iPadを持ってみんなでテーブルを囲む、対戦ゲームが始まる
すでにARを活用したアプリが大分増えてきましたよね。ゲームや、学習、道案内など、いろんなことに活用されています。今回も「ARKit 2」が発表されました。今後登場するARアプリにも変化が生まれそうです。
ARKitで一番印象的だったのは、AR空間を人と共有できるという機能。特定の場所にARが紐づけられることで、複数人で同じARを同時に楽しめます。会場では、テーブルの上にARで積み木が表示され、パチンコを打ち合うというゲームのデモが実施されていました。ルールはよくわからなかったのですが、見るからに楽しそうでした。
従来、iPhoneやiPadで使えるARアプリといえば、自分一人の画面で完結するものがほとんどでしたが、今後は「他人と共有する」ことをウリにしたアプリが増えてくるでしょう。また、ARの状態が保存されるようになるのも特徴です。「ちょっと休んで続きから……」なんてことは、いままでのARアプリではできませんでしたが、今後はそういったアプリも登場するはず。
また、実際のモノに対して、ARの描写を重ねることも可能になります。キーノートのデモでは、レゴで作成した建物を認識して、周囲に建物や道を拡張。そこに動くキャラクターを設置して複数人で操作していました。
ちなみに、新しいオープンファイルフォーマットとして「USDZ」が採用されます。これは映画制作スタジオの「Pixer」とコラボして作られたもの。同フォーマットを利用することで、何ができるようになるかというと、メッセージやSafari、メール、ファイルといったアプリで、3Dのオブジェクトを表示できるようになります。
例えば、デモでは記事中の鯉のイメージが3Dとなって表示されている様子が紹介されました。つまり、この記事に写真が挿入されているように、3Dのデータを挿入して、iPhoneで表示できるようになるわけですね。多くのウェブサイトが新しい表現にチャレンジするきっかけになるかもしれません。
そのほかいろいろ改良される
iOS 12になることで、機器のパフォーマンスが向上します。例えば、カメラ起動は70%高速化し、キーボード表示も50%高速化します。iPhone 5s(2013年発売)以降のデバイスをサポートするので、旧機種をお使いの人も忘れずにアップデートするようにしましょう。
また、本記事で取り上げた機能以外にも、さまざまなアップデートが施されています。例えば、「写真」アプリの検索機能が強化。また、アルバムをiCloud上で友達と共有しやすくなった点も忘れてはいけません。
プライバシーに関しては、Safari上でサイトの「共有」ボタンを非表示にできるようになり、トラッキング防止が強化されています。「ボイスメモ」もリニューアルされるし、iBooksは「Apple Book」に名称を変えます。「株価」のニュース連携に、Siriの翻訳が40言語以上に拡大されるなど、細かく挙げていくとキリがありません。
WWDCでの発表は、開発者向けのもの。一般ユーザーの手に届くまでは、もう少々かかります。新しい機能にワクワクが止まりませんが、夏が終わるまで、首を長くして待ちましょう。
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