サムスン電子は8月23日(米現地時間)、Galaxyの新モデルとなる「Note8」をグローバル向けに発表。9月15日に発売することを明かしました。日本国内での取り扱いについては未だ明らかになっていませんが、ひと足早く同機の概要をお届けします。
Galaxy S8/S8+よりも四角くより“ノート”らしく
今回発表された「Galaxy Note8」は、6.3インチのクアッドHDのディスプレイを搭載します。アスペクト比18.5:9という縦長の画面は、「インフィニティディスプレイ」と呼ばれ、日本で既に発売されている「Galaxy S8/S8+」でもおなじみ。ブラウジングの際により広い領域を表示でき、2つのアプリを同時に起動する「マルチウィンドウ」とも相性バッチリです。
「S8」シリーズと外観を比べてみると、四隅の形状が異なるのがわかります。「S8」がやや丸みを帯びているのに対し、「Note8」ではより四角い形状を採用。側面のカーブも形状がやや変更されており、本体幅を極力抑えながら、左右の表示領域が拡張されています。本体サイズはW74.8xH162.5xD8.6mmで、質量は195g。「S8+」よりもひと回り大きめです。ちなみにS8シリーズ同様、左側面に「Bixby」ボタンを搭載します。
背面にはデュアルカメラを搭載
Note8の背面には、同社初となるデュアルカメラが搭載されました。1200万画素/F1.7/デュアルピクセルセンサー搭載の広角カメラと、1200万画素/F2.4の望遠カメラの2つ。望遠レンズと切り替える仕組みで、2倍相当の光学ズームを再現しています。デジタルズームを組み合わせると最大10倍までのズームが可能です。ちなみにインカメラは800万画素/F1.7。
注目は「Live Focus」機能です。2つの背面カメラを使用することで、背景をぼかして被写体を際立たせることができます。撮影前にボケを調整できるのはもちろん、撮影後にも背景のボカし具合を変更可能。特筆すべきは、Note8の2つのカメラが、どちらも光学手ブレ補正に対応していること。Live Focus機能を使用している場合にも、手ブレをより抑えられます。
ちなみにLive Focus時に「デュアルキャプチャー」機能をオンにしておくことで、広角カメラで撮影した画像も同時に保存できます。背景をぼかしたポートレートを撮影しつつ、風景を含めた記念撮影も同時に行えてしまうというわけです。
内蔵の「S Pen」でメモや翻訳機能を利用可能
Noteシリーズには、端末本体に独自のスタイラスペン、「S Pen」が収納されています。ディスプレイ右下部にペンの収納部分があり、ここをカチッと押し込むことでペンを脱着可能。
S Pen関連の注目機能は3つあります。まず、画面がスリープ状態のときにペンを引き抜くと、そのままスマホにメモができる「Screen Off Memo」。同機能は従来機でも利用できましたが、今回新たになんと100ページ分ものメモができるように改良されました。「Note7」の際には3ページ分までだったので、長時間メモを取る人でも使いやすくなったと言えます。ちなみに、作成したメモは「Always On Display」上に表示しておくことも可能です。
2つ目は翻訳機能。S Penを翻訳したい部分にかざすことで、その部分を含むセンテンスが指定した言語に変換されます。単語ではなく、文単位で翻訳できるのが特徴です。3つ目は「Live Message」という新機能。手書きの文字や絵が、動きのあるGIFファイルに変換されます。メッセージアプリやSNSで共有可能です。
マルチウィンドウを一瞬で立ち上げられるように
ディスプレイに関する新機能としては、2つの異なるアプリを同時に起動できる「App Pair」が秀逸。セットで使用する2つのアプリをあらかじめ登録しておくことで、ワンタッチでマルチウィンドウを立ち上げられます。例えば、「Googleマップ」を起動してナビゲーションを利用しながら「Playミュージック」で音楽をかけるというセットは、車内でカーホルダーにセットする直前に活躍しそうです。
従来は1つのアプリを起動して、それからもう一つのアプリを起動して……、と煩雑な手順が必要でした。しかし、「App Pair」の登場によって、マルチウィンドウの実用性がグンと上がっています。
その他スペックなどについてもチェック
最後に同機のスペックについて。OSはAndroid 7.1.1。プロセッサーには10nmサイズのチップセットを搭載します。コア数は8で、動作周波数は2.3GHz+1.7GHzまたは2.35GHz+1.9GHzとなり、発売地域やキャリアによって異なる模様。RAMは6GB、ROMは64GB/128GB/256GBの3種類を展開します。
バッテリー容量は3300mAhで、コネクタはUSB Type-Cを採用。ワイヤレス充電にも対応します。そのほか通信面ではCat.16、4/5CAをサポート。セキュリティについては先述の指紋認証のほか、虹彩認証にも対応しています。
また、S8シリーズ同様に「Samsung DeX」を利用可能。専用のドッグ(日本では未発売)を経由してディスプレイに接続することで、パソコン代わりとして使用できる点もユニークです。Note8用の「Gear VR with controller」も販売される予定です。
もしNote8が日本で発売されれば、Noteシリーズとしては2014年に発売された「Galaxy Note Edge」以来となります。国内販売についてはいまだ明らかになっていませんが、各キャリアでの取り扱いにも期待が高まります。