「つけ麺」のルーツは、ラーメン店の職人がまかない料理として、ざるに残った麺をスープの入った湯のみで食べたこと。そして「まぜせば」も、もともとはまかない食である。偶発的に生まれたこれらの麺料理は、日々進化を重ね、いまやバリエーションが極めて多彩だ。
本稿では、「つけ麺」や「まぜそば」がウマい店をドーンと紹介していく。『ガツガツ・モリモリ食べて元気になれるような“渾身の一杯”』を出す店を テーマに、看板メニューや店内・外観写真などの基本情報を中心にお伝えしていこう。紹介した店の味を、己の舌で確かめてもらえれば本望だ。
今回紹介する神奈川・川崎にある「つけめん 玉」は、代表の玉川正視氏が2008年にオープン。川崎駅からバスで8分という遠い立地にも関わらず、都内や近県からも麺好きが訪れる人気店だ。ほぼ独学で作り上げた味は、多くのつけ麺ファンから支持されている。
大量の野菜で炊き出した脂に頼らない濃厚スープが美味
味の特徴は、鶏豚の動物系と魚介を使ったガツンと重みのある濃厚タイプ。ただし、スープは脂に頼らずに大量の野菜を炊き出すため、やさしい甘みとコクにあふれている。
また、大成食品にオーダーしたちぢれ太麺は、平打ちタイプなのでこの濃厚つけ汁をしっかりと絡めてもち上げる。主張は強いが、豊かな風味で濃厚かつ深い味わいをしっかりと引き立てる麺だ。味の染み込んだチャーシューもおいしい。
ちなみに、スタンダード以外にも、カレー風味のインドのつけめんや辛いつけめんなど、スパイシーなタイプも用意。野菜で出したコクと甘みに刺激的な辛味が加わり、きわめてユニークな味わいとなっている。