デジタル
2016/4/14 19:41

シャープのロボホンは“使えないところ”に意義がある! 眺めるだけのアプリ「ロボ釣り」とは?

モバイル型ロボット電話、シャープのRoBoHoN(ロボホン)の発表会に行ってきました。とにかくすごい熱気です。今回の発表会は東京だけとのことで、関西からも報道陣が駆けつけているとか。テレビカメラも多数入っています。いかに注目されているか、会場に入った瞬間にわかりました。

 

衝撃のデビューを果たし新ビジョン「AIoT」の象徴に!

↑フォトセッションの様子。報道陣が殺到しています
↑フォトセッションの様子。報道陣が殺到しています

 

ここでロボホンとは何か、ちょっと説明させて頂きます。ロボホンは、世界初のモバイル型ロボット電話。日本を代表するロボットクリエイター、高橋智隆氏とシャープが共同で開発し、2015年10月6日、最新技術の展示会「CEATEC JAPAN 2015」にて発表されました。

↑ロボットクリエイターの高橋智隆氏。「ロビ」などの制作で知られています
↑ロボットクリエイターの高橋智隆氏。「ロビ」などの制作で知られています

「CEATEC JAPAN 2015」の発表会で披露された同機のコンセプトムービーの冒頭では、胸ポケットにおもちゃのようなロボット入れた男性が歩くシーンが映し出されました。次いで、男性がそれを取り出して耳に当てるシーンが流れると、会場では「何をやっているんだ?」とどよめきが起こったといいます。ロボットそのものが電話機になるということは、見る者のイメージに一切無かったためで、そのぶん大きな衝撃を与えたのです。

 

会話できる、踊れる、動画・静止画を撮影できる、額のプロジェクターで投影できるなどの多機能ぶりも評価されました。愛着が湧きやすい外見としぐさもポイントです。身ぶり手ぶりを加えて話すしぐさや、目を光らせながら踊る姿、プロジェクターを投影する際、頭を下げる姿などが、とにかくかわいらしいのです。

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↑腰を曲げて床にプロジェクターの映像を投影するロボホン

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また、ロボホンは、使うほどにクラウドにデータが蓄積されるため、ユーザーと会話を重ねるほど賢くなるのがポイント。これは、自社開発のAIインタフェース「ココロエンジン」や「エモパー」などシャープの技術の蓄積があってこそ実現したものです。そんな背景のもと、同社は「CEATEC JAPAN 」のロボホン発表とともに、「AIoT」という新ビジョンを掲げました。これは、AI(人工知能)とIoT(あらゆるものがインターネットと接続されること)を合わせた造語で、ロボホンはその象徴となったのです。

 

詳細が明らかになるにつれ、同機のイメージは「何だ?」から「スゴイ!」へと変わり、発売日に注目が集まるようになりました。そして、今日、ついにその日を迎えたわけです。

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↑ロボホンの各機能を説明するブースを設けた展示会場

 

発売日は、5月26日(木)。本体価格は19万8000円+税。別途、980円/月~の「ココロプラン」(税別)への加入が必須です。その他、外出先で使う場合は、モバイル通信サービス(データ通信のみ650円/月~、データ+音声通話1350円~※ともに税別)への加入が必要。修理料金を割引する「ケアプラン」(990円/月~※税別)もあります。

 

細かい機能はコチラを見ていただくとして、使ってみた印象では、かなり優秀です。多少のタイムラグがありますが、簡単な挨拶なら確実に返してくれますし、音声は合成のように聞こえず滑らかです。特に、メール読み上げ機能のデモでは、「発表会お疲れさま。終わったら飲みに行こうね!」と、スムーズに話していたのが印象に残りました。歌はちょっと音痴。ワード検索のソースは主にウィキペディアのようです。

 

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↑通話するシーン。ロボホンの口を耳に当てる形

 

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↑背面のパネル。タッチパネルで直感的に使えます

 

さて、ここまで豊富な機能を備えるロボホンですが、アプリも豊富です。パートナー企業との連携により、アプリを介してタクシーの配車、グルメ検索、レシピ検索などができるのです。

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↑季節のレシピを提案する機能も。レシピはプロジェクターで投影し、音声で材料などを教えてくれます

 

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↑タクシー配車アプリもあり。タクシーが遅い場合は、「タクシー遅いね」と話しかけてくれるので、イライラも収まるのだとか

 

お役立ちアプリのなかで異彩を放つエアフィッシングアプリ

そんな便利なアプリのなかでも、とりわけ異質なものがありました。それがコチラ。「ロボ釣り」です。

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「ロボ釣り」は、「秘密結社鷹の爪」などコンテンツ事業を手掛けるDLEによるサービス。その内容は……エアフィッシングです。竿を振るしぐさを見せ、「せーの」「かかった」。釣れなかった場合は、残念な効果音ののち、「逃げられちゃった」。釣れた場合は、「やったー、○○が釣れたよ!」といって、魚のイラストを映写してくれます。ゲームと書いてありますが、ユーザーは「どう?」と話しかけることができますが、特に何を操作するわけでもありません。ロボットのエアフィッシングをただ眺めるアプリ……。心なしか、ブースを訪れる客も少ない気がします。

「ロボ釣り」の動画はコチラ↓

この「ロボ釣り」、一見して“使えない”アプリに見えますが、実は、これこそがロボホンの真髄を表しています。通常の機器は一切ムダなことをしませんが、ロボホンとの「釣れた」「釣れない」のムダやりとりは、家族や友人とのやりとりそのもの。言い換えれば、ロボホンに人格を与える行為です。考えてみれば、これらの機能が詰まった機器は、ロボットの形を取る必要はありません。それでもロボホンがこの形を取っているのは、愛着を持ってもらい、より話しかけやすくするため。その点は、クリエイターの高橋氏も名言しており、このアプリこそ、そんなロボホンの意義を体現しているのかもしれません。

 

また、こちらは解説員の方によると、今後は内蔵GPSを利用し、ご当地でしか釣れない魚などを増やしていきたいとのお話。また、魚以外のクーポンが釣れるようにする、というアイデアもあるそうです。「今日は大間のマグロが釣れたよ!」「今日は高級ディナー50%オフのクーポンが釣れたよ!」なんて日が来るのが、いまから楽しみですね。

 

【URL】

シャープ http://www.sharp.co.jp/

ロボホン公式サイト https://robohon.com/