本・書籍
2020/4/1 21:45

映画で花見? こんな時だから、気分転換に映画を見よう!

先週末からほぼ外出していない私です。

 

そろそろ家を出たい! そんな衝動にかられてきますが、ここはジッと我慢。家の中でできることも限られていますが、せっかくですから映画を観るなんてのはいかがでしょうか? 私も1日で3本の映画を観たのですが夜には「すごい贅沢な時間を過ごした気がする!」と朝よりはいい気分に。仕事がない日には、映画を観まくる、おすすめですよ〜!

 

でも……。

 

「映画を観たいけど、何を観たらいいかわからないよ」「こんな時期に観る映画っていってもね〜」と悩んでしまう方も多いはず。そこで、今回はTBSラジオの映画評でも大人気のライムスター宇多丸さんが執筆した『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』(宇多丸・著/新潮文庫・刊)より、おすすめの映画をご紹介していきます。

 

映画でお花見ができる?

『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』では、人生のお悩み相談に乗りながらライムスターの宇多丸さんが映画を紹介していくのですが、一冊の中になんと400本以上の映画が紹介されているのです!

 

また、宇多丸さんに寄せられたお悩みも57本とたっぷりで「もっと感情豊かな人間になりたい」とか「あがり症です」とか「営業成績をどうやったらあげられますか?」等々、これって映画で解決できるの? なんて、お悩みを読んでいるだけでも楽しめます。こんな時期にぴったりな「花見シーンが見事な映画ありますか?」という相談があったので、こちらをご紹介しましょう!

 

それが作家としてのトレードマークだと言わんばかりに、ある時期以降ほぼ毎作、言うならばデタラメなまでの律儀さをもって桜を画面に登場させ続けているのが、映画を「脱臼」させることにかけては文字通り他の追随を許さない異端の巨匠、鈴木清順です。

 (『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』より引用)

 

鈴木清順さんは日活の監督として活躍したのち独立し、世界的にも注目されていた方なんだとか。恥ずかしながらこの本を読むまで知らずに生きていたのですが、この監督の作品には季節における「桜」演出だけでなく、奇怪な桜演出もたくさん登場するんだとか。

 

『けんかえれじい』『殺しの烙印』『悲愁物語』『ツィゴイネルワイゼン』『陽炎座』とタイトルだけでも興味深い作品が並んでいます。以下に『けんかえれじい』の予告編を紹介しますが、主演は越後製菓でおなじみの高橋英樹さん! めっちゃ若いですよ〜♪

 

ちらっと予告編でも登場する桜演出は、ぜひ本書そして映画を観てご確認頂きたいのですが、他にもストレートに春の桜を楽しめる作品も紹介してくれています。

 

ただ、相談者はもっとストレートにお花見を楽しまれている方でしょうからね……冒頭での予告通り、ド直球で「花見のシーンが見事な映画」を一本挙げるとするならば、ズバリ、市川崑監督版『細雪』(1983年)で決まりではないかと!

(『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』より引用)

 

わ〜めっちゃ気になる!(笑)Youtubeで冒頭の桜のシーンも観られるので、よかったらご覧くださいな。そのまま続きを見たい方は、Youtubeで購入も可能です。

 

市川崑監督といえば、ドキュメンタリー映画『東京オリンピック』はもちろん、『八つ墓村』や『犬神家の一族』の監督としても有名な方。昭和の名監督作品でお花見なんていうのも乙ですよね!

 

 

「映画名索引」がついているので、そこから探すのもGOOD!

『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』では、お悩み相談に答えながら映画を紹介していくだけでなく、巻末に「映画名索引」がついているので、そこから観たい映画を探していくというのもおすすめです。

 

なんてったって、400本もありますので! 一度見た懐かしの映画を「こういう視点で見返すのもありか」と思える人も多いでしょう。例えば、1967年の大ヒット映画『卒業』なんかは、「結婚してしまった彼女を諦められない!」という相談に対して紹介しています。

 

ラストシーンについては、美談で語られることの多い映画ではありますが、ここでも宇多丸さんならではの相談に対する答えが本当に素晴らしく、昨今の不倫騒動について「あぁ〜この映画を見ていれば彼らもこんなことにはならなかったのに!」と思ってしまうのです(続きはぜひ本書でお確かめを!)。

 

また、『万引き家族』『スターウォーズ』シリーズ、など最近の作品も紹介されているので、普段あまり映画を見ないという方こそおすすめの一冊かもしれません。私は、本文に「自分が見たことのある作品」にマーカーでチェックを入れていきながら読んでいます(笑)。全てにはマーカーできていないので、人生をかけて少しずつマーカー部分を増やしながら、映画を楽しみたいと思っています。

 

 

映画はなんだかんだ観れば楽しいのだ!

最近では、口コミやレビューサイトが充実してきたので映画を鑑賞する前から「面白い」とか「つまらない」とかを星の数で評価しがちですよね。でも宇多丸さんの「はじめに」にある一節を読んで、こういうレビューに惑わされず、とにかく観よう! と思いました。

 

いずれにせよ、映画というものは、まさしく総合芸術ゆえ、どんな切り口からでも味わい尽くすことができるし、学ぶことができるーーこの本の、一見とりとめもない駄話の連なりから、その豊穣さが少しでも伝わるなら幸いです。

(『ライムスター宇多丸の映画カウンセリング』より引用)

 

不安でいっぱいの世の中ではありますが、その中から少しでも希望を見つけて、こんな時だからこそ映画から学ぶ、そんな時間があってもいいじゃないか! と私個人としては感じます。

 

「この局面、あの主人公ならどう乗り切るだろうか」なんて想像しながら、映画に触れる時間をつくるのも大切なことなのかもしれない…と、1日に3本みた私も改めて実感しました。

 

 

【書籍紹介】

ライムスター宇多丸の映画カウンセリング

著者:宇多丸
発行:新潮文庫

「オススメの映画は?」と問われたら、まずその人の悩みを聞くべし。それが相手にピッタリの映画を導き出す近道です! 人間関係の苦しみ。親の介護。差別への憤り。政治への不満。生きる意味。人生相談に応じて宇多丸が触れる400本以上の映画の中に、必ずあなたの特別な一作がある! 映画、音楽、ミリタリーからアイドルまで、あらゆるカルチャーに通じる才人による、刺激的な映画ガイド。

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