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2016/8/9 22:07

小さくてもまじめに造る蔵を見てあげて! やさしい味で料理を立てる神奈川の日本酒ベスト5

今回は、神奈川県の日本酒をご紹介。都会のイメージが強く、日本酒のイメージの薄い県ですが、実は近年評価が上がりつつある地域。丹沢山系の伏流水を使い、料理に合うクセのない日本酒を造る蔵元が多いです。見つけたら、ぜひ試してみてください!

 

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神奈川県

人口は約909.6万人で全国2位。日本酒の消費量は、約33206㎘で3位となっています(2013~2014年のデータ)。酒蔵は相模川と酒匂川流域などに分布していて、丹沢山系を水源とする豊かな伏流水は中硬水。醸される酒は上品で繊細な食中酒向けが多いです。小規模の蔵が多いものの、平均精米歩合が高く、質の高い酒造りで注目されています。

 

その1

爽やかな酸が特徴で料理に合わせやすい

泉橋酒造[海老名市]

いづみ橋

生酛黒とんぼ(きもとくろとんぼ)

1851円(720㎖)

20160809-s3 (3)

酒米作りから取り組む蔵。本品のラベルは、農薬の使用を減らせば田のとんぼが増える=安心して飲める酒を意味しています。味わいは酸がきめ細かく、爽やかで料理との相性も良し。燗にして濃厚なチーズと合わせるのもオススメです。

蔵元が語る地元との関わり

米作りから一貫生産を行う「栽培醸造蔵」を自称

地元・海老名市を中心に、酒米の栽培から醸造までを一貫して行う「栽培醸造蔵」を自称しています。冬には酒造りをする蔵人社員が、夏には自社田で酒米を栽培。いづみ橋のための栽培研究会による生産ぶんを合わせ、使用量の90%以上を地元でまかなっています。

 

 

その2

芳醇な吟醸を瓶囲いし深みのある味わいに

久保田酒造[相模原市]

相模灘(さがみなだ)

純米吟醸 山田錦

3700円(1.8ℓ)

20160809-s3 (4)

創業1844年(天保14年)の歴史ある酒蔵。平均29歳の若い蔵人が、昔ながらの手作業で醸しています。本品は、山田錦の豊潤な旨みと吟醸造りの透明感が融合した食中酒。1升瓶で貯蔵する瓶囲いにより、味わいを深めています。

蔵元が語る地元との関わり

裏山から湧き出す水が目指す味には必要不可欠

蔵の裏山から湧き出す丹沢山系の湧水を使用。水質は適度なミネラル分を含む中硬水で、当蔵が目指す「バランスの良い食中酒」を造るために必要不可欠な要素です。

 

 

その3

口当たりは重厚で複雑な味わいが魅力

大矢孝酒造[愛甲郡愛川町]

昇龍蓬莱(しょうりゅうほうらい)

生酛純米 山田錦77(きもとじゅんまいやまだにしきななじゅうなな)

槽場直詰 無濾過生原酒(ふなばじかづめ むろかなまげんしゅ)

20160809-s3 (5)

3240円(1.8ℓ) 

清冽な空気と水が豊富な丹沢山地の山ふところに位置する蔵。本作は、生酛造りらしい重厚な口当たり。じっくり味わえば酸味、旨み、少量の渋みが混ざり合う、複雑な構成が見えてきます。燗にすると飲み口がよりスムーズに。同蔵では、フレッシュな味わいの「残草蓬莱(ざるそうほうらい)」シリーズもリリースしており、低アルコールの「Queeen」も注目を集めています。

蔵元が語る地元との関わり

丹沢水系の中硬水で幅広い酒を製造

丹沢水系の中硬水の伏流水を仕込み水として使用。この水を使って、全量を純米で醸しています。冷酒に向く生原酒から低アル酒、熟成酒など、幅広く製造しています。

 

 

その4

軽快な口当たりと適度な旨みが心地良い

熊澤酒造[茅ケ崎市]

天青(てんせい)

風露(ふうろ)

2160円(1.8ℓ) 

20160809-s3 (1)

1872年(明治5年)の創業以来、手づくりの少量生産を旨とし、丁寧に酒を醸し続ける蔵。こちらは軽快な口当たりと適度な旨みが心地よい特別本醸造です。どんな料理にも合わせやすいですが、特に地元・相模湾の魚介類と好相性です。

蔵元が語る地元との関わり

地元の食材と天青が楽しめる施設を併設

蔵の敷地に天青や湘南ビールが楽しめる施設を併設。大正時代の蔵を改装した「蔵元創作料理 天青」では、地元の食材を使った「蔵元料理」を提供しています。また、かつて蔵の道具の修理などを行った桶場を改修し、地域の作家のアート作品を販売しています。

 

 

その5

おだやかな味わいがどんな料理も引き立てる!

川西屋酒造店[足柄上郡山北町]

隆(りゅう)

純米吟醸 若水(わかみず) 白 生

3186円(1.8ℓ)

20160809-s3 (2)

丹沢山系の清冽な水と足柄の米で醸し、バランスの取れたきめ細かい酒質で評価を上げつつある蔵。本品はやわらかな旨み、華やかな酸味を感じるフレッシュな味わい。香りは穏やかで、どんな料理の味も引き立ててくれます。

蔵元が語る地元との関わり

地元の魚に合わせて飲んでもらえるようPR

1980年代、地元農家に酒造好適米「若水」の栽培をお願いし、90年ごろより「純米吟醸 丹沢山」の醸造を開始。地元相模湾の魚に合わせて飲んで頂けるようPRしています。