周辺の皮膚がほどよく張っている、つまり「実が入っている」馬を探しましょう。次に、腰回り、気配、毛づや、汗など、順番に注意していく必要があるとのことです。私もこれからは、あきらめることなく自分の眼力を信じようと思います。
当てるのはあなた!
競馬は推理で成り立っているゲームだと私は思います。ある馬が、今日、勝利できるかどうか?それは天候や体のコンディション、今までのレースの様子や、騎手との相性、そして、もちろんその馬が生まれながらに持つ才能など、数え上げたらきりがないほどたくさんの要素を検証し、筋道を立て、勝ち負けを推理していくものでしょう。その意味で、競馬ファンは全員が探偵なのかもしれません。
『そうだったのか!今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み』には、どの要素をどのように考えるべきか、専門家のヒントが満載されています。私たちの強い味方になってくれるでしょう。ただし、勝ち馬はこれだ!とは書いていません。それは私たちが自分で考えるべきことだからです。
推理小説も結末を知っていたら、つまらないでしょう? それに、あくまでも探偵はあなたなのですから。
【書籍紹介】
そうだったのか! 今までの見方が180度変わる知られざる競馬の仕組み
著者:橋浜保子
発行:ガイドワークス
ひとえに馬体といっても、見なければいけない部分は細部にわたります。馬体全体の形はもちろん、脚の長さや繋ぎの角度、蹄の形など。実はこれらの要素は馬を知る意味でも、馬券を獲る上でも非常に重要なこと。知らなければ損してしまうことばかりなのです。しかし、大方の競馬ファンは、馬体を“難しいもの”と捉えて、蔑にしてしまいがちです…。ただ、この一冊があればもう大丈夫!