デジタル
2019/1/10 20:10

あなたのFacebookアカウントは大丈夫? 知っておきたいITセキュリティと個人情報の話

スマートフォンやPCの普及、TwitterやFacebookといったSNS利用者の増加に伴い、ITセキュリティはわたしたちの身近な問題となってきました。昨今では個人情報の漏えいやSNSを使った詐欺事件などが頻繁に発生しており、知らずに使っていると、思わぬところで問題に巻き込まれてしまうかもしれません。

 

そこで、インターネットやIT機器、SNSサービスなどを安全に利用するために知っておきたいセキュリティ情報を、IT問題に詳しい識者が解説する連載企画「知っておきたいITセキュリティ」を4回にわたってお届けします。第1回目は、SNSやスマートフォンなど身近なIT問題に詳しいITライター・スマホ安全アドバイザーの鈴木朋子さんによる「Facebookの個人情報漏えい対策」です。

 

2018年はFacebookで問題が多発

去った2018年のITセキュリティ関連の出来事を振り返ると、やはり最大の試練を味わったのは「Facebook」といえます。次々と明らかになったセキュリティ問題のひとつめは、2018年春に発表された8700万アカウントの情報流用問題です。Facebookのユーザー情報がイギリスのデータ分析会社「ケンブリッジ・アナリティカ」に不正提供されていたことが発覚したのです。

 

それは2014年のこと、イギリスの大学教授が性格診断テストをFacebookに公開しました。診断テストとは、「あなたがもし異性だったら?」など、結果を思わずFacebookにシェアしたくなるようなゲームです。そこで不正に取得した約5000万人分のデータを、教授はデータ分析会社に引き渡しました。そのデータはアメリカ大統領選挙での選挙運動にも利用されたと噂され、2018年3月にFacebookの最高経営責任者(CEO)マーク・ザッカーバーグ氏は謝罪を行いました。その後、被害に合ったアカウント数は約8700万に膨れ上がっています。

 

さらに、2018年6月にはFacebookがApple、Amazon、BlackBerry、Microsoft、Samsungなど60社以上のデバイスメーカーとデータ共有のパートナーシップを結んでいること、Huawei、Lenovo、OPPO、TCLへの個人データへのアクセスを提供していることが報道されています。

 

そして同年9月には、約5000万のアカウントに影響がある脆弱性が発見されたとして、対象の5000万、そして予備的措置でさらに4000万のアカウントのログイン情報をリセットしました。この時期に突然アプリやパソコンで再ログインを求められたアカウントは、この脆弱性に関連していた可能性があります。約2900万のアカウントに関しては、氏名、電話番号、メールアドレスといったFacebookの基本データに登録している個人情報が盗まれていたことが判明しています。

 

Facebookはセキュリティ関連のスタッフを2018年末までに2万人まで増やすことを発表していましたが、同年12月にはセキュリティ上のバグによって、一定の期間、サードパーティーの開発者が最大680万人のユーザーの写真を見られる状態になっていたことが明らかになりました。

 

相次ぐセキュリティの問題にユーザーが不信感を抱いても無理はありません。

 

Facebookで個人情報流出から身を守る対策

Facebookは遠くに住む友人やビジネスでの付き合いがある人と交流できる、とても便利なサービスです。リアルな人間関係とがっちり結びついているため、「流出問題があったから退会しよう」とすぐに決断できる人は少ないでしょう。となると、個人でできる対策は何でしょうか。

 

まず、自分のアカウントが被害に合っているか確認してみましょう。9月に起きた問題に関しては、Facebookが確認できるページを用意しています。ブラウザでFacebookにログインし、以下のページにアクセスしてください。ページの最後に影響の有無が表示されます。もしアカウントに問題がある場合は、ヘルプページからFacebookに連絡してください。

 

Facebookの最新のセキュリティ問題に関する重要なアップデート

https://www.facebook.com/help/2687943754764396

 

また、4月に起きた問題は診断テストによるものです。診断テスト以外でも、Facebookアカウントのログインを求められるようなケースがあれば、引き渡す情報を確認し、個人情報が含まれているようならば中断するようにしましょう。

↑ログイン時に求められる個人情報に注意

 

すでにFacebookログインで利用しているアプリがある場合は、削除することができます。Facebookアプリで右下のメニューから「設定」をタップ、「アプリとウェブサイト」から「Facebookでログイン」の「編集する」をタップします。すると、過去に連携したアプリが表示されるので、もう使わないアプリは削除します。

↑利用しないアプリをタップします

 

↑「アプリを削除」をタップします

 

↑「削除」をタップします

 

そして、Facebookに基本データを細かく記入している人は、この機会に削除しておきましょう。Facebookアプリで画面下部の真ん中にあるタイムラインボタンをタップして「プロフィールを編集」から「基本データを編集」をタップすると、登録している情報を確認できます。「連絡先情報」を重点的にチェックしておくといいですね。

 

(ITライター・スマホ安全アドバイザー/鈴木朋子)