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2022/7/6 21:30

エシカルはときどきでいい? 買い物の食材選びがちょっと変わる一冊『エシカルフード』

今や聞かない日はなくなった「SDGs」や「エシカル」という言葉。でも、実際のところなにから始めたらいいのか、なにを選んだらいいのか、わからないことも多くありませんか? 家計や利便性を考えても、全ての食材を有機野菜にしたり、環境に配慮したものを選んだりってなかなかできませんよね。

 

今回は「地球にいいことはしたいけれど……」と悩んでいる人に向けておすすめの一冊『エシカルフード』(山本謙治・著/KADOKAWA・刊)をご紹介します。食品業界でエシカル? 一体どんなもの? と思う方にわかりやすく寄り添ってくれる内容になっていますよ。

 

日本の漁業は、世界から批判されている?

海外で働いている友人と久しぶりに会った時、「日本って毎日テレビで食番組やっているよね。コンビニの食べ物の種類もありすぎ〜」と言われたことがありました。日本に住んでいると美味しいものが選べるのが当たり前と思っていましたが、それ以来自分が食べる物や購入するものに対して関心を持つようになり、手にしたのがこの『エシカルフード』でした。

 

読んでみると驚くことばかりが掲載されていたのですが、個人的に一番驚いたのは「魚」についてのことです。日本の漁業は世界でも優秀で、美味しくて安全な魚が毎日安く食べられると思っていたのですが……実は、そうでもないのだとか。

 

日本が水産大国であると信じる方は驚かれるだろうが、日本の漁業は「資源を乱獲しすぎている」と世界から批判されている。

(『エシカルフード』より引用)

 

ウナギやマグロが食べられなくなるかも? という話題はたびたびニュースで聞きますが、「遠い未来だから関係ない」と思っている人も多いはず。でも実際は、海の資源は減少傾向にあるんです。ようは、消費者のニーズに合わせて必要以上に摂りすぎてしまっているんですよね。

 

少しでも自分にできることはないかと考え、「未利用魚」という漁獲されても市場に届かず破棄されてしまう魚を加工した商品を購入してみました。美味しく加工されていて、湯煎するだけ、解凍するだけで食べられるので、正直スーパーで買うより割高です。でもそれが漁師さんの新たな収入源となり、海の資源を守れるならいいかな〜と心豊かに考えるようになりました(笑)。

 

さすがに「魚を食べない」は無理なので、どんな種類の魚を選び食べるか考えていくだけでも、日本の漁業や漁師さんの生活も守れるようになると思います。お買い物に行った際は、ぜひどんな魚を選ぶか考えてみてくださいね!

 

日本の有機農産物の耕地面積は、たったのo.27%?

またスーパーへ行くと「オーガニック」なんて言葉もよく目にしますよね。なんとなく、体によいイメージがありますが、日本にはどれくらいの有機農産物(有機JASマークが付いているもの)があるのでしょうか?

 

では、日本における有機農産物の耕地面積はどの程度かというと、これまた驚いたことに全耕地面積の1%にも満たない、たったの0.27%(2020年4月時点・認証済みのほ場面積)である。

「えっ 0.27%? なんかの間違いではないの?」

と思う人もいるだろうが、間違っていない。日本における「認証を受けた」有機農産物の耕地はそれしかない。

(『エシカルフード』より引用)

 

スーパー内でみるともっといっぱいあるような気がしますが、思っていたより少ないですよね。ちなみに、アメリカは5兆円以上(2018年)の市場規模があるのですが、日本は1850億円(2017年)とのこと。道の駅や産直、スーパーのオーガニックコーナーが充実していると思っていたのですが、世界的な規模と比べると日本はまだまだこれからなのかもしれませんね。

 

「ときどきエシカル」でいい

ここまでご紹介すると、「私も地球のための暮らしをしなきゃっ!」とライフスタイルを変えようと考える人もいるでしょう。『エシカルフード』によると、イギリスにおいて常にエシカルなものしか買わない人は5〜10%程度で、全く関心がないのが20〜30%いるのだとか。中間にいる「ときどきエシカル」な人たちがちょっと動くだけで、市場がかわるというのです。

 

「ときどきエシカル」の人達は、たとえば5回に1回くらい、エシカルなものに手を伸ばすという、気まぐれな消費行動をする。でも、気まぐれであってもそれが全人口の70%もいれば、とてつもなく大きな市場となるのだ。

(『エシカルフード』より引用)

 

日本とイギリスの割合を比べると「ときどきエシカル」な層は少ないかもしれませんが、少しずつ増やせたらいいですよね。

 

また最近よく聞く「食品ロス」も半数近くは、家庭から出ていると言われています。食品を残さず食べる、捨てないと心がけるだけでもエシカルな暮らしは可能なのだと読んでいて感じました。「私くらいじゃ変わらない」と思っている人は、ぜひ『エシカルフード』を読んでみてください。今日からできるヒントがたくさん詰まっていますよ!

 

 

【書籍紹介】

エシカルフード

著者:山本謙治
発行:KADOKAWA

倫理的な(エシカル)消費とは、「環境」「人」「動物」に対して生じた倫理的な問題に対し、消費を通じて解決しようとするアプローチのことである。農産物の流通改善に取り組み、日本の食文化のために情報発信を続けてきた著者による、食のエシカル消費入門書。未来のための指針を提示する!

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