滋賀県は、酒どころのイメージはありませんが、実は隠れた銘酒が多い土地。以下で紹介する「七本鎗」をはじめ、熱燗が抜群に旨い銘柄が多いです。これから寒くなってくるだけに、居酒屋で見つけたらぜひ熱燗で楽しんでください!
その1
たっぷりした甘みにバナナを思わせる香りが調和
笑四季(えみしき)
特別純米黒ラベル
1188円(720㎖)
鈴鹿山系の伏流水と蔵独自の酵母を使い、すべての酒を山廃・生酛系の酒母で醸す蔵。本品は、たっぷりした甘みにバナナを思わせる香りが調和し、完成されたスイーツのような味わいです。720㎖で1200円以下とコスパも抜群。
その2
3年熟成ならではの濃厚な酸を味わう
不老泉(ふろうせん)
山廃仕込(やまはいじこみ)特別純米酒
参年熟成原酒(さんねんじゅくせいげんしゅ)
3510円(1.8ℓ)
木製の甑(蒸しかご)や槽(搾り機)を使い、主に酵母無添加の山廃仕込みで仕込むが、精米はコンピューター制御と、新旧が混在する蔵。本品は、熟成酒ならではの濃い酸と野生的な渋みが魅力。角煮やカツ煮など味の濃い料理にも合います。
その3
フレッシュな風味とかぐわしい香りが特徴
松の司(まつのつかさ)
純米吟醸あらばしり
3780円(1.8ℓ)
30代の石田敬三杜氏が醸す酒。石田氏は原料米の無農薬・無化学肥料栽培や木桶を使った生酛仕込みなど、こだわりの造りで注目を集めています。本品は、生ならではのフレッシュな風味が持ち味。洋ナシのような芳香も楽しめます
※季節限定・本品は燗より生で楽しむのがオススメ。燗の場合は「松の司 生酛純米酒」(1.8ℓ・2776円)などを選びましょう
その4
少々高めの燗によって一層味がふくらむ
七本鎗(しちほんやり)
純米 14号酵母
2592円(1.8ℓ)
蔵は天文年間(16世紀半ば)創業。銘柄は賤ヶ岳の戦で活躍した豊臣秀吉配下の7人の武士に由来しています。15代蔵元、冨田泰伸氏が志向するのは、地元の米と水を使い、米の味を引き出したお酒。なかでも本品は、地元契約農家が育てた酒米、玉栄(たまさかえ)を6割磨きで使った蔵の軸となる1本です。ふくよかな旨みと太い酸を併せ持ち、冷酒から熱燗まで幅広く対応。45℃から少し高めの燗をつけると、旨みが一層ふくよかに広がります。
【蔵元コメント】
冨田酒造 冨田泰伸さん
地元の原料のみを使った本当の「地」の酒を実現したい
地酒の「地」の部分を大切にした酒造りがモットー。この点を重視しながら、七本鎗ならではの味を造り続けたいです。新たな試みは、江戸以来の酒蔵に棲む蔵付き天然酵母での酒造り。地元の米・水・環境・酵母のみを使い、本当の「地」の酒を実現したいです。