本・書籍
2021/3/16 6:30

年を重ねるごとに美しくなる! パリのマダムたちがエレガントに自分らしく生きるワケ

現在のパリはロックダウンこそしていないが、18時以降の夜間外出は禁止されており、レストラン、カフェ、デパート、そして美術館も閉まったままだ。4月中頃になれば日常が戻るかもという意見があるかと思えば、感染拡大が止まらなければ再びロックダウンという噂もあり、とにかく今はワクチン接種を加速させ、そこに希望をつないでいる状態だという。

 

さて、今日紹介する『パリのマダムは今日もおしゃれ』(スマイルエディターズ・編/KADOKAWA・刊)は昨年末に発行された本。コロナ禍においてフランス人がどう対処をし、何に希望をつないでいるのかをインタビューしているのが、数あるパリのおしゃれ本とは違うところだ。

なぜフランス女性は年を重ねるほど素敵になるのか?

日本女性とフランス女性の決定的な違いは、前者は年を重ねるほど装いが地味になっていくが、後者は年齢が上がるほど華やかで個性的な装いになっていくことだろうか。

 

私は彼の地で子育てをし、フランス人たちを観察してきたが、たとえば娘がリセエンヌ(高校生)だったときも、素敵なのはティーンたちではなく彼女や彼らのお母さんたちだった。顔のしわはどんどんふえていっても、マダムたちは皆、背筋をシャンと伸ばし、誰のコピーもしない、それぞれの装いを楽しんでいたのだ。

 

本書では8人の女性を取材しているが、いちばん若いマダムで57歳、いちばん年上で77歳。けれども写真を見ていると皆若々しく、とてもエレガントで、参考にしたいコーディネイトがいっぱい。さらに、ファッションだけでなく、住まいのインテリアの紹介、そしてパリの行きつけの店の情報もある。渡航ができない今だが、数々の写真を眺めているだけでもパリを旅した気分に浸れそうだ。

 

ロックダウンをマダムたちはどう感じたのか?

さて、本書に登場するマダムたちが、コロナ禍のロックダウンで何を思ったのかを抜粋して紹介してみよう。

 

テキスタイルデザイナーのアンナさん(60歳)は、

 

「コロナでロックダウンになり、いまだにこの先どうなるのかわからないという不安定な時期を通過中よね。でも、私はこれからも多分ポジティブだと思うわ。何事も立ち止まって考えることはとても大切だから」

(『パリのマダムは今日もおしゃれ』から引用)

 

小説家のシャンタルさん(60歳)は、カフェが閉まったパリの街を見て灯りが消えたような喪失感を感じたという。

 

「毎朝、カフェに通うのが長年の私の日課だったから。のんびりお茶を飲みながら、道行く人を眺めたり、小説のプロットを組み立てたりする場所を失ってしまったんだもの。いつもの日常がなくなたときに考えたのが、今、この瞬間を大切に生きよう、ということ。忙しいから明日に!と先送りせず、すぐに行動することの大切さを改めて痛感したの」

(『パリのマダムは今日もおしゃれ』から引用)

 

主主婦のマリー=エレンさん(77歳)は、外出制限期間中は近所の公園までの散歩を日課にしたそうだ。

 

「ご近所の人は私のことをマダム・ギャロップと呼ぶの。馬で駆け抜けるように早歩きだから(笑)。でもコロナ禍で少しだけペースダウンしてみたら、ものごとを違った観点で捉えられるようになったわ。季節の移ろいを観察して自然を謳歌し、久しぶりに家族揃って食卓を囲んで。どんなときもささやかな幸せを感じられるのはとても豊かなことなんだと改めて感じたの」

(『パリのマダムは今日もおしゃれ』から引用)

 

この他、人生の本質を見つめ直すのに必要な時間だったというマダム、ロックダウンをきっかけに環境問題に興味を持つようになったマダム、インターネットでの買い物を楽しむようになったマダムなどなど、皆、年を重ねているからこその強さと柔軟性を感じる意見が多かった。

 

装いには内面が映し出される

本書はおしゃれ本だから、ページをめくるたびに、マダムたちの素敵な装いが次々と登場し、「どうしてパリのマダムってこんなにかっこいいんだろう」とため息がでる。ゴテゴテとしたコーディネイトではなく、皆、シンプルな服をさらりとまとっているだけなのにエレガントなのだ。

 

これについては、女優やセレブのパーソナルアドバイザーとして長年モードの世界に携わり、現在は引退しているジョアンナ・ヴァン・ヴリットさん(74歳)がこう述べている。

 

人はそれぞれ年齢に沿って服を選び、着こなします。ファッションは今の自分を表現する手段のひとつ。考えすぎなくてもその人の内面が映し出されるもの。だから誰ひとり同じじゃないのが面白い。

(『パリのマダムは今日もおしゃれ』から引用)

 

さらに、外出制限のかかる今でも、ジョアンナさんは、毎朝マスカラと赤い口紅のメイクは欠かさないそうだ。そして着替えて鏡のなかの自分に向かって、「さあ、今日も一日素晴らしい日になるわよ!」と語りかけるのだという。

 

彼女のこの言葉は、自粛生活が長引き、ノーメイクでどうでもいい部屋着で過ごす日が増えてしまった私に活を入れてくれた。この他にも、日々鍛えることでスタイルをキープし、60歳を過ぎてもミニスカートで素脚を見せられるマダムもいて羨ましい限り。

 

パリが好きな人、そして、いつまでも美しくありたいと願うすべての女性におすすめの一冊だ。

 

【書籍紹介】

パリのマダムは今日もおしゃれ

著者:smile editors(編)
発行:KADOKAWA

自分らしく生きるためにどんな日も好きな服を着る。会えなくてもつながっている友人や家族と新しい幸せを紡ぐ。ファッションは人生をよりよい方向に修正し絶望から救ってくれることすらある…どんなときも自分らしく素敵に! パリのマダムの心意気は変わらない。極め付き8人のメッセージ。

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