ビジネス
2020/10/15 21:00

多拠点居住って実際どうなの? LivingAnywhere Commonsに聞いた

全国10拠点を旅しながら、各地で仕事を行うことも可能

LivingAnywhere Commonsの拠点は現時点では、遠野(岩手県)、石巻(宮城県)、会津磐梯(福島県)、富士吉田(山梨県)、八ヶ岳北杜(山梨県)、伊豆下田(静岡県)、美馬(徳島県)、津山(岡山県)、田川(福岡県)、うるま(沖縄県)の10か所。各拠点ごとに施設の内容は異なるものの、いずれもメンバーが自由に利用することができ、また前述のような地域と連動するプロジェクト、イベントなども熱心に行われています。各拠点とも、当然ルールは守らないといけませんが、誰にも縛られることなく自由な生活、仕事を行うことができます。また、メンバーは前述の月額内で、この10拠点を行き来しながら利用することも可能。例えば「全国を旅しながら、同時に仕事もする」といったことも可能です。

 

これら全国各地の拠点は3年後の2023年に100拠点に増やせるよう、常時各地との交渉がなされているとのこと。もしかすると、近い将来、LivingAnywhere Commonsの試みは今以上に、注目され浸透が進む日も遠くないかもしれません。

 

利用者の声は?

ここでは各拠点を利用し、異なる仕事・ライフスタイルを持つ3名の方にオンラインでお話を聞き、LivingAnywhere Commonsの生の声をご紹介します。

↑あんでぃさん(35歳)。WEB系のエンジニア、デザイナーなどの仕事をしており、現在はLivingAnywhere Commons伊豆下田を拠点に活動。空いた時間には飲食店のお手伝いをすることもあるそうです

 

↑塚田エレナさん(29歳)。PR、広告、デジタルマーケティングの仕事をしながら起業を検討中。取材時はLivingAnywhere Commons八ヶ岳に滞在。全国のLivingAnywhere Commonsの拠点を行き来されているそうです

 

↑角田尭史さん(29歳)。仕事は大きく分けて2つ。1つは東京のスタートアップ企業の役員をし、この会社の広報・人事をするもの。もう1つが個人での広報、PRの仕事をしており、会社を立ち上げようとされているそうです。取材時はLivingAnywhere Commons石巻のカフェからのオンラインでした

 

ーーまず、LivingAnywhere Commonsを知ったきっかけと、メンバーになってみようと思った動機をお聞かせください。

あんでぃさん(以下、あんでぃ) 僕はもともと東京都内で働いていたのですが、バックパック旅行、サイクリングなどが好きで、当初から仕事の拠点をコロコロ変えていました。あるとき、趣味のサイクリングで東京から伊豆半島まで行き、半島を一周しようとしていたところ、たまたま下田の手前で自転車が壊れて、手を怪我してしまったことがありました。

 

その際に、LivingAnywhere Commons伊豆下田のコミュニティ・マネージャーの方にお世話になり、そのまま利用させていただくようになったという感じです。LivingAnywhere Commonsのコンセプトにも共感しましたし、実際にここで暮らす人たちも様々なバックグラウンドを持った方ばかりなので、世界が広がりましたね。ここで出会った人たちと「また一緒に何かやりましょうね」みたいな話も生まれてくるので、楽しくて居ついちゃった感じです。

 

塚田エレナさん(以下、塚田) 私はもともと「多拠点で仕事をする」ということに興味があり、ここに来る前もポルトガル、スペイン、チェコ、ドイツなどを行き来しながら仕事をしていました。そのドイツで知り合った友達が、LivingAnywhere Commonsを教えてくれて、伊豆下田で行われている空き倉庫を活用するプロジェクトに参加して、ハマり始めたという流れです。宿泊のための利用だけでも良いのですが、こういった各地域の地元の方とのコミュニケーション、地方創生のプロジェクトが面白くて。「やってみよう」ということが増えていきました。地方にいたとしても、このように「仕事ができる」「やりたいことができる」という選択肢があることを多くの人に知ってもらえたら良いと思います。

 

角田尭史さん(以下、角田) 僕がLivingAnywhere Commonsを知ったのは立ち上げすぐの2019年8月のことで、友達からの紹介。その頃ちょうど僕は転職時期だったのですが、入社した会社はフルリモート可でした。「これなら東京にこだわる必要はないし、地方のどこかに住みたい」と思い、伊豆下田の初期のメンバーとして1人で参加したわけです。

 

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