私たち人間は1分間に15回の呼吸をしているそうです。つまり、1日に2万回、1年に約730万回も呼吸をしています。そんな呼吸を、あなたは意識しながら行っていますか?
『すべての不調は呼吸が原因』(本間生夫・著/幻冬舎・刊)には、呼吸を強化して健康になる方法がたくさん掲載されていました。その中でも注目したのが「呼吸年齢」という言葉。血管年齢とか骨年齢は聞いたことありますが、呼吸にも年齢があるの? 今回は、呼吸年齢についてお伝えしながら、老後も元気な生活を送るための呼吸法を紐解いていきましょう。
呼吸年齢とは?
自分の呼吸がどのように行われているかってあまり気にしたことがないと思います。『すべての不調は呼吸が原因』によると、肺を動かしている「呼吸筋」が収縮運動することで、肺の中に空気を入れたり出したりできているんですって。肺が潰れてしまわないように一定の空気は肺の中に残っているそうなのですが、加齢とともに必要以上の空気が残ってしまうようになるため、その残っている空気(機能的残気量)の量を計測し、「呼吸年齢」を決めているそうです。
30・40代の私たちには関係ないと思ってしまいますが、意外と早くから老化は始まっているんだとか。
「呼吸するときに十分に息を出しきれず、肺の中に空気が残るという老化現象」は、すでに20代の若いうちからスタートしていて、その老化現象は年々歳をとるごとにじわじわと進んでいたのです。
(『すべての不調は呼吸が原因』より引用)
う〜ん、自分の呼吸年齢を知りたい!
この「呼吸年齢」は、残念ながらまだ一般的に普及していないため、まだ病院で調べることができないそうです。似ている検査で「肺年齢」は肺活量を調べることでわかりますが、これは意識をして「ぶ〜〜〜っ」と息を吐いて行う検査のため、日常的な呼吸の年齢は肺活量だけでは調べられません。毎日2万回もしている呼吸なので、健康診断等で手軽に調べられる日が来るといいですよね。
「冷え性」「疲れやすい」など現代人の「プチ不調」も呼吸で解決!
また日常から「疲れやすくて…」「疲れが抜けなくて…」という方も呼吸に原因があるそうです。
日々のストレスや不安により、現代人の呼吸は知らず知らず浅いものになりがちです。呼吸が浅く、十分な空気が体内に入ってこないと、エネルギーも十分に生み出せなくなってしまいます。すると、少し活動しただけで疲れてしまったり、その疲れがなかなか抜けなかったりするようになりがちなのです。
(『すべての不調は呼吸が原因』より引用)
呼吸が浅くなると血の巡りが悪くなってしまうので、冷え性や肌荒れにも影響を与えてしまいます。しかし日常的に「いい呼吸」ができるようになると、自律機能が回復し、全身の血行が促され、血液循環が回復できるので、「なんとなく体調悪いな〜」というプチ不調が改善できます。では、次に「いい呼吸」をするための方法をご紹介しましょう!
どうしたら「いい呼吸」ができるようになるの?
それぞれ1日5分ほどでできる、「いい呼吸」をするためのトレーニング方法を一挙にご紹介いたしましょう。
〈呼吸筋をやわらかくするストレッチ〉
メニュー① 呼吸筋ストレッチ
〈息を吐ききるトレーニング〉
メニュー② スポーツ吹き矢
メニュー③ 果物の種飛ばし競争
メニュー④ 「吹く楽器」にチャレンジ
〈「声」と「歌」によるトレーニング〉
メニュー⑤ 発声ヨガ
メニュー⑥ 詩吟、謡、お経などを唱える
メニュー⑦ 日本語の名文を音読する
メニュー⑧ 呼吸筋カラオケ
メニュー⑨ お風呂で歌う
〈呼吸筋ウォーキング〉
メニュー⑩ 呼吸筋ストレッチ+ウォーキング
メニュー⑪ 呼吸筋ストレッチ+階段上り下り
(『すべての不調は呼吸が原因』より引用)
この中でも私が試してみたいと思ったのが「メニュー⑧ 呼吸筋カラオケ」です。これは呼吸にいい「七五調の歌」をカラオケで思いっきり歌う方法なのですが、この七五調とは、七音と五音の言葉が繰り返されているものを指し、これが日本人の呼吸にあっているんだとか。どんな曲が七五調の歌かというと、『明日があるさ(坂本九)』『秋桜(山口百恵)』『天城越え(石川さゆり)』『ダンシング・ヒーロー(荻野目洋子)』などなど。歌詞を思い浮かべてみると、全て七五調だ! 他にもまだ七五調の曲はあるので、自分の好きな曲や18番が七五調か調べてみるのも楽しそうですね。
『すべての不調は呼吸が原因』には、他のトレーニングについても丁寧に解説されています。毎日の呼吸から手軽に健康になりたい! と思う方は、ぜひ一度お手に取ってみてはいかがでしょうか?
【書籍紹介】
すべての不調は呼吸が原因
著者:本間生夫
発行:幻冬舎
階段を上ると息切れする、ちょっとしたことですぐ咳込んでしまう、肺に十分な空気が入ってこない感じがする……。こうした呼吸の乱れを、年齢のせいと放置してはいけない。呼吸は1日約2万回。その質が悪いと、体を動かす力がなくなるばかりか、免疫力が低下して各臓器の働きが鈍化するなど、すべての不調の原因になるからだ。「浅くて速い」呼吸が不安やイライラを引き起こすなど、感情の動きにも影響していることも新たにわかった。本書では最新の医学的知見をもとに、「呼吸の力」を鍛えて心身の不調を撃退するメソッドを徹底解説。呼吸が変わるだけで体も変わる!