もともと細い方ではなく、常にダイエット情報には敏感だったが、最近の肥え方は酷い。目も当てられない。恐る恐る体重計に乗ってみると、結婚式のためにエステに通っていた13年前と比べて、ちょうど10kg増加していた。
恐ろしいのは、誰からも「あれ? 太った?」と言われないことだ。きっと、みんなが気づいているはずだが、やさしい人たちばかりだから口に出さないだけだろう。たまに感じる、旦那の”お腹への視線”を私は見逃していない。
末恐ろしくなった私は、ずっと気になっていた一冊をついに手に取った。『痩せない豚は幻想を捨てろ』(テキーラ村上・著/KADOKAWA・刊)。これまで目をそらしてきた現実と向き合う時がきたのだ。私は、痩せない豚なのだということを。
日本でもっともデブ人口を減らした男
テキーラ村上氏(通称・テキ村氏)は、株式会社ULTORA プロデューサーであり、日本でもっともデブを葬り去った人といわれている。デブが見ると即死すると噂のブログ「痩せない豚は幻想を捨てろ」が、悩めるダイエッターたちに刺さりまくっている。
「読めば誰もが痩せてしまう! 前代未聞のダイエット本が誕生!!」と帯に書かれていて、ちょっと大げさじゃない?と思っていたのだが、つい先程読み終えた私は、その煽り文句が決して誇張ではなさそうだと感じている。
なぜならば、本書には絶対に痩せるダイエット法が書かれているわけではなく(いや、書かれていなくはないが)、「ダイエットの幻想を捨て、リアルと向き合うこと」、つまりデブ思考を認め、捨て去ることがメインとなっているからだ。
そろそろ、目を覚まして頂きたい。
いいか、自撮りで顔がシャープに見える角度を延々と探している場合ではないんだよ。ついに現実と向き合う日がきた。
(『痩せない豚は幻想を捨てろ』はじめにより引用)
まさに、私のことだ。
はじめは過激な物言い、そして自分の脳内をのぞき見されているかのような内容におののいていたのだが、早々にテキ村氏にひれ伏すことになった。
何よりも「脳から痩せる」こと
それにつけても、テキ村氏のドS口調が蓄積された脂肪と甘ったれた脳内にビシバシ刺さる。
けれど、いかに罵倒されようとも、テキ村氏の言葉には愛がある。日本全国のダイエッターたちを救ってくれようとしているからだ。
そして、ひとつひとつの言葉に説得力がある。自身もかつて「体の線は細いのに腹だけデブ」であり、さらにデブの道を突き進みつつ、最終的には体脂肪率を一桁台まで落とした過去を持つからだ。
そんなテキ村氏がまず叱咤するのが、「デブメンタルからの脱却」。
ダイエットのモチベーションを維持するためには、なぜ痩せたいか、痩せて何をしたいかを明確にすること。高い目的であるほど良い。そして、後戻りできない状況を自ら作って、その状況に身を置くこと。これこそが、最初にして最大の山場であり、ダイエットのモチベーションが維持される方法なのだ。
また、ダイエッターたちのほとんどが「お腹が空いたと思っているが、それは幻想にすぎない」という驚愕の事実。そうか、私は、本当の空腹を知らぬまま、口に食べ物を延々と運んでいたのか。
さらには、体重計の数字にとらわれず、自分の行動で評価すること。一刻も早く行動を起こし、行動を起こした自分を認めることで、「真の自信」をゆるぎないものにすること。
これらメンタル面を整えたうえで、実際に食事や運動など「テキ村式ダイエット」を実践していくのだ。
ダイエットに失敗し続けてきた人こそ必読
『痩せない豚は幻想を捨てろ』をすべて読み終えた今、ようやくダイエットのスタート地点に立てた気がする。
巷で話題のさまざまなダイエット法は、どれも興味深いし、効果があるものも多い。けれども、一番大事なのは、そもそものデブメンタルと幻想を捨て去ること。そのことを、心の底から痛感した次第だ。
なお、「テキ村式ダイエット ビフォアアフター」で検索すると、それはそれは美しく痩せた元ダイエッターたちの画像がヒットする。本を読み、それらの画像を見れば、否が応でもやる気が出る。
これから初めてダイエットをするという人よりもむしろ、これまでいろいろなダイエット法にチャレンジしてきたが、思うような結果が得られなかった人にこそ、ぜひ手にとってほしい一冊。一緒に痩せない豚から卒業しようではないか。
【書籍紹介】
痩せない豚は幻想を捨てろ
著者:テキーラ村上
発行:KADOKAWA
ブログとTwitterで話題のテキーラ村上初の著書。タグまでできるほどの人気を誇る「テキ村式ダイエット」のすべてがここに!! これまで数々のダイエットで挫折&リバウンドしてきたダイエット難民たちへ贈る、テキーラ村上の魂がこもったダイエットメンタル強化本です。
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