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2019/10/30 17:30

香り豊かでクドさは皆無! 芋焼酎を変えた「大隅」はグローバル焼酎の新星だ

サントリーが今年から発売している本格芋焼酎が「大隅〈OSUMI〉」。独自の製法を用いているということで今回、生産現場の鹿児島まで取材に行ってきました。本稿はその後編。前回は畑や工場を中心につくられかたをレポートしましたが、今回は味わいの特徴や飲める店などを紹介したいと思います。

 

↑「大隅〈OSUMI〉」は2019年2月より、飲食店向けに販売を開始。デザインは「響」など、サントリーのウイスキーを思わせるラベルが印象的です

カクテルにもマッチする汎用性の高い味わい

「大隅〈OSUMI〉」の原料となるのが、大隅半島産の黄金千貫(こがねせんがん)。でんぷん価が高いゆえに蒸すとホクホク感が出て、フルーティな焼酎をつくりやすいサツマイモを100%使用しています。

 

↑白い色味も黄金千貫の特徴。焼酎では定番品種で、芋けんぴなどの加工品にはよく使われるそう

 

製造工程における最大の特徴が「香り厳選蒸溜」。これが長年のウイスキーづくりで得た知見を生かした技法のことで、芋本来の香りとコクある部分だけを焼酎のなかに凝縮しています。

 

↑味わいの特徴をより感じるために、他社の定番芋焼酎と比較してみることに。すると興味深い発見が!

 

比較試飲で「大隅〈OSUMI〉」の特徴を浮き彫りにしてみました。印象的だったのは、甘やかな香りが豊かでありながら、余韻は心地よくすっきりしていること。ほかの焼酎はどっしりとした芋焼酎らしい味わいで、「大隅〈OSUMI〉」はボリューム感がありながらもクドくなく、飲みやすいと感じました。

 

飲み比べのあとは、ちょっとユニークなプレゼンテーションが。「大隅〈OSUMI〉」を使ったカクテルを試飲するというものです。プレゼンターは、鹿児島県霧島市の「Bar 万」(よろず)のマスターバーテンダー、吉富万洋(よしとみかずひろ)さん。

 

↑吉富さん。世界的なカクテルコンペで受賞歴を持ち、2013年「サントリー・ザ・カクテルアワード」では日本一に輝いたスゴ腕です

 

ふるまわれたカクテルは3種類。「煎茶のサングリア」「季節のモスコミュール」「大葉とレモンのモヒート」です。吉富さん曰く、これまでの多くの芋焼酎はサツマイモの個性が強く、カクテルにはあまりなじまなかったそうですが、「大隅〈OSUMI〉」はすっきりしているのでカクテルにしてもマッチするとか。特に柑橘類と好相性で、今回のカクテルを考案。すべて「Bar 万」で提供しているそうです。

 

↑さらに、それぞれのカクテルに鹿児島の食材を使った洋風料理とペアリング。「豚味噌のクリームチーズカナッペ」「キビナゴのエスカベッシュ」「地鶏のカルパッチョ」を合わせました

 

筆者の体験としては、これまで焼酎のカクテルといえば沖縄の泡盛をスプモーニ(カンパリ×グレープフルーツ・ジュース×トニックウォーター)風に仕上げる「泡モーニ」でしたが、「大隅〈OSUMI〉」のカクテルも好印象。フルーティな香味に柑橘や和の素材が相まって、爽やかなおいしさでした。もちろん料理にもバッチリ。そのままでもおいしく、割りもののベースにもなる「大隅〈OSUMI〉」の多彩な魅力を実感しました。

 

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