5月16日、ドコモが2019年の夏モデルを発表しました。ハイエンドからフィーチャーフォンまで幅広いラインアップですが、充実していたのがスタンダードモデル。発表された4機種ともコスパに優れた個性の光るスマホになっています。各機種を触った感想をお伝えします。
【関連記事】
Xperia 1…Pixel 3a…うーむ。私が「ドキドキした」新夏スマホ【ソフトバンク編】
Galaxy、HUAWEIのミドルレンジか…TORQUE G04…タフ。私を「悩ませる」新夏スマホ【au編】
カメラ性能は変わらず半額に抑えた「Google Pixel 3a」
まずは「Google Pixel 3a」。昨年発売された「Google Pixel 3」から本体サイズやカメラ機能はそのままに、本体素材をガラスからポリカーボネートに変更、ミドルレンジクラスのCPUを採用するなどして、4万円台と価格を半額近く抑えたコスパに優れたモデルです。「Googleレンズ」や「Playground」などの機能も引き続き搭載。特徴としては、新たにイヤホンジャックを搭載しています。
Pixel 3で評価の高かったカメラに関しては、同じく1220万画素のシングルレンズを搭載。夜景モードやポートレートモードなども同等の性能とのこと。
デザイン面でわずかな違いはあれど、Pixel 3aを触った印象はPixel 3とほぼ変わらず。実は筆者、Pixel 3のガラス素材・マット調の背面デザインや、手にぴったり収まるサイズ感がかなり好みだったのですが、約10万円という価格から購入は二の足を踏んだままでした。
今回のPixel 3aは、ポリカーボネート素材も決してチープな感じはなく、フィット感も変わらずという印象。さらにカメラも同等の性能、低価格とくれば、個人的には機種変更を検討するほかありません。価格は4万6656円(税込み以下同)、発売は6月上旬を予定。
「あると便利!」が詰まった「arrows Be3」
続いては「arrows Be3」。約5.6インチの有機ELディスプレイ(フルHD+)、1220万画素のアウトカメラを搭載。特長は、指紋センサーに触れ続けて画面表示を拡大できる「Exlider」機能。拡大/縮小の操作が片手(指1本)で行えます。センサーを縦になぞれば、画面のスクロールも可能です。
また、米国国防総省の調達基準「MIL」規格の23項目をクリア。防水(IPX5/8)・防塵(IP6X)はもちろん、液晶も割れにくい高い耐久性を備えます。
触っているうちにどんどん「これいい!」となったのがこの「arrows Be3」。指紋センサーを触って拡大・スクロールできるExliderは想像以上に便利で、荷物を持っていたり、つり革に掴まっていたりして片手しか使えないときに重宝しそう。また、タフさも魅力。普段の生活で氷漬けになることはまずないにしても、長く快適に使い続けられそうな安心感があります。アウトドア派にとっても使い勝手が良いのでは。
また、首から提げて使いたい人にはうれしいストラップホールや、災害時に役立ちそうなアンテナが付いているのも、「あると便利!」なポイントです。価格は3万3048円、発売は6月上旬を予定しています。
ハイエンド装備のハイコスパモデル「LG style2」
「LG style2」は、約1620万画素+1310万画素のデュアルカメラを搭載するスマホ。ディスプレイは約6.0インチ(フルHD+)と、スタンダードモデルのなかでは最大。本体左側面には、Googleアシスタントを起動できる専用の「AIキー」を搭載します。
バッテリーは3900mAhと大容量。防水(IPX5/8)・防塵(IP6X)性能を備え、ワンセグ、FeliCaにも対応します。
触っていると、その大きなサイズやメタリックな質感から「ハイエンドでは?」と思わせる「LG style2」。実際、大画面ディスプレイ、デュアルカメラは「スタンダード」以上のスペックで、動画視聴も写真撮影もミドルハイ~ハイエンド並みのクオリティが楽しめそう。また、最大5日間使える電池持ちの良さも魅力。たとえば、通勤時にAIキーを使って仕事の予定を確認、日中の取材先で風景を撮影し、帰宅後は映画を見る、というように仕事からプライベートまで1日フル活用できそうです。価格は3万8880円、7月発売予定。
小型だがパワフルな「Xperia Ace」
最後は「Xperia Ace」。最大の特長は、コンパクトさ。ディスプレイサイズは約5.0インチ(フルHD+)とスタンダードモデルでは最小。他機種を触ったあとだと、なおさら小さく感じられます。
カメラは、約1200万画素のシングルレンズ。ハイエンドモデルの「Xperia 1」と同じく、光学式と電子式を組み合わせた手ブレ補整を搭載。F値1.8のレンズとイメージセンサーにより夜景も明るく撮影できるとのこと。また、4枚の連続写真を4コマ動画にできる「4コマフォトストーリー」機能があるなど、小型ながら高性能ぶりが光ります。
大画面スマホは魅力ですが、画面端に指が届かず、両手で操作しなければならないことも多いですよね。このサイズなら上下左右どこでも余裕で指が届くので、持ち替えたり位置を変えたりといったストレスなく使えます。また、CPUはミドルハイクラスのSnapdragon630を搭載するため、サクサクと快適に動作するはず。おサイフケータイにも対応。コンパクトさ、使い勝手の良さを求める人は、検討する価値アリだと思います。価格は4万8600円、発売は6月1日を予定しています。
初めはPixel 3a一択! と考えていたのですが、触れていくうちに各機種の個性に気づきました。なかでもarrows Be3は、画面はある程度大きいほうが良いが、スマホは片手で操作したい…、という筆者のわがままに応えてくれるのでとても魅力的。でもやっぱり、Pixel 3aのフィット感は忘れられないし、シンプルなデザインも好みで、カメラ性能も捨てがたい。このラインアップのなかでは、筆者はPixel 3aを選びます。
Pixel 3aのスマートさと高性能カメラ、arrows Be3のかゆいところに手が届く便利さ、LG style2のハイコスパな実力、Xperia Aceの使い勝手の良さ。ドコモのスタンダードモデルは、悩ましいほど充実のラインアップです。