なぜアップルは自前の検索エンジンを開発しないのか? 同社のエディ・キュー上級副社長がその理由を説明しました。
米ワシントンD.C.の連邦裁判所に宣誓書を提出したキュー氏。それによると、アップルが検索エンジンを開発しない理由は以下の通りです。
- 検索エンジンの開発には「数十億ドル」と「何年もの時間」が必要で、これによりアップルが注力する「他の成長分野」への投資や人材が削がれる。
- 検索ビジネスは人工知能(AI)の影響で「急速に進化」しており、アップルが検索エンジンを開発することは「経済的なリスクが高い」
- 「現実可能な」検索エンジン事業を構築するには「ターゲット広告」を販売する必要があるが、これはアップルの主要事業ではなく、同社の「長年のプライバシー保護への取り組み」に反する。
- 検索エンジン事業を成功させるために必要な「専門的な人材」と「運営インフラ」がアップルには十分にない。
アップルは「Safari」ブラウザでグーグルを標準の検索エンジンにしていますが、その契約が反トラスト法に違反しているとの判決が2024年に下されました。キュー氏はこの判決に反論するために上記の理由を述べたのです。
キュー氏はアップルとグーグルが検索エンジンに関する契約を続けられなくなった場合、「アップルがユーザーのニーズに最も合った製品を提供し続ける能力が大きく損なわれるだろう」と述べています。これが真実なのか、あるいはポジショントークなのか、今後を見守る必要がありそうです。
Source: fingfx.thomsonreuters.com(PDF) via MacRumors