米テスラとスペースXの社長として知られるイーロン・マスク氏が、米Twitter社の株式を9.2%取得したと報じられています。今週初めに、米証券取引委員会(SEC)に提出された資料から明らかになったことで、マスク氏はTwitterの筆頭株主になった可能性があると見られています。
このニュースを受けて、Twitter社の株価は1日終値よりも一時は25%も上がり、企業価値は315億ドルから約80億ドルも跳ね上がったとのこと。その後に21%高に落ち着いており、マスク氏の株式価値は35億ドル以上となっています。
マスク氏は8000万人以上のフォロワーを持ち、全世界で最も人気あるユーザーのトップ10にランクインしています。最近では同氏はTwitterを強く批判しており、先週も言論の自由を十分に守られているかどうか疑いがあるとして、独自のソーシャルメディア設立を「真剣に検討している」と述べたばかりです。今やマスク氏が保有している株式は、Twitterの共同創設者ジャック・ドーシー氏が持つ2.25%の4倍以上にものぼります。
マスク氏と言えば、Twitterでの発言が混乱をもたらしたことも何回かありました。まず2018年に突然「テスラ株を非公開化するための資金を準備している」とツイートしたことで株価が急変動し、これをSECが詐欺罪に当たるとして提訴(後に和解)。その後も市場をかき乱すような発言は絶えず、一部のテスラ株主から「いい加減な」SNS利用をやめるよう訴訟が起こされていました。
Wedbush SecuritiesのアナリストDan Ives氏は「今回の株式保有は、Twitterの取締役会/経営陣とのより幅広い対話の始まりにすぎない」として、最終的には株式の買い足しや、Twitterの経営に深く関わる可能性を示唆しています。
マスク氏がTwitterに大株主として介入することで、マスク氏にとっての「言論の自由」(言いたい放題?)を勝ち取れる可能性はなくはないはず。
とはいえ、自らのテスラ株式を売却すべきかどうかTwitter投票を行う前日に、弟のキンバル・マスク氏が約1億800万ドル相当のテスラ株を売却した件がインサイダー疑いがあるとしてSECの調査を受けていることは、避けようがないかもしれません。
Source:The Guardian