自宅で過ごす時間が増えたこのごろ、自炊を工夫する人も大勢います。なかには工夫して月々の食費を安く済ませている人も。ひとり暮らしの女性たちの、限られた収入内で食費をやりくりするコツをチェックしてみました。
食費1万円台も可能
筆者は独身時代、食費1万円台で生活していました。近所のスーパーの週に1度の特売日にまとめ買いをして、それを使い切るまでは食材を買い足さないマイルールを課していたのです。今は家族もいるし食材もある程度ストックしておきたいのでその値段で暮らすのは難しいですが、あのころに得た知恵は、今でも生きています。
買った食材を小分けしたり、余ったものは冷凍保存したり。ロスすることなく使い切ることは、かなりの節約効果がありました。また、割引のものを選ぶとトクなので、安くなっていたかまぼこを野菜炒めに入れてみたりと、臨機応変にレシピをアレンジしてもいました。今ある食材だけでできるだけ生活していくと、買い足しせずに済むからです。
月収20万円の食費は何円?
『月収20万円で幸せに暮らす本』(日経ウーマン・編集/日経BP・刊)には、ひとり暮らしの女性たちの生活の知恵がたっぷり詰め込まれています。月収20万円台で、家賃や光熱費や通信費を自分で支払いながら工夫して暮らす姿には、見習いたいところがたくさんあります。
彼女たちの月の食費額を見ると、1万円台の人が何人もいて、3万円に達している人はいません。つまり、1日1000円以下で暮らしているのだからすごいです。やはりスーパーの特売日やタイムセールを利用する人もいたり、まとめ買いして小分けにして使いきったりと、安く仕入れ、大切に使う精神が鉄則のようです。
栄養もしっかりキープして節約
感心するのは、彼女たちの食事は、決して貧しい感じはしないこと。健康にも気を配り、カロリーや炭水化物量もしっかり考えたうえで節約献立を作っているので、立派です。野菜は必ず購入し、削るのはお菓子などの嗜好品という感じなので、栄養が偏ることもありません。何が必要で何が贅沢かを見極めることが大切なのですね。
また、野菜を100円ショップで購入し、調味料や器は高くても良い品を使い続けるなど、譲れる部分と譲れない部分とをはっきり分けている人も。食費との付き合いは生涯続くものなので、おいしいと思えるものを作るためにも、これだけは、という味のこだわりがあったほうが楽しいはずです。
浮いたお金は自己投資
そして、日々の努力で食費を抑えている彼女たちは、浮いたお金を全て貯金に回しているわけではありません。向上心を持って毎日を送っているのです。語学や料理を学んだり、資格取得や旅行など、スキルアップや自分の幅を広げるためにお金を有効に使っているのです。
そしてネットショッピングは用がない時には閲覧せず、コンビニやドラッグストアも意味なく立ち寄らずという、お財布を開かせるスキを与えない様子がうかがえます。「お金を貯めるためには、使わないこと」を徹底することで、好きなことに使うお金をひねりだしている、そんな様子がリアルに読み取れます。
食費を削ろうとして、毎日カップ麺で生活しようとする人がいますが、極端なことをすると健康面が心配です。この本には、明るく前向きにヘルシーに節約をする女性たちの堅実な姿があります。それを見ると、人生はお金ではなく頭を使うことで充実するのだなと改めて気がつくはずです。
【書籍紹介】
月収20万円で幸せに暮らす本
著者:日経WOMAN
発行:日経BP
「月収20万円」の生活術には賢く楽しく暮らすヒントがいっぱい! お金を着実に貯めながらも、ハッピーに暮らすスキルは不可欠。月収20万円前後の女性たちには、上手に節約しながらも、自分の楽しみや贅沢にもきちんとお金を使っている人がたくさんいます。ムダ遣いせずに豊かに暮らすコツを彼女たちから学んでみませんか?