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2020/11/16 6:30

「なぜ働くの?」その答えはここにある!−− 『なぜ僕らは働くのか』

小学校高学年になった息子、だんだんとお金のこと、働くということについて興味を持ちはじめたようだ。同時に、「なんで学校の勉強ってしなきゃいけないの? どうして宿題が毎日あるの?」という疑問も抱いている様子。

 

先日、子どもに対して「将来の夢は?」と聞くのはあまり良くない、何者になろうとしなくてもいい、という記事を書いた。

 

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だが、だからといって、何の職業にもつかなくていいというわけではない。毎日を暮らしていくためには、何らかの方法でお金を稼がなくてはいけない。このことをいかに息子に伝えるか。親として、またひとつ大きなハードルがやってきた。

 

とまあ、以前の私なら焦っていたところだが、今はどんと構えることができている。テレレレッテッテレー! なぜならば、『なぜ僕らは働くのか』(池上 彰・監修/学研プラス・刊)を手に入れたからだ。

 

「読者満足度97.5%」は本当だった。

『なぜ僕らは働くのか』は、今年3月に発売された児童書。発売4か月で30万部を突破したという、驚異のヒットを遂げている。

 

主人公は、将来に漠然とした不安を抱えている中学生・ハヤト。自分の働く姿など想像できず、すでに夢を見つけている友人に焦りを感じつつも日々悶々と過ごすなかで、フリーデザイナーの叔母が製作していた一冊の本と出会う……というストーリー。

 

仕事とは。働くとは。幸せに働くことの意味。これからの時代の働き方−−とても大切なことだけれど子どもにうまく伝えられない、いや大人も改めて知っておきたいような貴重な情報が満載の一冊だ。

 

たとえば、「仕事」とは「働く」とはどういうことだろうか。簡単そうでいて、かなりの難問である。この問いに対する本書の答えをまとめると、こうだ。

 

私たちが生活をするとき、そこには必ず人と人とのつながり合い、助け合いがある。つまり、自分ではできないこと、労力や時間を割けないことを、他の人がする「仕事」で助けてもらう。なぜ働くかという答えのひとつは、助け合いでつくられるこの社会の一員になるためである。

(『なぜ僕らは働くのか』より抜粋)

 

そしてもうひとつ、誰かに助けてもらったら、「ありがとう」の意思表示としてお金を払う。これが、仕事とお金の関係であるとも述べられている。

 

なんとわかりやすく、本質をついた説明だろうか。そっくりそのまま、息子に伝えよう。

 

「好き」の気持ちを活かせる仕事とは

『なぜ僕らは働くのか』には、ワークライフバランスやAIと仕事の関係、多様性(ダイバーシティ)など、いま知りたいトピックが詰め込まれている。なかでも「むむ……」と唸ってしまったのが「第3章 好きを仕事に? 仕事を好きに?」だった。

 

やりたい仕事が見つからず焦ってしまうのは、小学生だって大学生だって、社会人だって同じだ。私自身も、小学生のころは母親が教師だった影響を受けて「学校の先生になりたい」と言っていたが、その後、なんとなく違うかもと思い直すように。何になりたいか答えが出ないまま学生時代を過ごしていた。

 

余談だが、中学校の卒業文集に書いた将来の夢は「新宿アルタで働く」だ。当時ウッチャンナンチャンが大好きで、2人が「笑っていいとも!」のレギュラーだったから、アルタで働いていれば会えるだろう!という邪な考えから。子どもの発想なんて、そんなものだ。

 

だから、小さいころからオリンピック選手を目指して猛特訓をしていた友人や、電車好きだから絶対に鉄道会社に入ると宣言していた友人を見て、眩しく感じたものだ(結果、2人とも夢を叶えた!)。

 

けれども、「早いうちからやりたいことがあるからすごいわけではない。むしろ、中学生のときになりたい職業が決まっていることが、良いことかはわからない」と本書では言うではないか。

 

なぜならば、小さいうちは、この世の中に存在する仕事のほんの一部しか知らないから。「子どもが好きだから保育士になりたい」という夢は素晴らしいことだが、「子どもが好き」という気持ちを活かせる仕事は、保育士以外にもたくさんある。まったく関係がないように見えるジャンルの職種でも、活かせる。選択肢は限りなく広いのだ。

 

ゆえに、毎日生活するなかで、自分が気になる、おもしろいと思うことがなにか、その裏にはどんな仕事があるのかを調べてみる。そういうアンテナを常に張っておくことで、やりたい仕事が見つけられるのだと教えてくれている。

 

池上さん、ありがとう。これもそのまま息子に伝えることにする。

 

仕事を始めてからも夢は見つかる。夢はどんどん変わっていい。

児童書と思いきや、大人ものめり込んで読んでしまう『なぜ僕らは働くのか』。大人になってもやりたいこと探しは続く、仕事を始めてからも夢は見つかる、夢はどんどん変わっていい。いまやりたい仕事をしている人はもちろん、さまざまな憤りや戸惑いを抱えながら働いている人の心をそっと包んでくれるような言葉が並ぶ。

 

ちなみに、本書の特設サイトにアップされている書籍動画では、今をときめく声優・花江夏樹さんがナレーションを担当されていたこともお伝えしておく。

 

きっと一度読んで本棚に……ではなく、この先何度も取り出して読み返すであろう一冊だ。

 

【書籍紹介】

なぜ僕らは働くのか

著者:池上 彰(監修)
発行:学研プラス

仕事、お金、働きがい、AIの進歩、多様性の尊重、人生100年時代…。働くうえで考えるべき様々なテーマをマンガと図解で多角的に伝えます。これから社会に出る若者たち、仕事に向き合い悩む大人たちが、未来に明るい希望を持てるように。そんな想いが込もった、温かくて前向きになれる一冊です。

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