昨今のコロナ禍で厳しいといわれる飲食業界ですが、特にBARは深刻な業態です。そのなかで、“プロのカクテルを自宅でも楽しめる”としてバーファン、洋酒ファンから好評を得ているのが「Bottled Cocktail」(ボトル カクテル)という新提案のお酒。
本稿はそのストーリーや特徴に触れながら、味わいや飲み方などもレポートしていきます。
北海道名産のハスカップが決め手のフローラルなカクテル
9月16日に新発売となった「Mother’s Blossom」は「Bottled Cocktail」の第二弾。一弾は、日本を代表するミクソロジストバーテンダーの南雲主宇三(なぐも しゅうぞう)さんが監修した「ブリティッシュネグローニ」で、業界では大きなニュースとなりました。
カクテルの魅力のひとつが個性。同じカクテルを作ってもバーテンダーによって味が変わるのが面白いところで、パッケージングされた同カクテルにも作り手のバックグラウンドや想いが凝縮されています。
そして今回紹介する「Mother’s Blossom」を手掛けたのは、個性的な経歴をもつ女性バーテンダーの小栗絵里加さん。小栗さんは毎年5月に行われる(2020年は中止)インターナショナルバーショー内の、女性バーテンダーによるカクテルコンペティション「なでしこカップ」の2017年開催時に優勝した実力派ですが、もともとは音大出身で20代前半まで芸能活動をしていた多才なバーテンダーです。
芸能活動のかたわらで始めたBARの仕事に魅了され、本格的にバーテンダーの道を歩んだ小栗さん。現在は赤坂見附の「Bar Algernon Sinfonia」(アルジャーノンシンフォニア)で、オーナーバーテンダーを務めています。
「Mother’s Blossom」は小栗さんの故郷である北海道名産のハスカップ果汁を使ったカクテルで、ネーミングからも連想できる通り、自身の母親へのプレゼントをイメージして作られています。材料は、美肌と長寿の秘薬と言われているハスカップ果汁のほか、“思いやり”の花言葉を持つエルダーフラワーリキュール、そして母の日のプレゼントには欠かせないカーネーションのルーツであるオランダ産のBobby’s gin(ボビーズジン)を使った華やかな香りと甘やかな酸味が特徴です。
また、ボトルのラベルデザインも小栗さんによるもの。一口飲んだら頭にパッと花が咲くような華やかなカクテルの味わいを連想してもらえるよう、女性のヘアスタイルをカーネーションの花びらで表現しているのだとか。