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2019/6/20 6:00

痛みの原因は「脳」にあった!?――『脳で治す腰痛DVDブック』

実は今、ぎっくり腰を発症中だ。病院で渡された腰痛ベルトなるものをしながらこのコラムを書いている。

 

これまでも腰が痛いなと思ったことはある。けれども、こんなにひどいのは初めてで、いったい何がどうなったのか自分でもよくわからない。「あ」と思ったとき、既に腰が猛烈に痛く立ち上がることができなかった。

 

恥ずかしい話だが、最初の数日はトイレにも這って行くしかなかった。赤ちゃんだってできる「はいはい」すら無理で、匍匐前進というのか兵士が爆撃をよけながら進むときのように腕を使って這っていた。

 

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絶賛、ぎっくり腰中のワタシ

数日して、どうにかタクシーを呼び整形外科に行くと「うーん、重症だね」と言われた。大きな病院でMRI検査をするよう言われ、半泣きで行ったはいいが、MRIの機械から下りられなくなってしまった。

 

検査技師の助けを借りてどうにか診察室にたどりついて聞いた病名は「第五腰椎分離滑り症」とのこと。お医者様がそうおっしゃったとき、私はただ繰り返すしかなかった。

 

「ダイゴヨウツイブンリスベリショウ?」なんだかよく分からないが、完治させるためには手術しかないという。しかし、しかし、である。今、私は入院するわけにはいかない。家族には病人が相次いでいるし、締め切りが迫っている仕事もある。

 

 

腰痛に関するクイズ、さて正解は?

すがる思いで買ったのが、『脳で治す腰痛DVDブック』(NHKスペシャル取材班・著/主婦と生活社・刊)だ。この本には「えっ!! そうなの? そうだったの?」と、言いたくなるような驚きが満載だ。

 

まずは、腰痛に関するクイズから始まるのにも驚いた。

 

Q1 ヘルニアは、手術をしないと治らない
Q2 ぎっくり腰は、痛みが取れるまで安静にする
Q3 腰が痛いときは、つねにコルセットをしたほうがよい

 

私は全部「○」と答えた。ところが、正解はすべて「×」だという。最初から、「えっ!そうなの?」と、なる。

 

 

腰に爆弾を抱えた体になったのだから……

『脳で治す腰痛DVDブック』によると、ヘルニアは9割が自然治癒するといわれており、「安静」や「コルセット」が腰痛の改善につながるとはかぎらない。もっとも、最初は動こうとしても動けないのだから、安静にしているしかない。

 

私もひたすら寝ていた。どうにか動けるようになった後も、私は寝ころんだまま一日を過ごしていた。いったん横になると、起き上がる度にひどい痛みに襲われる。だから、最低限の仕事と家事をどうにかするとあとはひたすら横になっていた。安静にしていないと治らないと思っていたからだ。

 

次第に私は自分がもう二度と立ち上がれないような気持ちになっていった。取材にも旅にも行けず書きたいものも書けない。この先、生きていても楽しいことなどないのではないか?  みんなに迷惑をかけて生きていても仕方がないなどとという思いが頭をよぎるようになった。

 

「孤独だ」と呟きながら私は布団の中で涙ぐんでばかりいた。腰よりも心が折れた感じだった。これからは外出を控えて生きていかなくては……。なぜなら、私は「腰に爆弾を抱えた体」なのだから。

 

 

腰痛は放っておいても改善する?!

ところが、『脳で治す腰痛DVDブック』によると、腰痛とは多くの場合、ほうっておいても改善するというではないか。

 

いわゆる「ぎっくり腰」などは、急に痛みが出る「急性腰痛」に分類されます。骨や筋肉など、体の組織が損傷を起こすことで激しい痛みを引き起こしますが、通常は1週間程度で治ります。また、「椎間板ヘルニア」などの腰痛も、通常3か月以内に自然治癒することがほとんどです。
多くの腰痛はほうっておいても改善するものなのです。なのになぜ、これほどまで多くの方が、慢性腰痛に悩んでいるのでしょうか

『脳で治す腰痛DVDブック』より抜粋

 

またも「えっ!そうなの?」と、驚きながら、同時に、私は自分の心と腰が軽くなっていくのを感じた。

 

 

問題は脳にあった

腰痛が長引く原因、それは脳にあるという。慢性腰痛の患者の脳を調べると、脳の「DLPFC」と言われる場所の体積が健康な人と比べ極端に減り、活動が衰えてしまっている。

 

「DLPFC」は、脳の神経細胞の興奮を静める指令を出すところだ。ここが働かないと、腰痛の原因が解消されてもなお「痛みの回路」の興奮が続き、痛みが長引き、むしろひどくなっていく。

 

私は「DLPFC」の検査を受けていないので、はっきりとしたことは言えないが、心当たりがある。激烈な腰痛を経験した後、私はずっと思い続けた。「どうしよう、また痛くなったら、どうしよう。いや、痛くなるに決まっている」

 

そして、寝るときもコルセットをしたままで、歩けるようになってもこわごわ歩き、一生、家にひきこもっていようと決心していた。腰痛に苦しんでいると言うより、「腰痛になったらどうしよう病」になっていたような気がする。

 

 

見るだけで治る? 本当に?

『脳で治す腰痛DVDブック』には、実験を経た末に考え出された恐怖の克服法とその驚きの結果が示されている。まず、付属のDVDの「映像を見る」だけで、4割の人が腰痛を改善できるという。

 

残りの6割の人も「背中を反らす」だけで腰痛を改善できる。腰をかばって前かがみの姿勢ばかりとりがちなので、あえて背中を反らして恐怖心を減らすのだという。

 

半信半疑ながら、私もまずDVDを毎日見た。そして、次に、一日に何回か腰を反るようにした。すると、あらあら不思議、摩訶不思議。トイレへも行けなかったひどい痛みが、少しずつ改善されるのを実感したのである。

 

私の場合は、この段階で解決したが、それでも痛くてたまらない人には「認知行動療法」という方法がある。心理療法の一種で、精神科医や心理療法士など、プロの助けを借りて腰痛を克服していくという方法だ。

 

 

試してみて、損はない

私の場合は、背中を少しずつ反らす運動によって、腰痛はましになり、とりあえず電車に乗れるようになった。電車に乗れるようになった私は、一人でペイン・クリニックの病院へ行き、ブロック注射をしてもらい、今は手抜きながらも、家事と看病と仕事をこなせるようになるまでに、回復した。

 

まだ痛むことは痛むのだが、心が折れた状態からは抜けだし、旅の本など眺めながら、「どこか行きたいな~~」などと思う余裕も生まれた。もちろん、私は医師ではないので、『脳で治す腰痛DVDブック』がすべての人にいいと断言することはできない。

 

しかし、少なくとも、私にとっては、まるで腰痛バイブルのような本となった。腰痛に悩む人がいたら、一度、試してみて、損はないと思う。

 

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【書籍紹介】

 

脳で治す腰痛DVDブック

著者:NHKスペシャル取材班
発行:主婦と生活社

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