先日、慶応義塾大学湘南藤沢キャンパス(SFC)にて、慶応義塾大学SFC研究所ドローン社会共創コンソーシアムとDJIによるドローンのセミナーや体験会が開催されました。今回は、その体験フライトについてレポートします。
体験イベントで使用したドローンは、DJIの最新モデル「Phantom 4」です。以前、ゲットナビで前々モデルのPhantom 2を触らせてもらったことがあるので、ドローンの操縦はこれで2回めになります。
以前に飛ばしたときはまだドローンの規制がなく、飛ばす場所を気にすることはなかったのですが、2015年12月10日の規制強化以降、体験イベントといえども安全の管理が重要となっています。そのため今回は、滞在型教育用の施設建設予定地の広々とした空き地を使ってフライトを体験しました。
操作性が格段に進化
まず、DJIのパイロットを務める中村佳晴さんによるデモストレーションが行われました。Phantom 4の動きの特性などをひとつずつ解説してもらい、どのように動かすのかレクチャーして頂きました。Phantom 4は、Phantom 2から2世代も経たモデルということもあり、前回よりもかなり進化。
前回は、空中で同じ場所に居続けるホバリングは自分で操作する必要がありましたが、Phantom 4では空中に飛ばしたあと、何もせずともその場に居続けてくれるようになっています。当たり前のように聞こえますが、空中を飛ぶドローンは風の影響を大きく受け、流されてしまいます。それをGPSの位置情報を駆使し、風によって流されても、自動的に元の位置に戻ってくれるわけです。この制御により、操作が従来よりも容易になっています。
空中での姿勢制御を自動で行ってくれることにより、操作は格段に簡単になりました。プロポの左右のレバーを使って、上昇下降、左右旋回、前進後退するだけなので、ラジコンを触ったことのない人でもすぐに操作ができてしまうほど。例えるなら、絶対に転ばない自転車のようなもので、バランスをとる練習が必要ないといった感じです。
安全性にも配慮した新機能
Phantom 4で便利なのが、前面のセンサーで障害物を感知し、自動で避けたり止まってくれたりするところ。ドローンの事故の9割が操縦ミスとのことなので、操作ミスで激突するようなシーンでも、事故を回避してくれるわけです。
Phantom 4には、被写体を指定すると、その被写体が動きまわっても必ずカメラで捉えて自動追尾する機能もあります。動き回る被写体を撮影する場合に、本体の操作と撮影の操作を同時に行わなくて済むので便利です。
【自動追尾機能の動画】
電波がロストしたり、操作不能に陥った場合には、自動的に飛び立った場所に戻るゴーホーム機能も備えています。電波は3.5kmまで通信できるのですが、なんらかの拍子で電波が外れても、行方不明にならずにちゃんと戻ってくれます。
また、上級者やレースなどを楽しみたい人向けとしてスポーツモードも用意。激突回避などの機能は使えなくなってしまいますが、通常モードでは20~30km/hで飛ぶのに対し、最高速度75km/hまでスピードを出すことが可能です。
昨年はドローンの墜落などの事故が多発し、安全性が叫ばれたり、免許制度の必要性が議論になったりすることもありました。Phantom 4は、ドローンの安全性に配慮した新機能を多数備え、事故の予防にかなり気を遣っています。ドローンは空撮機能以外にも、物資の運搬や災害現場での活用など、私たちの生活を便利に変えるポテンシャルを秘めた存在。今回のような取り組みが広がって、より身近にドローンの可能性を体験できる機会が増えることを願います。
【URL】
DJI http://www.dji.com/jp
製品情報ページ http://www.dji.com/jp/product/phantom-4