Samsungは3月29日(日本時間3月30日0時)、Galaxy UNPACKED 2017を開催しました。発表されたのは、同社のフラグシップモデルとなる「Galaxy S」シリーズの最新機種「S8」と「S8+」、および360°カメラ「Gear 360」の新モデル。本記事では、発表された新モデルについて、同イベント様子やタッチアンドトライの感想などを交えながらレポートしたいと思います。
箱型が定番化したスマートフォンのデザインや概念を一新
開場すると手荷物・ボディチェックを抜け、QRコードによるIDチェックを通り劇場のようなつくりのホールへ。
現地時刻11:00を迎え、オープニングのムービーが流れます。会場は拍手と歓声に包まれ、PresidentのDJ Koh氏が登壇。
ずばり、今回のテーマは「Unbox your phone」。「Unbox」という言葉には、いつのまにか箱型が定番化したスマートフォンのデザインや概念を一新するという想いが込められているようです。
そして、その流れで今回の目玉・Galaxy S8/S8+が発表されました。
続いて、Senior Vice Presidentの Justin Denison氏が登壇。Galaxy S8/S8+についての解説が始まりました。
ホームボタンが廃止されほぼ全面がディスプレイに
まず、、大きなトピックとして、Galaxy S8/S8+にはディスプレイ下部にホームボタンがありません。そのぶん上下に細長い18.5:9という比率になっています。Samsungはこれを「Infinity Display」と表現。
ディスプレイサイズは、S8が5.8インチ、S8+が6.2インチ。上下に広がったディスプレイによってマルチウィンドウが見やすくなったほか、ブラウジングでは一度に表示できる情報量が増え、スクロールの回数も減ると考えられます。横画面でウルトラワイドのコンテンツを表示させる際にも、黒帯が少なくなるでしょう。Mobile HDR Premiunに対応しているので、くっきりした色彩が楽しめることもポイント。
ホームボタンは多くのAndroid端末と同様、アイコンになったわけですが、それで終わらないのがSamsung。Galaxy S8/S8+は、感圧式のホームボタンを内蔵しており、アイコンが表示されていないときにも、ぎゅっとプレスすればホームボタンを押せます。同社はこれを「Invisible Home Button」と表現。
従来機ではホームボタン上に指紋センサーが配置されていました。こちらはどうなったのかというと、背面のカメラ右横に移動しています。つまり、指紋認証も問題なく使えるというわけです。
さらに、Galaxy S8/S8+は虹彩認証によるロック解除にも対応。筆者もタッチアンドトライ会場で試してみましたが、設定・認証ともに一瞬で完了する精度。明るい場所でしか検証していませんが、使い勝手は非常に良好でした。
カラーバリエーションは5種類が発表されました。どの色も前面はブラックで統一されていて、側面から背面にかけての色が異なります。
続いて、話題はカメラに。リアカメラはデュアルピクセルの約1200万画素で、F値なども従来モデルを踏襲しています。背面カメラについて、画面上のシャッターボタンを左右にスワイプすることで最大8倍までのズームが可能。扱いやすいUIが採用されている点も見逃せません。
一方、インカメラは従来機の500万画素から800万画素へアップ。「スマートオートフォーカス」に対応したことで、より鮮明に撮影できることが強調されました。
そのほかSamsung PassやHealth機能についても紹介したのちDenison氏は降壇。続いて、Senior DirectorのSriram Thodla氏が登壇しました。
音声アシスタントにIoT製品のコントロールまで
紹介されたのは、新機能「Bixby」について。本記事では詳細を割愛させていただきますが、「Siri」や「Google Assistant」と同じような音声アシスタント機能として活用します。話しかけてアプリを操作したり、カメラで写した情報を検索したり、ユーザーのTPOに応じてリマインダーを起動したり、と非常に便利。
また、「Samsung Connect」では、IoT製品のコントロールも行えます。家電製品を幅広く展開する同社ならではの施策ですね。
さて、このタイミングで発売日が明かされました。グローバルでの発売日は4月21日とのこと。価格は取り扱いキャリアに依存するということで、現時点では公開されていません。なお、日本での取り扱いは未定です。
VRゴーグルや新型360°カメラも登場
続いて、登壇したのは、DirectorのSuzanne De Silvaさん。新たにコントローラーが付属するVRゴーグルをアナウンスしました。
また、Gear 360もコンパクトになった新モデルが発表されました。従来はカメラ本体と三脚部分が取り外し可能でしたが、こちらは一体化されています。下部には、ネジ穴もあるので、三脚も使用可能。
そして、最後に発表されたのが、「Samusung DeX」。お椀程度のサイズのクレイドルに、Galaxy S8/S8+をセットします。すると、デスクトップにChrome OS風の画面が表示されるという仕組み。キーボードを使った長文の入力や、大画面でのブラウジングなどをする際にすごく便利そうです。これはぜひ日本でも販売して欲しいところ。
タッチアンドトライ会場で確認したところ、ドックにはUSB(キーボード接続など)、USB Type-C(給電)、HDMI(映像出力)、LAN(ネットワーク接続)などのコネクターが配置されています。また、冷却用のファンも付いていました。
斬新な商品を次々と繰り出し、盛大な拍手とともに幕を閉じたGalaxy UNPACKED 2017。会場は世界各国のメディアで賑わっており、とてもエキサイティングなひと時でした。国内発売はどうなるかわからないものの、どれも物欲をそそる製品ばかり。ぜひ国内キャリアでの展開も期待したいですね。