ラーメン好きミュージシャンが一杯の味わいを一曲に例える斬新コラム━━━
サニーデイ・サービス 田中 貴のラーメン狂走曲「永福町 大勝軒 [永福町] 」
外出は控えなければならない。でもウマいものは食べたい。在宅でも仕事のできる人が、そうではない人たちに協力できること。おみやげラーメン。それは、心の中にある光。
田中 貴
2020年5月22日に13枚目のアルバム「いいね!」をリリース。CDはライブDVD付きの初回限定盤と、通常盤の2種。アナログ盤も同時発売。
前回紹介した3系統の大勝軒煮干しといえばこの大人気店
現時点で4月までのライブはすべてキャンセル、この先の状況も見えず、音楽業界は大打撃を受けている。これは飲食業界も同じ。日常の生活を取り戻すには、全人類が助け合い、外食など感染リスクがある行動を控えることが必要である。
しかし、その間に、大好きなラーメン屋さんが閉店してしまうなんてことも考えられる。そうなってしまわぬよう、新たにテイクアウトメニューなどを作り頑張っている店も多い。今回紹介するのは、大名店でありながら、冷凍おみやげラーメンの元祖ともいえる店である。
1955年創業、永福町大勝軒。たっぷりの煮干しとラードが特徴の醤油ラーメンを求め、数十年も行列が絶えない“超”のつく人気店である。一昨年亡くなられた創業者の草村賢治さんは、ラーメンの概念を変えた人物のひとり。
いまでこそ素材にこだわるのは当たり前だが、なんと、草村さんは50年も前から実践していた。納得のいく煮干しを探すべく、山口県〜鳥取県の日本海沿岸を訪れ、イワシを干しているポイントをひとつひとつ回り、食べ比べて仕入れていたというのだ。ほかにもタレの重要性に着目し、現代的な奥行きのある味の構成を作り上げるなど、その偉業は枚挙にいとまがない。
1日数百杯を売り上げる日本一のおみやげラーメン
こちらのおみやげラーメンは、1994年から販売を始めている。僕も20年以上前から買い続けているが、興味を持ったきっかけは、濃縮スープではなく、お店の味そのままのストレートスープだということ。実際に丼にタレとスープを注ぎ、プラスチックのボトルに移し即冷凍。この作業が、お店で提供されるラーメンと並行して行われているのだ。
容器の選択など、すべてにこだわり抜いて完成された持ち帰りラーメン。この自宅再現度の高さは、テイクアウトメニューを考えているラーメン屋さんの参考にもなるはずだ。
もうしばらく、この日々が続くであろう。生活がままならなくなる人も多い。自宅で過ごす時間も増えるが、なんとか気が滅入ってしまわぬように。そして心に、音楽を楽しめるくらいの余裕ができますように。サニーデイのニューアルバム「いいね!」は5月22日発売!
【お土産ラーメンの詳細】
【お土産ラーメンの購入方法】
オンラインショップ、FAX、はがきからは4セット(8人前)が入った「お土産ラーメン(配送用)」(税込4720円)が注文できる。店頭でのみ1セット(2人前)からの購入が可能だ。
永福町大勝軒 オンラインストア
https://eifukucho-taishoken.shop/
この一杯からはこんな音色が聴こえてきた!
サニーデイ・サービス「いいね!」
通算13枚目のアルバム。こんなご時世だからと、3月から配信、YouTubeで前倒しに公開しております。なにはともあれ、聴いていただきたい。