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2021/6/26 17:00

スマートリング「EVERING」を体験、スマホやカードは手間だったと感じるほど決済がラク

 

近年ますます広がりを見せるキャッシュレス決済。クレジットカードのほか、WAONや楽天Edyなどの電子マネーカードに加えて、いまやスマホアプリも登場しています。さらにはスマートウォッチをかざして支払いができるようになるなど、支払いはどんどん便利でスマートなものに進化しました。

 

では、物理カード、スマホ、スマートウォッチと来たら、次はなんでしょうか。その答えのひとつが、今回紹介するスマートリング「EVERING」です。

 

EVERINGは6月22日、キャッシュレス決済機能を搭載するスマートリング「EVERING」の特設ポップアップストアを六本木 蔦屋書店などに開設。同時に製品発表会を開催しました。

 

今回は、実際にEVERINGを着けて決済した体験を、製品の概要とともにレポートします。

 

スマホやカードの決済は、実は無意識に無駄な時間を消費している

EVERINGは、Visaのタッチ決済機能を搭載したスマートリング。指に着けた状態で店頭の非接触カードリーダーにかざして支払います。支払いはプリペイド式で、クレジットカードから専用アプリを経由してチャージする仕組み。リングに内蔵されたICチップがNFCに対応するため、バッテリーは搭載されておらず、当然充電も不要です。

 

また、専用のリーダーは必要なく、Suicaなどに対応するリーダーであればそのまま使えるとのこと。店舗側に導入の負担がないことも特徴です。

 

↑ICチップを内蔵するスマートリング「EVERING」

 

↑対応する店舗は現在拡大中としています。また、クレジットカードはVisaに限らず、Mastercard、American Express、JCB、Diners Clubにも対応

 

そもそも開発の背景には、「決済において無意識に消費している無駄な時間」をなくす狙いがあったとのこと。たしかに、財布からカードを取り出して暗証番号を打ち込んだり、はたまたスマホを取り出してQRコードを表示したりと、私たちはいくつもの手順を経て支払いをしています。しかも、それに慣れてしまっていますよね。場合によっては、カードの取り出しやQRコードの表示に手間取り、まさしく無駄な時間を消費していることすらあります。

 

一方でコロナ禍では、現金のやりとりやカードの暗証番号入力といった「接触」に抵抗がある人も増えています。

 

そうした手間や不安を解消できるのが、EVERINGの新しさであり魅力なのです。

 

↑決済をよりスピーディーにすることがEVERINGの狙い

 

防水性能や多機能な専用アプリなど、製品として作り込まれている

リングの素材にはジルコニアセラミックを使用。義歯などに使われる素材で、金属アレルギーが心配な人も安心して使えます。サイズは、US 4.5~US 13(国内規格では8号~27号)までの全17種類を用意します。

 

↑最小サイズ(US 4.5)と最大サイズ(US 13)の比較

 

↑性別や指のサイズを問わず使えるように17種類のサイズを用意

 

さらに、水深50mまでの水圧に耐えられる、5気圧防水の性能を備えているのも大きな特徴です。EVERINGのCEO・川田 健氏によれば、実際にリングを着けたままプールで泳いだり、シャワーを浴びたりしてもまったく問題なかったとのこと。着けたまま手洗いできるため、リングを清潔に保てることもうれしいポイントです。

 

また、発売時には専用アプリが提供される予定。先に説明したチャージができるほか、残高の確認や、EVERINGを紛失した際の利用停止も可能です。また、設定した残高を切ると自動でチャージされるオートチャージ機能にも対応するとしています。素早くタッチ決済できるぶん、リングを紛失するとあっという間に不正利用につながってしまいますが、スマホアプリの操作ひとつで簡単に利用停止できるのは、プロダクトとして作り込まれていると言っていいでしょう。

 

↑盗難・紛失時にはワンタップで利用停止できます

 

価格は1万9800円(税込)。一般発売は9月を予定しています。また、カラーはブラックに加えてホワイトも発売するとのこと。こちらは9月ではなく年内発売の予定です。なお、5月17日に公式サイトで開始された3000個限定の第1回先行予約はわずか1日で完売。第2回先行予約は来週以降開始予定で、詳細な日時は決定次第お知らせするとしています。

 

また、六本木 蔦屋書店、代官山 蔦屋書店、b8ta Tokyo – Shinjuku Marui・Yurakuchoにポップアップストアを開設。EVERINGのフィット感や決済を体験できます。さらに、六本木と代官山の蔦屋書店では、その場で先行予約が可能。先行予約した場合は夏ごろに製品が届くとのことです。

 

↑製品体験、先行予約が可能なポップアップストア

 

普段身に着けているアクセサリーの邪魔にならない、シンプルなデザインは◎

それでは、EVERINGを体験してみた印象をお伝えしましょう。まず身に着けてみると、黒くてやや厚みのある見た目の割には、軽く感じられます。また、なめらかな質感で肌触りが良いため、違和感や着け心地の悪さはありません。

 

筆者が着けたのはUS 8.5サイズ。左手中指の第二関節を過ぎるとわずかに余裕が生まれ、締め付けられることはないため、フィット感も良好です。なお、着ける指によってサイズは変わるので、実際に各サイズを試してから購入を検討するのがいいでしょう。

 

↑やや厚みのあるデザイン。よく見ると内側に「Visa」の文字が

 

↑US 8.5サイズ(日本国内では17号相当)を着用。しっかりフィットしてくれます

 

色・デザインともにとてもシンプルで落ち着きがあるため、アクセサリーとしての主張は控えめ。したがって、腕時計やブレスレットなど、普段身に着けているアクセサリーの邪魔はしません。男女ともに使いやすく、平日のスーツ姿にも、休日のラフな格好にもなじんでくれるでしょう。

 

カラーでいえば、年内発売予定のホワイトも気になるところ。ブラックとは違った印象になるかもしれません。

 

↑当日身に着けていた腕時計ともなじんでくれました。お気に入りのアクセサリーとぶつからないデザインは好印象です

 

カードやスマホ決済からの移行にはならないが、決済のスムーズさは圧勝

肝心の決済ですが、リングの角度やリーダーとの距離をまったく気にせず、近づけるだけで「ピッ」と認識されて支払いが完了しました。タッチして支払うのはスマホや物理カードと同じですが、財布やポケットから取り出す手間がないぶん、EVERINGのほうがずっとスムーズです。この圧勝とも言える手軽さは、一度知ってしまうと元に戻れないかもしれません。なお、手袋を着けていても問題なく認識されるそうです。

 

↑リーダーにかざすだけ。少し離れていても認識され、あっという間に支払いが終わりました

 

ただし、あまりに素早く済んでしまうため、「買った・支払った」感覚が希薄になるという懸念はあります。心配な人は、チャージ額をなるべく抑えるなどで節制するようにしましょう。

 

もう1点、EVERINGの使い勝手がいいのは間違いないものの、スマホ決済(特にQRコード決済)アプリとの単純な比較は難しいと感じました。スマホ決済は、買い物と電車利用などのシーンによってQRコードとタッチ決済を使い分けられますし、アプリでポイントを貯めたりクーポンを利用できたりといった独自の魅力もあります。

 

つまり、カードやスマホ決済から完全な移行ではなく、あくまで日常生活で使用しているキャッシュレス決済のひとつとしてEVERINGを組み込むのが、不便のない使い方と言えます。

 

EVERINGは機能・デザインともにシンプルさを追求した製品です。特に、持ちものを減らしたい人やミニマリストの人にとっては魅力的なガジェットではないでしょうか。休日にお財布を持たずに、EVERINGだけでちょっと散歩などの際にピタッとハマりそうです。ただ、そうでなくても、EVERINGの決済スピードを一度は体験してみてほしいと思います。

 

それぞれのポップアップストアの開設期間は以下の通り。最先端の決済を体験しに行ってみてはいかがでしょうか。

 

<六本木 蔦屋書店>

2021年6月22日(火)~7月11日(日)9時~20時

 

<代官山 蔦屋書店>

2021年6月22日(火)~7月31日(土)9時~20時

 

<b8ta Tokyo – Yurakucho>

2021年6月22日(火)~8月20日(金)11時~19時半

 

<b8ta Tokyo – Shinjuku Marui>

2021年6月22日(火)~8月20日(金)11時~20時

 

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