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自己啓発
2021/3/15 6:30

悲しみを乗り越えるため「次善の選択肢」を持つことの重要性−−『OPTION-B(オプションB)』

人生の中には、喪失を味わう瞬間も訪れます。大切な家族や友人やペットとの別れはとてもつらいものです。愛する存在を失ってひとりになったとき、人はどのようにそれを乗り越えていくものなのでしょうか。

 

 

別のプランを考える柔軟さ

『OPTION-B(オプションB)』(シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント・著/日本経済新聞出版社社・刊)は、突然やってきた孤独や悲しみを、どうやって対応し、乗り越えていくかということを、著者を実体験をもとに綴っている本です。

 

著者のシェリル・サンドバーグさんは、Facebook の最高執行責任者(COO)。愛する夫と子どもたちに囲まれ、仕事に打ち込む幸せの絶頂期であった彼女は、ある日突然、11年連れ添った夫の死に見舞われます。本書には、彼女の心の傷が少しずつ癒やされていく様子がていねいに綴られています。彼女が見つけた答は、タイトルにもなっている「オプションB」という考えかたでした。

 

オプションBとは、代替プランとも言えるようなもの。A案を実行することが無理になったのなら、B案を見つけ、それを楽しむ道だってあります。目的地への道が通行止めだったら、別の道を通って到着します。当然、人生にも同様に別の道があるわけで、この考えは、気持ちを少し楽にしてくれそうです。

 

失った関係を恋しがるということ

先日、友人が恋人に振られてしまいました。結婚まで考えた男性との交際が突然中断した彼女の喪失感は大変なものでした。最初のうちはどうしても別れを受け入れられず、彼に復縁を迫ったりもしたのです。

 

人は自分に訪れた別れに揺れます。納得して離婚したはずなのに、多くの人がそれを後悔するリバウンド期を味わうともいいます。もう戻ってはこない関係を恋しがり、失ったものを数えて嘆くのです。けれど喪失をしっかりと実感してこそ、次のステップに進めるものなのかもしれません。

 

嘆きの時期を超えて

人はすぐに気持ちを切り替えられるわけではありません。著者のシェリルさんも、時間がかかりました。もう彼はいないのだという現実に何度も直面し、そのたびに嘆き悲しんだのです。そしてその時期を経たうえでやっと、オプションBを生きることを考え始めました。

 

人生はすべてが思い通りになるわけではありません。納得がいかなくても、運命の残酷さに嘆いても、代替案を選ぶしかない時があります。愛する人を失っても、残されたものの人生は続くのだから、せめてそれを楽しく過ごしたほうが有意義なはずです。シェリルさんはオプションBロードを歩くためのガイドサイト(optionb.org)の運営に乗り出し、新しい道を歩み始めました。

 

人生での代替プラン

このオプションBという考えかたは、人生のさまざまなシーンで応用できそうです。たとえば恋人と別れた私の友人は、しばらく嘆き悲しんだ後は、新しい恋の相手を探すようになったのです。これも彼女にとってのオプションBなのでしょう。つらい現実をただ嘆くだけではなく、できることを探して行動することで、人生に前向きになれるのです。

 

そして、この本には興味深いデータが載っていました。人間の幸福度は、結婚をしてもそれほど上がらないというもの。幸福度がわずかに高くなるのは結婚式の前後だけで、それも1年もしないうちに元に戻ってしまうのだとか。逆に言えば、私たちは、日常を平穏に過ごすことこそが幸福なのかもしれません。そして、人生のハプニングに見舞われても、オプションBを見つけることで、幸福度をキープしていけるのかもしれません。

 

 

【書籍紹介】

OPTION B(オプションB)

著者:シェリル・サンドバーグ、アダム・グラント
発行:日本経済新聞出版社

全米大ベストセラー! 失恋、挫折、人間関係のこじれ、仕事の失敗、突然の病、そして愛する人の死ーだれであれ、「バラ色」だけの人生はあり得ない。フェイスブックのCOOシェリル・サンドバーグは、休暇先で最愛の夫を突然失った。友人で著名心理学者のアダム・グラントが教えてくれたのは、人生を打ち砕く経験から回復するための、具体的なステップがあるということだった。回復する力の量は、あらかじめ決まっているのではない。レジリエンスは、自分で鍛えることができる力なのだ。人生の喪失や困難への向き合い方、逆境の乗り越え方を、世界的ベストセラー『LEAN IN』著者と『GIVE&TAKE』著者が説く。

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