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2019/2/8 18:00

海外でもっとも「日本酒愛」が強い国はどこだ? 2018年清酒の輸出ランキング発表

全国約1730の蔵元が所属する日本酒造組合中央会は、2018年度(1~12月)清酒輸出総額を財務省貿易統計に基づいて発表しました。

 

金額・数量ともに第1位はアメリカだが、アジアでの人気も見逃せない

これによると、清酒の輸出総額/総量は222億3150万7000円/2574万6831L(10年前の約3倍)とのこと。数量では、一升瓶(1.8L)に換算すると約1400万本。一升瓶(高さ約40cm)を並べた距離に換算すると約5600km(東京-アラスカ・アンカレッジ間に相当)に達する計算だといいます。

金額・数量ともに第1位はアメリカ(金額63億1300万円・数量5951KL)。現地で酒造業を営むメーカーも多く、最も日本酒への関心が高い国といえます。続いて、韓国・中国・台湾・香港のアジア諸国がランクイン。なかでも、中国の伸び率は2年前と比較して248%と驚異的で、現地で日本酒が好まれていることを裏付けました。このほか、輸出総量では、シンガポールが前年比116.2%、タイが128.1%、ベトナムが122.9%と軒並みアップしており、アジアでの人気が高まっているのがわかります。

 

なお、資料によると、ヨーロッパは少々不安が。出荷数量で見るとイギリスが388KL→298KL(前年比76.8%)、イタリアは386KL→312KL(前年比80.9%)、ドイツは368KL→367KL(前年比99.7%)と減少しています。ただし、金額ベースではイギリス3億4800万円→3億2400万円(前年比93.1%)、イタリアは1億3900万円→1億3000万円(前年比93.1%)、ドイツは1億6700万円→2億300万円(前年比121.4%)と、出荷数量ほど落ちこんでいない、あるいはドイツのように、金額ベースでは前年を上回る事例も。欧州では単価が高い高級酒の普及が進みつつある状況が見てとれます。

 

なお、日本酒の輸出には手続きや輸送、販路の開拓といった高いハードルがあり、中小の蔵元の参入は難しいのが現状です。輸出のノウハウを国内でうまく共有し、課題をクリアできれば、今後も大いに伸びる余地があるといえるでしょう。

↑海外展示会で日本酒を出展する活動も