グルメ
ラーメン
2016/8/23 20:07

ラーメン王・石神氏が足しげく通う「誠屋」とは!? 太麺は“家系”の王道、細麺は“家出系”ともいうべき新世界

家系ラーメンファンの皆さま、お待たせしました! 以前、ラーメン王・石神秀幸さんのインタビューと、石神さんが最も好きな家系で元祖でもある「吉村家」の訪問記事をお届けして大反響を呼びました。今回はそのスピンオフ企画。石神さんが「吉村家は遠くてなかなか行けないけど、逆に近くておいしいという理由でよく利用する家系はここ」と教えてくれた、「誠屋」の実食レポートをお届けします!

 

【関連記事】

【ラーメン王・石神氏が語る】家系ラーメン急増の理由は「日本人の食生活の変化」と「調理技術の進化」にあり

 

孤高のスタイルではあるが定番ラーメンのウマさは折り紙付き!

誠屋の屋号には“家”が付いていません。意図しているかは不明ですが、確かにストロングスタイルの家系ではないかもしれません。ただ、ラーメンのおいしさは本物。メインとなる一杯は濃厚な豚骨醤油スープに鶏油(チーユ)、そこに加水率低めの太麺が絡み、ほうれん草や大型の海苔などがのるスタイルで、まさに家系そのものです。

20160823-a07 (1)

 

訪れたのは、誠屋のなかでも石神さんが最も訪れる池尻店。女性がひとりでも食べに行きやすいカジュアルな雰囲気も特徴で、男気あふれる家系のスタイルとはやや異なりますが、だからこそ家系ビギナーには最適といえるでしょう。

20160823-a07 (2)

 

券売機は写真が入ったわかりやすいメニュー構成。ここにも同店ならではのポイントがいくつもあるのですが、最も特徴的なのは細麺があることです。とはいえ、まずはスタンダードな太麺を注文しました。

20160823-a07 (6)
↑太麺 680円

 

家系でおなじみの味カスタム(油多めor少なめ、味濃いめor薄め、麺固め、など…)はできますが、基本を知るべくすべてノーマルでオーダー。スープの表面に適度に張られた鶏油がふんわりと香り、食欲をそそります。

20160823-a07 (8)

 

続いて麺をリフト。おぉー! 食感のしっかりとした太麺は、やはり濃厚な豚骨醤油スープによく合います。たまらずチュルリンとすすれば、口いっぱいに広がる美味と至福のパラダイス。パンチがありながら決して下品ではない、動物系スープの旨味が余韻となって奥へと抜けていきます。

20160823-a07 (12)

 

 

細麺は王道家系ではないがハイクオリティでやはり激ウマ!

次に細麺を注文してみました。すると、太麺とは若干トッピングが異なることも判明。また、石神さんが「“油なし”はどんな味がするんだろうと思って、あえて試してみたことがある」と言っていたのを思い出し、筆者も油は“なし”としてそのほかはノーマルでカスタムしました。

↑細麺 680円
↑細麺 680円

 

丼の色が黒ではなく褐色となり、トッピングがほうれん草ではなく青ネギではありませんか! 麺が細いのもあって、これは確かに家系ラーメンではないかもしれません。

20160823-a07 (11)

 

油をなしにしたので、確かに鶏油のコク深い香りはありません。ただ、豚骨の油分が乳化したスープがダイレクトに入るので、風味はよりワイルドに伝わってきます。

20160823-a07 (13)

 

そして肝心の麺。ぬぉ! こうやって上げてみると、まるで九州系豚骨ラーメンのよう。固さは普通でオーダーしましたが、食感は加水率が太麺よりさらに低く、しっかりとした噛みごたえがあります。

↑細麺替玉 100円(太麺は替玉なし)
↑細麺替玉 100円(太麺は替玉なし)

 

細麺はもはや家系から“家出”した、自由な世界へと旅立ったオリジナルラーメンといえるでしょう。やがて完食したものの、ひとつ気になる食べ方があったのでトライしてみました。それは太麺のスープで味わう替玉の細麺です。

20160823-a07 (18)

 

ちなみに今回は麺を「カタめ」でオーダー。味のほうは、ややアンバランスな感じ。太麺で食べ慣れているせいかと思いましたが、これは違うはず。なぜなら家系=太麺というのは、創始者の吉村さん(吉村家店主)が導き出した絶対的な正解の方程式だからです。

20160823-a07 (14)

 

でも細麺が好きな人は、この組み合わせが好きということでしょう。あくまでお客さんに選ぶ自由さを提供するという、誠屋独自のホスピタリティなのかもしれません。このサービス精神は、無料トッピングの豊富さにも表れていました。

 

 

餃子もウマくて“ラ飲み”族にもうれしい!

実は同店には餃子もあり、しかもラーメンのようにバリエーションが豊富。その数、なんと5種類で各250円です。ラーメン屋でここまでやるか! と思ったのですが、なら食べてみようということで、再び券売機に手を伸ばしました!

20160823-a07 (5)

 

まずはイチオシというもち豚餃子。ほかの焼き餃子が6個なのに対してこれだけ5個なので、やはり越後のもち豚を使っているだけあっておいしく、コストも高いということでしょう。

↑もち豚餃子 5個250円
↑もち豚餃子 5個250円

味は濃厚な甘みがありながらも上品。さすがブランドポークですね。タレに付けなくても抜群においしいです。

 

続いて水餃子も実食。ここまでやるということはよほど自信があるのだろうと思いましたが、確かにウマい!

↑石垣島ラー油水餃子 5個250円
↑石垣島ラー油水餃子 5個250円

20160823-a07 (16)

 

個人的にはこっちのほうがもち豚餃子より好きです。食感もいいし、四川系特有の花椒(ホアジャオ)が効いた、シビれる辛さのラー油ダレがたまりません!

20160823-a07 (3)

 

ちなみに、生ビール+選べる餃子のメニューが500円で用意されているので、軽く一杯飲んでからラーメンという、最高の“ラ飲み”も楽しめますね。ラーメン王イチオシの店はラーメンの味もさることながら、その他の配慮も神でした。誠屋は姉妹ブランドの「百麺」(パイメン)と合わせて都内に数店舗展開しているので、足を運ぶことを強くオススメします!

 

【SHOP DATA】

誠屋 池尻店

住所:東京都世田谷区池尻2-34-12

アクセス:東急田園都市線「池尻大橋駅」南口徒歩5分

営業時間:11:30~24:00

定休日:なし

 

【URL】

誠屋 http://www.m-s-co.jp/makotoya/