本・書籍
2020/10/26 21:45

”予約がとれない伝説の家政婦”に教わる、気持ちがラクになるフレンチな暮らし方とは?

依頼を受けた一般家庭に出向き、契約時間の3時間で、そこにある材料だけで家族構成に合わせた10品以上の美味しい料理を仕上げてしまう伝説の家政婦・タサン志麻さん。今、各メディアから引っ張りだこの彼女のアイディアがつまった本を紹介しよう。

 

ちょっとフレンチなおうち仕事』(タサン志麻・著/ワニブックス・刊)がそれ。フランス風というとおしゃれでエレガントな、と思う方が多いだろうが、本書はそうではない。「人目を気にせず、自分らしくラクに暮らす」その知恵が満載の一冊なのだ。

 

志麻さんがフランスに惹かれた理由

本題に入る前にタサン志麻さんの経歴をちょっと紹介しておこう。辻調理専門学校で学んだ後、渡仏し、同グループ・フランス校を卒業。ミシュラン三ツ星レストランでの修行を経て帰国し、日本に活動拠点を移す。しかし、老舗のフレンチレストランなどに15年勤務したあと、2015年からフリーランスの家政婦として独立し、活躍を続けている。一流のフレンチシェフを目指さず、なぜ、彼女は家政婦になったのだろうか? その理由が垣間見れる言葉を引用しておこう。

 

私が惹かれたフランスは、多くの人がイメージする、いわゆる”おしゃれなフランス”ではありません。好きな料理も、繊細なレストラン料理ではなく、家庭料理です。フランスの家庭料理は、日本でイメージされるよりも、ずっとシンプルでおおらか。焼いただけ、煮込んだだけ、肩の力がふっと抜けるような料理ばかりです。

料理だけでなく、フランス人の生き方も同じだと思います。まわりの空気を読んで、無理に他人に合わせることもなければ、他人が何をしていようがあまり気にしません。自分にも、他人にもおおらかで、つき合っていると肩の力が抜けます。

(『ちょっとフレンチなおうち仕事』から引用)

 

タサン家は日仏家庭

志麻さんのご主人はフランス人だ。日本語を学ぶために来日し、アルバイトをしていた飲食店で志麻さんと出会い結婚。現在は、ふたりの幼い息子さんと共に、東京下町で暮らしている。

 

この本では、たくさんの写真と共にリアルなタサン家の暮らしぶりを垣間見れるのだ。まずは、章立てから見ていこう。

 

1章 日本の古民家でちょっとフレンチな暮らし

2章 料理をおいしくするシンプルな道具と段取り力

3章 ラクしたいときこそ、フランス料理! 35文字でわかる10の格言

4章 ”ちょっとフレンチ”な考え方で心が軽くなる子育て&家仕事

 

では、さっそく気になる内容を少しだけ紹介してみよう。

 

東京の一軒家なのに家賃は5万7千円!

タサン家の住まいは東京下町の築60年の古民家。リフォームが自由で、現状復帰は不要で広々とした一軒家の家賃はなんと5万7千円。あまりにボロボロでDIY好きのご主人も当初はひるんだそう。が。志麻さんは”おばあちゃんの家”に似た雰囲気を持つその家に惹かれ、「ここがいい!」と即決だったという。

 

1章では、ビフォア→アフターの写真も挿入し、古い家が素敵にリフォームされていく様子が紹介されている。引っ越して4年の現在も、少しずつリフォームは続いているそうだ。ご主人曰く、最初から完璧を目指さず、少しずつ手を加えるのがフランス流なのだとか。

 

伝説の家政婦は2口コンロを使っている!

本書を読んでいて私がいちばん驚いたのは、短時間で多くの品目の料理を作り上げてしまう志麻さんが、あえて2口コンロを選んで愛用していること。3口、4口のコンロでなければ、調理が思うように進まないと思っている主婦は多いと思う。しかし、志麻さんはコンロの数は多いほうがいいわけではないという。

 

たとえば、パスタをゆでながら隣でソースを作る。その間にサラダを作れば、一食のでき上がり。ほかにも、鍋で野菜たっぷりのスープを作りながら、フライパンで肉をソテーすれば完成です。オーブンで肉をローストしている間に、コンロで蒸し野菜を作ってもいい。そう考えると、わが家のメニューでは2口で十分という結論になりました。

(『ちょっとフレンチなおうち仕事』から引用)

 

何口もコンロがあると掃除も大変。その点でも2口ならササッと拭けて簡単にキレイを維持できる、とのこと。

 

忙しい日こそフランス料理を

フランス料理は手が込んでいて難しいと思われがちだが、志麻さんによると忙しいときこそフレンチなのだそう。

 

フランスの家庭にお邪魔すると、本当にシンプルな前菜をつまみながら、煮込みやオーブン料理ができ上がるのを待ちます。前菜は買ってきたサラミのこともあれば、ラディッシュ(赤かぶ)だけをポンと出されたり、プルーンをベーコンで巻いて焼いただけだったり。まったく、気負っていません。煮込みもオーブン料理も、最初に少しだけ作業をすれば、あとは鍋やオーブンにおまかせ。何品も食卓に並べることもなく、シンプルです。

(『ちょっとフレンチなおうち仕事』から引用)

 

和食を作るより、フレンチのほうがずっと手抜きができるなんて驚きだ。

 

・ラタトゥイユ
・鶏ときのこのソテー
・大根と牛肉のブレゼ
・豚バラのビール煮
・鶏むね肉のコンフィ
・手羽元とオレンジのオーブン焼き

 

など、志麻さん流の簡単フレンチ・レシピも紹介され、どれもとてもおいしそうだ。

 

子どもも大人と同じものを食べる

フランスでなるほど! と思ったことの一つが、大人も子どもも同じものをよく食べているということ。離乳食さえ、大人のものの一部を食べさせることが多いと感じます。

(『ちょっとフレンチなおうち仕事』から引用)

 

本書には「じゃがいものピュレ」のレシピがあるが、これら野菜をすりつぶした付け合わせは、離乳食時期の子どもに食べさせることができる。大人も子どもも同じものを食べることがフランス式の食育で、また、大人が食べ終わるまで、子どもも食卓にいるのがルールなど、自然とテーブルマナーが身につく子育て法もなるほどと思わせてくれる。

 

コロナ禍で、家にいる時間が長くなった今こそ、肩の力が抜けるフレンチな暮らしを、あなたも参考にしてみてはどうだろう。

 

【書籍紹介】

ちょっとフレンチなおうち仕事

著者:タサン志麻
発行:ワニブックス

「伝説の家政婦」シマさん初の暮らし本! 家は築60年、古民家。2つだけのコンロ、狭いキッチンだからこそラク! ラクしたい日こそフランス料理!シマさん家の家事フロー。

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