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2019/8/22 17:30

こりゃクラフト好きの夏ギフトに最適だ! 話題沸騰「伝説のビール」の飲み比べセットを試してみた

今春発売され、本サイトでも紹介した“特別な”ビール「Innovative Brewer SORACHI1984」。使われているホップ「ソラチエ―ス」は1984年にサッポロビールが生み出したものの、風味の個性が強すぎたため長い眠りにつき、今世紀になってからアメリカで人気が沸騰。世界中へ広がり、満を持して親元のサッポロビールから商品化された秘蔵っ子です。

世界に誇る伝説のホップ「ソラチエース」を使ったビールが270円で発売

 

↑「Innovative Brewer SORACHI1984」は350ml缶で270円(税込・参考小売価格)。“伝説のホップ”が副題として冠されています

 

特徴は、レモングラスやヒノキを感じさせるインパクトのあるフレーバー。ひと口飲んで、魅惑的な味のトリコになった人もいるでしょう。その話題も冷めやらぬ状況のなか、8月4日にエクステンション(同ブランドの拡張ライン)商品がAmazon限定で発売されました。

 

↑4種飲み比べセットは350ml×12本。Amazon限定で送料・税込3532円です。内訳は、SORACHI1984が6本と、エクステンション3種類が各2本ずつ

 

この19年8月4日は1984とかけているわけですが、サッポロビールは発売を記念してファンミーティングを開催。会場では飲み比べもできるということで、参加してきました。その様子を紹介するとともに、テイスティングレビューをしたいと思います。

 

ソラチエースの魅力を様々な角度から実感できる

イベントに集まったのは、全国に1984名いるミッションアンバサダーのなかから自ら手を挙げて参加した約60人のファンの方々。PM1時9分8秒4に合わせて乾杯をしたり、スペシャルペアリングメニューが提供されたりと盛りだくさんの内容でした。

なかでも最大のコンテンツは、やはり飲み比べセットのテイスティング。まずは、3本のエクステンションはどんな特徴があるのか、個人的な感想とともに紹介します。

 

↑「SORACHI1984 SESSION」。セットではない単独の場合、350ml×12本がAmazon限定で送料・税込み4028円。ソラチエースと、パッションフルーツを思わせる香りが特徴のモザイクホップを絶妙にブレンド。アルコール4.5%の軽やかさもポイントです

 

飲んだ感想としては、定番のSORACHI1984よりすっきりで爽快な印象。また、モザイクのトロピカルなアロマがソラチエースの華やかさとは違ったタイミングで香り、心地いいテイストです。いまのような暑い時季には、よりおいしく感じるとも思いました。

 

↑「SORACHI1984 DOUBLE」(単独価格は「SESSION」と同じ)。香りづけに使用するソラチエースの量を、通常のSORACHI1984の2倍にアップ。グッとくる力強い苦みに、ヒノキやレモングラスを思わせる香りが次々と押し寄せます

 

パワフルなコクと苦味があるうえに、アルコールが6%ということで、ボリューム感が豊かな味わい。余韻もふくよかで、上品さもありながら非常に飲みごたえがあります。

 

↑「SORACHI1984 Another Story Amarillo」(単独価格は同上)。ソラチエースと縁深いホップ「アマリロ」を用い、ソラチエースのヒノキやレモングラス様の香りに、オレンジのような甘美なニュアンスをプラス

 

苦味やシトラスのフレーバーが柔らかく香り、ややブライトな印象もある面白いキャラクター。アルコール5%で程よい飲み心地があり、比較的落ち着いた爽快感が楽しめる一本です。

 

↑既存のSORACHI1984は、樽生でサーブ。基本であるこの味に立ち還りながら飲み比べると、各エクステンションの特徴がより感じられました

 

ホップの金色アイコンは家紋的な存在だから

ペアリングメニューの目玉は、会場となった「ビヤステーション恵比寿」の庭山調理長が手間暇をかけて仕込んだ「イベリコ豚の低温ローストポークとソーセージのグリル」。低温でじっくり調理することで、イベリコ豚がもつ濃厚なうまみが凝縮し、SORACHI1984の個性あふれる味わいともマッチするのだそうです。

 

↑特別メニューの「イベリコ豚の低温ローストポーク」

 

調理長はローストポークのほか、スペシャルペアリングメニューとして「ビヤステーション恵比寿」の名物ソーセージも数種用意。野菜や魚ともマッチするものの、やっぱりビールと肉は鉄板の組み合わせだと実感しました。

 

また、イベントではSORACHI1984のパッケージに携わったデザインチームのトークセッションも。開発の中心人物である、新井健司ブリューイングデザイナーが司会となり、知られざる裏話が明らかに。

 

↑壇上には、サッポロビールのアートディレクター・田中章夫さんのほか、P.K.G.Tokyo社の2名が上がりました

 

「ホップに特徴があるビールですから、それをグラフィックで見せているのが大きなポイント。で、同じくらい重要なのが、『伝説のホップ』としっかり打ち出していることです。ちなみに、ホップなのになぜ緑色ではないの? という点について。これは、緑色だといわゆるシズルアイコンなんですね。ただ、このホップは特別なものであり、デザインとしては家紋のような存在なんです。また、ビールの色でもあるということで金色を採用しました」(田中さん)

 

開発途中のデザインの経緯やグラフィックなど、具体的な部分はここだけの話ということで本稿ではお伝えできないものの、パッケージの中央に描かれているホップに、面白い仕掛けが隠されていることがわかりました。それは、「A」の文字!

 

↑ホップのなかに「A」が見えますでしょうか。絶妙な透かしで入っています

 

筆者は何度も見て何本も飲んでいたのですが、この事実に気付いたのは初めて。ところが一度「A」を見つけると、もう「A」なしには見えません。意識とは面白いものということを実感しますね。

 

この「A」は、ソラチエースの「エース」。「ただのホップではない」という点で、新井さんがデザイン上でこだわった部分とのこと。ソラチエースの生みの親は荒井康則さんというOBの方で、偶然ふたりの「あらい」さんが深く携わっているわけですが、「あらいのAではないんです(笑)」と新井さん。

 

↑中身の色は、DOUBLEが若干濃いめです

 

この3本、会場内で挙手によるアンケートをとったところ、一番人気だったのは「SORACHI1984 Another Story Amarillo」。しかも、事前にビールのコアファンではない層に聞いてみたところ、そこでもアマリロが人気だったとか。ただ、女性はSESSIONを好みがちという情報もあり、個人の嗜好に左右されるでしょう。

 

夏のギフトの定番にビールがありますが、今回のセットはユニークなストーリーがあって味わいも別格。しかも限定ということで、特にクラフト好きな人への洒落の効いた贈答に、いかがでしょう!

 

ギャラリー(GetNavi webの本サイトでご覧いただけます)