千葉県船橋市に、「ふなばしアンデルセン公園」という公園がある。地元ではかなり有名。東京ドーム6個分という広大な敷地には、子どもから大人まで楽しめるさまざまな施設がある。そのためか、地元の幼稚園などの遠足にも使われていたり、家族連れやカップルが集まるスポットとなっている。
トリップアドバイザーで取り上げられて一躍全国区に
今年の始めころだったろうか。全然千葉県船橋市に縁もゆかりもない複数の友だちから「アンデルセン公園に行ってみたい」と言われることが増えた。
僕は何回か行ったことがあるので、「ああ、あそこ楽しいよ」と答えていたが、なんでこうもアンデルセン公園が話題に出るのか不思議に思っていた。
そこで質問してみたところ、どうやら人気旅行サイト「トリップアドバイザー」(https://www.tripadvisor.jp/)で、「日本で人気のテーマパーク」というランキングの3位に選ばれていたのだ(2015年)。
それで、いろいろな人がアンデルセン公園の存在を知り、行ってみたいと思うようになったようだ。
アンデルセン公園の歴史
アンデルセン公園は、1987年に「ワンパク王国」として開園。船橋市が運営している公立の公園だ。入口付近には、岡本太郎作の「平和を呼ぶ像」があったり、アンパンマンの銅像があったりする。
その後、1989年に船橋市がデンマーク・オーデンセ市と姉妹都市となったことを機に、1992年から改装を開始。オーデンセ市協力のもと19世紀のデンマークを再現。オーデンセ市出身の童話作家、アンデルセンの世界を作り出した。正式に「ふなばしアンデルセン公園」となったのは、1996年のことだ。
アンデルセン公園はこんなところ
では、どんな公園なのだろうか。『ふなばしアンデルセン公園 公式ガイドブック』(公益財団法人船橋市公園協会・監修/学研プラス・刊)をもとに紹介しよう。
エリアは、わんぱく王国ゾーン、自然体験ゾーン、子ども美術館ゾーン、メルヘンの丘ゾーン、花の城ゾーンに分かれている。
わんぱく王国ゾーンには、先述した「平和を呼ぶ像」があるほか、アスレチック、水遊びができる「にじの池」、雨天でもイベントが行える「イベントドーム」、ヤギやヒツジ、うさぎやモルモット、ポニーなどもいる。
自然体験ゾーンは、水辺や田んぼ、樹木が生い茂り、昆虫採集などが行える。
子ども美術館ゾーンは、木や織物、染め物、食、陶芸などのアトリエがあり、ワークショップなどが開かれている。また、演劇ができる「アンデルセンスタジオ」や野外劇場などもある。
メルヘンの丘ゾーンには、この公園のシンボルともいえる風車やアンデルセンにまつわる展示や関連書籍などが閲覧できる「童話館」、19世紀のデンマークにあった農家を忠実に再現した建物やボートハウスなどがある。
花の城ゾーンは、アンデルセン童話の世界を再現したフラワーパーク。四季折々の植物が楽しめるほか、ハート型のトピアリー(人工的に形作られた植物)や、イーダの庭、メイズガーデンといった、メルヘン全開のゾーンとなっている。
このほか、ショップやレストランなどもあり、1日にいても全然飽きないスポットだ。
ガイドブック片手に出かけてみては?
僕は何度か訪れているが、いつの季節でもきちんと手入れがされており、いつもきれい。そして、千葉県とは思えないほど洋風な公園だ。
僕は、主に写真撮影にでかけることが多い。花が1年中咲いているし、風車は周囲に電線などが映らない。どこを撮影しても絵になる公園なので、写真好きな方も楽しめるはずだ。
やや交通の便が悪いのが難点だが、訪れる価値はある公園。大人900円、高校生600円、小・中学生200円、幼児(4歳以上)100円という料金は一見高そうだが、一度訪れれば納得するはずだ。
いわゆるテーマパークとは違い、「公園」なのでのびのび遊べる点がいいと個人的には思っている。子どもはもちろん大喜びするが、大人も充分楽しい公園だ。
もし、ふなばしアンデルセン公園に訪れる際には、『ふなばしアンデルセン公園 公式ガイドブック』を一読することをオススメする。できれば、タブレットPCなどに入れて持っていくと、より楽しめるだろう。
年末年始は12月29日から1月1日まで休園とのこと。初詣も終わり家でゴロゴロしている三が日、アンデルセン公園で過ごすのもいいかもしれない。
【参照リンク】
ふなばしアンデルセン公園(http://www.park-funabashi.or.jp/and/index.htm)
(文:三浦一紀)
【参考文献】
ふなばしアンデルセン公園 公式ガイドブック
著者:公益財団法人船橋市公園協会(監修)
出版社:学研プラス
2016年に開園20周年を迎え、総入園者数1000万人を突破した人気スポット「ふなばしアンデルセン公園」。千葉県民なら誰もが聞いたことがある本施設の初のガイドブックが登場。各ゾーンの紹介や滞在時間別の歩き方ガイドなどを写真と地図でカバー。
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