いまやテレビもネットに接続する時代。料金の安いIP電話やスマホのWi-Fi接続の利用もあり、多くの世帯で固定回線を導入しています。それも高速をうたう光回線が常識となりました。
でも、自宅のネットが遅いと思ったことはありませんか? スマホやパソコンで動画配信を視聴しているとカクついたり、Webサイトの反応が悪かったり。特に夕方から夜に掛けて人々が帰宅してネットを始める時間帯は回線混雑が顕著になり、速度が一気に低下してしまいます。これは、動画サイトやネット配信によるストリーミング視聴が一般的になってきたことに加え、最近では4K動画などのリッチコンテンツも増えてきたため、通信回線がひっ迫しているのが一因ともいわれています。せっかくの光回線なのに通信速度が遅かったら意味がありませんね。
そこで、今回は速いと評判の光回線を体験してきました。どの通信事業者も光回線は「速い」ことを強調していますが、今回、ご紹介する回線は“世界最速”をうたっているほどの自信を持っているよう。いったいどれくらい速いのか、どうかご覧あれ。
実測値で驚愕の600Mbpsオーバーの光回線とは?
その高速光回線のサービスは、皆さんも一度は耳にしたことがあるであろうソニーネットワークコミュニケーションズが運営する「NURO 光」です。
取材で訪れた同社のデモルームでは、NURO 光について詳しい説明を受ける前に、まずはこれを見ろ! といわんばかりにいきなり目の前でPCによる通信速度の測定テストが実施されました。平日の日中で、ピークのランチタイムは過ぎた直後。果たしてどれくらいの速度が出るのか、と期待していたところ、なんと下りで689.7Mbps、上りで489.6Mbpsものハイスピードが叩き出されました(有線LAN接続)。
NURO 光では、通信速度をより高速化できる「G-PON」という規格を採用することで、下り最大2Gbps、上り最大1Gbpsの高速光通信を実現しているとのこと。回線はNTTの光ファイバーを借りて利用していますが、ほかの通信サービスと混在しない独立したケーブルを使用しているため、混雑も少なくいつでも快適な速度でインターネットへのアクセスが可能となっているそうです。
ちなみに、取材に同行したGetNavi web編集部・一條氏の自宅のマンションタイプの光回線(下り最大200Mbps、上り最大100Mbps)の速度(有線LAN接続)を計測してもらった結果は以下の通り。平日日中という空いている時間帯ですので、規格値に対して速度は出ているほうですが、それでも下りの速度は10倍以上違います。
さすがにコレだけの速度差があれば、鈍感な人でも体感できるレベル。昨今ではキャリア回線のLTEなら100Mbpsオーバーになる場合もありますが、100Mbps以下は遅いといわざるを得ません。
NURO 光のデモルームで、4K動画やPlayStation VRを使った360度映像のストリーミング視聴も体験させてもらいましたが、読み込みに待たされたり再生中に処理落ちによるカクツキが起こることもなく、極めてスムーズに視聴することができました。Netflixをはじめとする動画配信サービスでは、4Kの高画質コンテンツのストリーミングも開始されていますので、そのようなリッチコンテンツを楽しみたい人には特におススメです。
ちなみにNUROから貸与されるONU(ホームゲートウェイ)というネットワーク機器にはWi-Fi親機の機能も搭載されていて、スマホやNintedo Switchなどでワイヤレス通信するときも高速でデータをダウンロードできます。自前のiPhone Xで速度を計測させてもらったところ、下りで356Mbps、上りで455Mbpsというすさまじいスピードに。ゲームアプリなど重いデータのダウンロードも、この速度ならあっという間に完了しそうです。
でも、お高いんでしょう?
コレだけ高速だと料金もさぞかし高いのでは? と思いますが、実は思いのほか高額ではなく、キャンペーンを利用するとお得になることも。2GbpsのNURO 光の月額料金は、回線利用料金やプロバイダ料金、無線LAN、セキュリティサービス込みで4743円(税別)。このほかに、初期費用として初回のみ契約事務手数料として3000円と工事費用4万円がかかりますが、工事費用は30分割することで毎月の割引額と相殺され、30カ月の利用で実質無料となる仕組みです。
下記は、2月入会のキャンペーンを利用し、2年間の継続利用契約で工事費を30分割した場合の料金。最初の1年間は月額料金が2980円(税抜)になります。
思ったほど高額ではありませんよね? 5000円前後で携帯キャリアが提供しているスマホとのセット割と比較しても大差ないことが解ります。また、ソフトバンクのスマホユーザーであれば、NURO 光を契約することで、スマホの料金が最大1000円(税抜)割引になるのも魅力の1つ。さらに、IP電話やひかりTVなどのオプションサービスも充実しています。
ただし、このNURO 光は現在の時点で提供エリアが、関東、東海、関西エリアに限られていることに注意が必要です。住まいが対象エリア内にあるかは公式サイトで調べることが可能なので、気になる方はまずチェックしてみましょう。
さらに超爆速の回線も
NURO 光には、前出の最大2Gbpsよりもさらに高速な10Gbpsのプランも提供されています。10Gbpsは世界最速とのことで、ネットワーク対戦をするプロゲーマーやサーバーを提供している個人にも愛用されているとのこと。月額料金は6480円。最初の1年間は3980円で利用できるキャンペーンも実施されています。
この10Gbps回線で速度を計測してもらったところ、なんと下りは4Gbps弱を記録。一般家庭の用途としてはいささかトゥーマッチな気もしますが、来たるべきIoT社会に備えて、いまのうちに超高速回線を契約しておくのも悪くありません。
筆者的には、混雑時でも下りで100Mbpsを下回らなければ、速度的には問題ないと考えますが、例えば格闘ゲームをネット対戦していて、回線が遅いせいで負けたと言い訳しないために、「心の保険」として、2Gbpsや10Gbpsの回線を敷設するのもありでしょう。また、回線品質の高さに対して料金は良心的といえるので、たとえば格安SIMでスマホを使っている人は、携帯キャリアのセット割り引きが適用されないことを考えると、NURO 光は有力候補な選択肢。また、オフィスなどに敷設している回線では、多くのパソコンやタブレットを接続することを考えると高速であることに越したことはありませんね。
最近、自宅のネットが遅いなあ……と感じている方は、NURO 光への乗り換えを検討してみてはいかが?