本・書籍
2019/12/2 21:45

「マジ、旦那にイライラする!」という女性陣は『夫のトリセツ』を読むべし!明日から何かが変わるから!

今から10か月ほど前、話題の書籍『妻のトリセツ』に関する記事を書いた。そのとき、「今後ぜひ、『夫のトリセツ』も出版してほしいものである」という一文で締めくくったのだが、同じような声が多数あったようで、待望の『夫のトリセツ』(黒川伊保子・著/講談社・刊)が発売された。

 

さっそく読んでみたら、これが面白い。

 

『妻のトリセツ』は自分の事として認めたくない想いが奥底にあったからか、また、極端な妻の事例が多いと感じていたので、私的にはこちらのほうがずっと響いた。目から鱗な知識が満載だったし、何より共感の嵐だ。

 

いや、だからといって、夫に不満ばかり持っているわけではないけれども。ただ、「あるよね、確かに、こういうことって、ある!」というエピソードがそこここに描かれており、そして、そんなときどうすればお互いにハッピーかが細かくアドバイスされていて、「黒川伊保子氏ってばスゴイな!」なのである。

 

男女は「脳のチューニング」が違う

よく語られる「男女の脳の違い」。黒川氏は、「男女とも、同じ脳を持ち、全機能搭載可能で生まれてくる。そういう意味では、男女の脳は違わない」と語る。

 

では、何が違うのか。それは「チューニング」であると黒川氏。

 

なんでも、脳の中には同時同質には使えない機能が共存しているそうで、「遠くの動くものに瞬時に照準が合い、距離感をとっさにつかめる」ように眼球を制御している「男性脳」がメインで働いていると、「目の前のものを綿密に見つめて、気配を察し、針の先ほどの変化も見逃さない」というものの見方、つまり「女性脳」主体にはならないのだ。

 

「どの脳も、どちらもできるのだが、同時にはできない」ということだ。

 

となると、とっさのときに使う脳を決めておかねばならない。それが、男性脳の場合は「遠くを見て、とっさに問題点を指摘し合い、ゴールへと急ぐようにチューニング」されており、一方、女性脳の場合は「近くを見つめ抜いて、大切な人の体調変化を見逃さず、とっさに共感し合うようにチューニング」されている。

 

この違いがあるが故に、今日一日子どもの世話でどれだけ大変だったかを帰宅した夫に話そうものなら、「そんなにワガママ言うなんて、ちょっと甘やかしすぎたんじゃないか」だの「明日は休みだし、少し休んで気分転換したら」だの、「問題解決に対する言葉」が返ってくる。

 

けれども、女性が欲しいのはそんなことじゃない。「それは大変だったね。本当にお疲れさま」という、共感とねぎらいの一言、それだけなのだ。

 

 

夫に真剣に話を聞いてもらうための3つのコツ

あらかじめ、「男性脳ってやつは、こういうもんだ」と理解しておくだけで、ずいぶん夫に対するストレスが軽減される。でも、それだけじゃ、夫婦仲良く老後までやっていくには、まだ足りない。

 

ここで、黒川氏からの素晴らしきアドバイスをご紹介したい。それは、全女性が聞きたいであろう、「夫に話しかけるときのコツ」である。

 

男性に話しかけるときは、

 

①まず、視界に入る場所まで行って名前を呼ぶ。

②2~3秒間待って本題に入る。

③結論から言う。できれば、数字を言う。

 

この3点さえ意識すれば、「旦那が私の話をまったく聞いてくれない!」なんて事態を回避できるという。

 

たとえば、夫がぼうっとしているときにいきなり早口で話しかけても、彼の耳には妻の声がモスキート音のように聞こえているのだそう! ゆっくり話し始めて、音声認識のスイッチを入れさえすれば、あとは早口でも問題ないそうだ。

 

そして、男性は結論のわからない話に耐性が低いため、「今度の休みの過ごし方について、相談があります。ポイントは3つ、子どもたちのリクエストを満たせる場所があるか、何時に出発するか、車か電車のどちらで行くか」などと最初に明確に伝えることで、最後まで集中力を持って話を聞いてくれる。

 

なるほど、この方法は、やってみる価値がありそうだ。

息子の育て方が、将来的に円満な家庭を築く!?

「おそらく、男性の対話力の低さが女性に対する共感を妨げ、結果、他愛のない話が続かない夫婦が増えていく原因ではないか」と黒川氏は述べる。想像してみてほしい、今日のお昼に食べたメニューの話を夫にしたとき、彼はなんと返してくるだろうか。「ふーん」「それで?」で終わってしまうようなことが続くと、次第に妻も必要最低限の用事以外は話しかけなくなり、夫婦の会話が消えていくだろう。

 

では、この対話力を育てるには、どうしたらよいか。ズバリ、母親が息子に教えなくてはいけない!と黒川氏。

 

じつは母親というものは、女性脳を持ちながら、子どもに対しては「宿題はやったの?」「早くご飯食べちゃいなさい」などと男性脳的な目的指向の言葉かけになりがちだという。息子を寄り道なしに立派な大人に育てあげたいという親心故なのだが、この会話が主流になってしまうと、対話法が成熟しないまま大人になり、妻と他愛のない会話ができない夫になりかねない。

 

息子が小さなころから、あらゆる言葉と表現を使って質問を投げかけ、会話が続くよう努めることで、将来、息子と対話ができる母になれるし、未来のお嫁さんのためにもなる。

 

息子の育て方って、めちゃめちゃ重要なのだな。

 

 

夫婦70年時代、まだまだ先は長いのである。

黒川氏いわく、「夫婦は阿吽の呼吸までに35年かかる」そうだ。おそらく、この記事を読んでくれている既婚者のほとんどが、はるか遠い未来の話だと思われているだろう。かくいう我が家も、まだ3分の1程度。

 

そもそも他人同士が一緒になったのだから、万事うまくいくわけがない。大なり小なり衝突もある。そこまでの道のりを、いかにうまくやっていくか。できるだけ笑顔たえない家庭にできるか。

 

「阿吽の呼吸なんて無理! とにかく旦那にイラつく!」と毎日怒り心頭の妻たち、騙されたと思って『夫のトリセツ』を手にしてみてほしい。

 

夫への苛立ちや疲労感、自分の気持ちをわかってくれない悲しみは、黒川氏が指南する少しの意識変革と対策で、いかようにも軽減できるはずだから。私自身、早速実感している次第だ。そして、夫自身も読むと良いだろう。『妻のトリセツ』と『夫のトリセツ』の2冊セットは、夫婦生活を円満に送るためのバイブルになりそうだ。

 

 

【書籍紹介】

夫のトリセツ

著者:黒川伊保子
発行:講談社

話が通じない、思いやりがない、わかってくれない、とにかく気が利かない…それでも、夫をあきらめない。夫婦70年時代のバイブル! 40万部突破の『妻のトリセツ』、待望の第2弾!

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