本・書籍
自己啓発
2019/7/11 21:45

老後が、未来が不安な人に読んでほしい。『人生フルーツ』の夫婦が教えてくれる「だんだん美しくなる人生」とは?

もうすぐ選挙。これからの未来を考えると、不安なことばかりが想像されて、年金もらえるのかな? とか、消費税が増税されたらどうなるんだろう? とかモヤモヤした疑問ばかり湧いてきて、私が小学生のころにみた「未来」の明るさとはどこか違っていて、このまま年齢を重ねていくことに不安になったりすることが増えてきました。みなさんはこれからの未来、希望で満ちていますでしょうか?

 

ききがたり ときをためる暮らし』(つばた英子・つばたしゅういち・著/自然食通信社・刊)には、二人合わせて171歳のご夫婦の「だんだん美しくなる人生」を生きるためのヒントが優しい言葉で綴られていました。

 

今回は、未来がちょっと不安な人に届けたい、長年連れ添ったご夫婦の優しい言葉をご紹介します!

 

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映画『人生フルーツ』で話題になったご夫婦が語りかけてくれる一冊

二人合わせて171歳というこのご夫婦は、2017年に公開された樹木希林さんのナレーションでも話題になったドキュメンタリー映画『人生フルーツ』で主演されています。

 

 

この映画をご覧になられた方も多いかもしれませんが、簡単に内容をお伝えすると愛知県春日井市の高蔵寺ニュータウンの一隅に住む建築家のご主人と、そのお家でキッチンガーデンで野菜を育てる奥さんとの日常を伝えるドキュメンタリー映画です。私はテレビ版しか見ていないのですが、本当に素敵なご夫婦で、「こんなおばあちゃんになりたい!」と、調子に乗ってベランダでしそなんかを育ててみたものの、見事に枯らせてしまった思い出があります(笑)。

 

そんな簡単になりたいものになれたら、苦労しませんよね!

 

この本は「ききがたり」というタイトル通り、編集者の水野恵美子さんがご夫婦と共に過ごしていく中で聞いたことをそのまま文章にし、本にまとめられています。

 

二人のことをもっと知りたくて、半年ほど前に購入したのですが、読み終えてしまうのがなんだかもったいなくて、毎日ちょっとずつちょっとずつ読み進めた本でした。

 

 

「夫婦」で一緒にいるということ

この中で「ここを読んで!」というところがありすぎて、紹介したい箇所がたくさんあるのですが、個人的にこの夫婦は人間レベルが高い! と驚いたのが、ご主人である修一さんが語る「夫婦について」。

 

長年連れ添った夫婦といえども、二人の間にちょっとの隙間ができるくらいの距離をあけてね。僕らもだんだんしゃべらなくなって、阿吽の呼吸になってきてはいますが、いい関係でいるには、やはり、気づかいは必要なことだと思いますよ、年を取ってもね。

(『ききがたり ときをためる暮らし』より引用)

 

いい夫婦というと「ラブラブ〜♪」と言われるような夫婦を思い浮かべると思うかもしれませんが、ちょっとの隙間を作っておいて年をとっても気づかいすることが大切だと言えるなんて、すごく人間レベルが高いと感じました。

 

他のエピソードからも二人の強い絆を感じることができるのですが、「あぁ、理想の夫婦ってこういうことだな」と思えちゃうんです。お互いを人間として尊重して、気づかって暮らしていくって言葉にしたら簡単だけど、そんなこと頭でわかっていても実際に行動はできないですよね! また奥さんの英子さんも以下のように語っています。

 

彼の哲学と、私の哲学は、ぜんぜん違います。でも、お互い世の中の常識には流されず、自分の感性でいいと思ったことを続けてきた。そういうところは、二人とも合っていますね。遠いところを見つめる二人の方向は一緒だったというわけね。

(『ききがたり ときをためる暮らし』より引用)

 

もっと色々と紹介したいのですが、一旦ここまでで(笑)。

 

続きはぜひ『ききがたり ときをためる暮らし』で楽しんで欲しいです。

 

 

なんどもなんども、繰り返したくなる本

エッセイ本などですと、1〜2回読んで本棚にスッと入れて、また読みたくなった時に手に取る……というように読む方が多いかもしれませんが、この『ききがたり ときをためる暮らし』は、1回読むとあとはどこから読み返してもいろんな発見ができるので、なかなか本棚にスッと入れちゃうことができないのです。

 

いつも手に届くところに置いておきたい、そして繰り返し読みたいそんな一冊です。どうしてこんなにも魅了されちゃうのかなーと思っていたら、ご主人の修一さんのあとがきにこんなことが書かれてありました。

 

この本は、膨大なテープ取材原稿に、その取材に匹敵するような濃密な時間を使って、そぎおとしが繰り返されてできたと聞いています。レトロ・フューチャー(懐かしい未来)から現代に届けるメッセージとして、やさしく、ふかく、おもしろく、そして音楽的になってほしかったでしょう。私たちの雑木林とキッチンガーデンのある暮らしから、四季折々の”物売りの声”に代わる新鮮なメッセージが、あなたの心にそっと届きますように。

(『ききがたり ときをためる暮らし』より引用)

 

私には、がっつり届いてますよ!

 

文章の途中に差し込まれているカラー写真も本当に素敵で、「そうだ日本には季節があったな」とか「同じ1日なのにどうしてこんなに充実度が違うんだろ!」と驚いたりもできます。こんな生活もう嫌だ! なんて思う前に、どうしたらだんだん美しくなる人生を過ごせるかな? と一旦立ち止まって考えてみると、これからの未来が、そして老後がいま思っているよりも楽しく過ごせるようになると思います。

 

【書籍紹介】

ききがたり ときをためる暮らし

著者:つばた英子・つばたしゅういち
発行:自然食通信社

ふたり合わせて、171歳の青春。だんだん美しくなる人生を設計するのは、けっして夢ではありません。健康で、病気知らず。元気で、ちょっぴり弱虫。お金はなくても、何かがあふれている。「おもてなし、大好き。プレゼント、大好き」な、素敵なじーじ・ばーばになれるんです。これは、小さなキッチンガーデンから、次世代に届けるやさしいメッセージです。

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