カップヌードルを発明した安藤百福氏をモデルとした連続テレビ小説「まんぷく」が好評放送中です。ということで、それに便乗するわけではありませんが、「カップラーメン総選挙」を開催! 3人の審査員が新作からロングセラーまで様々な名品を実食して投票しました。その結果を、ランキング形式でジャンル別にご紹介! 今回のテーマは「淡麗あっさり」です。
このジャンルでは、しょうゆ、みそ、塩と様々な味付けの商品がランクイン。最新カップラーメンと発売から40年を超える超ロングセラーが混在し、カップラーメンの歴史を凝縮した結果に。
【私たちが審査しました!】
麺クリエーター・大和イチロウさん
昭和の経済史と即席麺の関係性が研究テーマ。即席麺は30年間1日1食以上食べ続け、その数は軽く1万食を超えます。
フードアナリスト・中山秀明さん
食品類が得意なライター。ラーメンをはじめ麺類は得意分野で実店舗、カップ、袋麺と種類を問わず試食し、執筆をしています。
GetNaviフード担当・鈴木翔子
カップ麺の原体験は子どものころに駄菓子屋で買っていたブタメン。登山時、山頂で食べるならカップヌードル派です。
【第10位】
磯の香りが漂うカップ麺界の超名作
エースコック
わかめラーメン
195円
有機丸大豆しょうゆスープに香る、いりこやかつおなどの魚介だし。さらにどっさりわかめ、深煎りごま、メンマ、コーンが入る超名作。
【審査員’s Voice】
2面性があるから気分で選べる
「別添スパイスの有無で、ヘルシーにもジャンクにもなります。懐の深いロングセラー!」(鈴木)
【第9位】
平打ち麺をはじめ、再現性の高いおいしさ
ヤマダイ
ニュータッチ 凄麺 佐野らーめん
実売価格204円
栃木・佐野ラーメンの特徴である、みずみずしい平打ち麺が特徴。スープはあっさりしながらもコクと肉感があり、本場の味を再現しています。
【審査員’s Voice】
柔らかいチャーシューなどの具もうまい
「動物系の清湯スープは染み渡るおいしさ。レトルトのチャーシューとメンマも美味」(中山さん)
【第8位】
合わせみそと動物系エキスが調和
テーブルマーク
ホームラン軒 合わせ味噌ラーメン
実売価格194円
ノンフライ麺カップラーメンの名品! 合わせみそのうまみに、豚や鶏などコクのある動物系エキスを加えた、バランスの良いスープがおいしい。
【審査員’s Voice】
彩りの良い野菜と食べ心地の良い麺
「野菜の量と種類が多く、彩りが良いですね。コシとつるみのある麺は心地良いのど越し」(鈴木)
【第7位】
野菜を生かしたスープに絡む生風麺
日清食品
日清ラ王タテカップ やさいタンメン塩
194円
炒め野菜のうまみが溶け込んだ塩味のスープに、キャベツなど5種の野菜がイン。全粒粉を加えた、生風のノンフライ麺がつゆと見事に調和します。
【審査員’s Voice】
全粒粉の麺が塩味スープと好相性
「おいしさを最大限に引き出した全粒粉の麺。塩ベースのスープと相性抜群です!」(大和さん)
【第6位】
ご当地みそのスープとたっぷり野菜が特徴
イトメン
カップとり野菜みそラーメン
216円
石川県民御用達の「まつや・とり野菜みそ」を50%配合したスープと、白菜などの多彩な野菜かやくが特徴。太麺で、スープに絡みやすい。
【審査員’s Voice】
みそ汁のようなやさしい味わい
「兵庫県のご当地メーカー『イトメン』の冬季限定品。故郷のみそ汁のようなやさしい味とたっぷりの野菜が、郷愁心をつかんで離しません!」(大和さん)
【第5位】
肉汁を練り込んだ麺が美味な徳島県が誇るロングセラー
徳島製粉
金ちゃんヌードル
194円
1973年発売の名作。肉のエキスを練り込んだ、香ばしくコシの強い麺が特徴的なしょうゆラーメン。かやくにしいたけが入った珍しいタイプです。
【審査員’s Voice】
個性の強い3者が仲よくひとつに!
「ゴワっとした力強い麺がかなり主張してきますが、スープも具も負けずに個性を発揮し激ウマ! 世界に誇れる文化遺産だと思います」(中山さん)
【第4位】
トリュフの香りが上品なご馳走感満点のカップ麺
東洋水産
マルちゃん正麺カップ トリュフ香る鶏白湯
222円
まるで生麺のような滑らかでコシのある麺を、トリュフの上品な香りが漂う濃厚な鶏白湯スープが包みます。ごちそう感のある逸品です。
【審査員’s Voice】
具材や麺とスープもハイレベル
「確かにトリュフは香り高く美味ですが、それだけではありません。鶏だんごもおいしくて、真骨頂はやっぱり麺とスープのレベルの高さ」(中山さん)
【第3位】
シンボリックなたまねぎを増量させてリニューアル
日清食品
日清麺NIPPON 八王子たまねぎ醤油ラーメン
238円
鶏ガラ煮干しのスープに香味とコクをプラス。生風の中細ストレート麺を合わせたしょうゆラーメンだ。かやくのたまねぎは、以前より増量しています。
【審査員’s Voice】
お酢でよりコクと甘味が出ます
「鶏ガラならではの口当たりの良いしょうゆスープに、刻みたまねぎとラードのうまみ。お酢を足すと、さらにコクと甘味を感じられますよ」(大和さん)
【第2位】
北海道民を中心に40年愛されるオーセンティックな傑作
東洋水産
マルちゃん 激めんワンタンメン
195円
1978年生まれで、北海道民にはおなじみのロングセラー。にんにくとしょうがでメリハリを付けたすっきりテイストのしょうゆ味に、柔らかなワンタンとメンマ、オーセンティックでシンプルな油揚げ麺が相性抜群です。
【審査員’s Voice】
北の英雄が満を持して全国デビュー
「40周年を迎えた2018年から全国販売開始という、遅れてきたヒーロー的なカップ麺です! ほわほわのワンタンに、やさしいしょうゆスープとこしょうのアクセント。昔ながらの味とレトロなルックスがたまりません」(大和さん)
しょうがやメンマなどこだわり満載
「しょうがの風味がかなり強めですが、それがかなり個性的でむしろイイ! メンマはパウチ入りの生タイプで、コリコリ食感が楽しめます。細部にこだわりが満載で、ただのレトロなカップラーメンではありませんね」(中山さん)
【第1位】
野菜のうまみと和だしが効いた鶏の水炊き風の塩ラーメン
サンヨー食品
サッポロ一番 和ラー 鶏の博多水炊き風
195円
福岡産はかた地どりをベースに、野菜のうまみと和風だしをほんのり効かせた、コク深い鶏の水炊き風の塩ラーメン。鶏つみれ、キャベツ、ねぎ、にんじんが彩りよく、コシと密度感のある滑らかな麺もおいしい。
【審査員’s Voice】
より本格的な郷土料理に近づいた!
「2016年に登場した『和ラー』で大人気の博多が進化。新たにはかた地どりを使い、より本格的な郷土料理を再現しています。麺は伸びにくい製法で、ゆっくり食べたい女性や子どもにもオススメですね!」(大和さん)
ごはんを入れて雑炊にしてもおいしい
「まろやかでだしの効いたスープは最後の一滴まで飲み干したくなります。こんぶだしが効いていて、鍋料理のようですね。大ぶりの鶏つみれも味が染みていて美味。最後にごはんを入れて雑炊にするのもアリです」(鈴木)
文/中山秀明、鈴木翔子(編集部) 撮影/高原マサキ(TK.c)、我妻慶一