デジタル
2018/10/13 19:30

「Scan Snap」6年分の進化はいかほど? 新モデル「IX1500」の進化点を体験

イメージスキャナ大手のPFUは、ドキュメントスキャナ「ScanSnap」シリーズの最新モデル「IX1500」を発表しました。発売日は10月12日、直販価格は5万1800円を予定。

↑PFU「ScanSnap IX1500」

 

全世界で売れているシリーズの最新モデル

ScanSnapシリーズは、全世界で500万台を販売するドキュメントスキャナの人気シリーズです。今回発表された「IX1500」の、前モデルとなる「IX500」は、読み取りスピードの速さや、ワンタッチでスキャンが開始できる手軽さなどで、一世を風靡したドキュメントスキャナです。発売当初から大人気を博し、いわゆる自炊派の人々の間では、定番モデルとなりました。前モデルの発売から6年の時を経て、今回、新モデルが世に放たれました。

↑デザインも一新。ホワイト基調に

 

ドキュメントスキャナは書籍のデジタル化だけではない

ドキュメントスキャナの用途は、書籍やコミックをデジタル化(※)するだけに留まりません。例えば、名刺やレシートなどを画像だけでなくテキストデータとして読み込むことで住所録や家計簿をパソコンのソフトで管理できることになります。紙に印刷されている文字をデジタル化することで、名刺などは名前や会社名で検索できるし、レシートは経費を計算するのに数字を手入力する必要がなくなるというメリットがあります。

※:著作権法により「私的使用のための複製」のみ許可された行為です。自分で購入した書籍をデータ化し自分で楽しむだけなら適法ですが、データを他人に譲渡したり売買すると著作権法違反となり、法律で罰せられます
↑レシートは専用のガイドアダプタを装着するとスキャンしやすくなる

 

また、子どもが学校から持ち帰るプリントやテストの答案などもデジタル化しておくことにより、紛失する心配もなくスマートに管理するという活用方法も。

 

「Scan Snap」6年分の進化とは?

では、今回発表された「ScanSnap IX1500」に話を戻します。前モデル発売から6年間もリニューアルされなかったパソコン周辺機器というのも珍しい存在。これは、前モデルである「IX500」の性能と機能が秀逸だったことで、早急なモデルチェンジを要さなかったことが大きく影響しています。その分、後継モデルに搭載すべき機能をじっくりと練ることができたと開発者は語っていました。

 

IX1500の主な機能について紹介しましょう。真っ先に目をひくのが4.3インチのタッチパネルを搭載したこと。「Scan」ボタンはデカデカと表示され、「ワンタッチでスキャンする」というScnanSnapのシリーズコンセプトはしっかりと踏襲しつつ、各種プロファイルを設定できるアイコンも表示されています。

↑液晶タッチパネル。スキャンボタンがデカイ!

 

このアイコンには、カラーモードや用紙サイズ、画像の保存先など、スキャン時の詳細な設定を保存できるため、名刺やレシートなどの日々のスキャンはもちろんのこと、自分のクラウドアカウントを保存先として設定して、家族間でScanSnapを共有するなんてこともお手の物。

 

これらの詳細なプロファイル設定は、統合スキャン管理ソフト「ScanSnap Home」で管理可能です。同ソフトは、Windows、Mac両対応でIX1500本体に4ユーザーまで使用可能なラインセンスが付属。さらに1ユーザーにつき5台のデバイスまでインストール可能というから、ホームユースでは十分すぎる環境といえます。

↑ScanSnap Home。クラウドストレージのアカウントや保存フォルダなどを細かく設定可能

 

さらに、IX1500にはAIを搭載ファイル名の命名規則や、文字読み取り時の誤変換修正などがAIによって補正される機能を有しています。このAI搭載に加え、Wi-Fiは従来の2.4GHz帯に加えて5GHz帯にも対応するあたり、いまの時代に即したScanSnapに進化しているな、というのが筆者の正直な感想です。

 

気になるスキャン速度ですが、IX500に比べて20%ほど向上しており、A4のカラー原であれば一分間に60面(片面60枚、両面30枚)スキャン可能となっております。

 

年間数百枚ペースで増える名刺の管理にも

ScanSnapの主な出番としては、筆者の場合は名刺の管理に大活躍しそうな予感。通常、名刺は名刺ホルダーのようなクリアファイルにでも入れて、必要に応じてパラパラとめくれば済むのですが、筆者の場合は、仕事柄、年間数百枚ペースで名刺が増えていくので、アナログな管理方法だと無理が生じます。例えば、少し前に名刺交換した相手の名刺を探し出そうとしても、なかなか見つからず、見つかった頃には数分以上ロスしているような状態。

↑名刺をそのまま管理するにも限界が……

 

たかが名刺1枚を見つけるのに数分のロスは痛すぎるため、名刺管理サービスなどを利用してデジタルで管理することになります。名刺管理サービスは、相手の名前や会社名で検索できてとても便利なのですが、新たな名刺が増える度にスマホのカメラなどで1枚1枚撮影する手間がとてもツラい……。その点、ScanSnapであれば、最大50枚まで名刺をセットして、あとはボタン1発で両面スキャンしそのまま名刺管理サービスに転送するなんてこともお手の物。

 

また、これまた年間で数百枚から1000枚オーバーにもなろうかという領収書に関しても、ScanSnapで次々にスキャンしておけば、確定申告の時に涙目にならずに済むというもの。このように、ドキュメントスキャナの活用方法は、それぞれのシチュエーションにあわせて千変万化。「便利そうだけど、正直、買うほどでは……」という人でも、使いどころ次第では魔法のアイテムになること間違いナシ!