HKT48というアイドルグループを卒業後、SNSの世界でインフルエンサーとして花開いた「ゆうこす」さん。彼女は発信上手な可愛い女性、というだけでここまで上がってきたわけではなさそうです。『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』(幻冬舎・刊)にはチャンスを掴むための秘密が明かされていました。
元アイドルとSNS
ゆうこすさんが出版した本『共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る』には彼女とSNSとの関わりが書かれています。元HKT48というアイドルグループに属していた彼女は2012年に脱退、そして同年に始めたTwitterのフォロワー数は当初より2万人以上だったそうですが、いざイベントを開催したら、集まったのはたったの3人だったのだとか。
このせつない体験をして以来、本腰を入れてSNSに取り組み、2019年現在、ゆうこすさんのフォロワーはInstagramで45万人、Twitterで31万人とかなりの影響力を持つようになりました。今では彼女は会社を立ち上げ、化粧品などをネットで販売し、なんと年商は2億円もあるのだとか。
会いたい人に会うための出費を惜しまない
本書は、フォントの色やサイズを巧みに操り、とても読みやすく作られていて、このあたりにも彼女の気遣いが見えます。SNSのテクについても、持ち前のハッシュタグ重視の考えかたが出し惜しみなく書かかれていますが、彼女の熱さが最もわかるのは、幻冬社の社長である見城徹さんとの面会を果たしたエピソードではないでしょうか。
尊敬する人としてしばしば名前が挙がる見城さんに関心を持った彼女は、彼の著作などを読み、ぜひお会いしたいと思うようになっていました。そんなある日「タイムバンク」というその人の時間を分単位で購入できるサイトに見城さんが登場したのを見つけ、迷わず90分の面談を申し込んだのです。その額は、なんと約110万円でした。
面談予定の人のことは、事前にリサーチしておく
その人のために事前に色々と考え準備をすることは、相手が「自分のためにこんなことをしてくれた」と感じる素晴らしいサプライズになります。ゆうこすさんは、見城さんが以前「エミリオ・プッチを着る女性が好きだ」と言ったのを知っていたので、15万円もするそのブランドの服で会いに行ったそうですが、これも素晴らしいホスピタリティ力です。
私も先日、とある社長さんとお会いする機会がありました。そのかたは著作はなかったので、ネットのインタビュー記事を熟読し、料理が得意で特定の食品を好んでいるということがわかりました。なので話の途中に「お忙しいなかお料理もされていてすごいです」という話をすると、どうして知ってるの!? と驚かれ、大変うれしそうな顔になりました。相手のことをあらかじめ調べておくと、会う前からその人のことをとても好きになれるし、相手からも好印象を持っていただけるのです。
会いたい人にインパクトを与える
ゆうこすさんには周囲に見城さんの知り合いもいるでしょうし、誰かに紹介をお願いすれば、このような大金を支払わなくても、面会することができたかもしれません。けれど、あえてタイムバンク経由で申し込みをしたのは、先方に強い印象を与えるためだったというのです。見城さんは毎日のように色々な人と会っているのだから、どういう初対面シーンにすれば面白がってもらえるだろうか、と考えた末のことだったというのですから、すごい話です。
同様に、ホリエモンさんこと堀江貴文さんとの初対談では、彼が店に現れる直前まで生配信をして待っていたそうです。堀江さんも大勢の人から普通の自己紹介をされ慣れているだろうから「何してたの?」と突っ込んでもらえるようなシーンを演出したというのです。言葉で説明するのではなく、実際に生配信している姿をお見せすることで、しっかりと自分の印象を刻み込めると計算した彼女の先まわりして相手の心理を読む技術は尊敬に値します。
面会のエピソードだけ見てもわかるように、彼女の発信は「私を見て!」ではなく、情報を受け取る相手の気持ちを考えたものであることが、本の端々からもうかがえます。この本を読めば、発信方法のみならず人の立場を考えるという大切なことについても、多くのヒントを得られることでしょう。
【書籍紹介】
共感SNS 丸く尖る発信で仕事を創る
著者: ゆうこす
発行:幻冬舎
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