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2019/10/10 21:30

【ゼロから知れる5G】第4回/5G時代のスポーツ観戦を知る! ラグビーW杯ライブビューイングで未経験の感動を得た

現在開催中の「ラグビーワールドカップ2019日本大会」。大会サプライヤーであり日本代表のオフィシャルサポーターでもあるドコモは、先日開始した5Gプレサービスの1つとして、5G通信によるライブビューイングを開催したり、スタジアムに5G体験ブースを設けたりするといった取り組みをしています。

 

ライブビューイングが開催されたのは9月28日、日本代表のグループリーグ初戦となったロシア戦。仕事でスポーツ観戦ができ…いや、ふだん5Gの動向を追いかけている筆者ですから、これは行くしかありません。絶対に行かなければ。

 

ということで、同イベントを取材してきました。感想を先に言うと、ラグビーの熱気と5G時代におけるスポーツ観戦のありかたを体験できたイベントでした。それでは、レポートしていきます。

 

5Gの「低遅延・多接続」を活かした試合中継

ライブビューイングには一般客約300名、メディア約50名、関係者約50名が集まりました。会場のフロアには、人工芝のカーペットが敷かれ、中央のモニター前には一般客用のクッションが置かれています。

 

↑大小5つのモニターを設置

 

前方には大小5つのモニターが設置されています。中央のメインモニターは400インチで4Kの高画質。5G+光回線で国際映像を中継します。左右に置かれたモニターは270インチのフルHD。スタジアムに設置された6台のカメラからの映像を切り替えながら試合を中継します。

 

↑大小5つのモニターを設置

 

↑左右のモニターは、6つのアングルの映像を切り替えながら中継

 

そして今回のライブビューイングの目玉が、スマホでのマルチアングル視聴。会場後方には5G対応のスマホが数台設置されており、好きなタイミングで映像を切り替えながら試合を観戦できます。このマルチアングル視聴については、キックオフ後にあらためて。

 

↑5Gに対応する2画面スマホが数台設置されていた

 

続々と一般のお客さんたちが会場に入ってきました。親子で来ている人もいれば、仕事終わりなのか、ワイシャツの上にユニフォームを着ている人もちらほら。試合前にはモニターの説明がされ、ラグビーのルール解説の動画も流れました。

 

↑キャラクターが基本ルールや反則について解説

 

試合への期待感が高まったところで、いよいよキックオフです。

 

マルチアングル視聴は新しいスポーツ観戦のスタイル

日本とロシア、両国の選手が入場してくるとスタジアムはものすごい歓声に包まれます。ライブビューイングは、大音響も魅力の1つ。ファンの歓声やレフェリーの声、選手たちがぶつかる音などが聞こえてくるので、試合の熱気がそのまま伝わってくるようでした。

 

↑割れんばかりの歓声が上がり、臨場感が凄まじい

 

↑タックルの「バチン!」という音が超リアル。「うわっ!」と思わず声をあげるお客さんも

 

左右のモニターは、ライブビューイング会場にいる実況・解説の方々がその都度映像を切り替えてくれます。俯瞰の映像だと選手全体の位置取りが見えたり、別視点では選手やコーチの表情にフォーカスしたりと、ふだん見られない映像が見られておもしろかったです。まさに5Gの特徴である「多接続」を活かした観戦方法といえます。

 

もう1つおもしろかったのが、スクラムを組むときに両チームの選手の総体重が表示されること。スクラムは8人ずつで組むので、計算すると1人あたり100キロ以上になります。それでいてあのスピードで走れるのか…、とラグビー選手の凄さを実感しました。

 

↑左右の下モニターに総体重が表示される

 

専用端末でのマルチアングル視聴は、自分で見たい視点を選べます。通常時は、さまざまなシーンにフォーカスする「FOCUS VIEW」が見られます。

 

「TACTICS VIEW」は俯瞰位置からピッチを縦方向に見られます。縦方向から見ると、選手の移動(横に流れたり他の選手とクロスして走ったり)が見え、またボールから遠いサイドのスペースが空いていることもわかります。

 

↑ラグビーに詳しい人ならこの視点をもっと楽しめそう

 

「STATS」は、ポジションなど選手の基本情報とスタッツ(タックル数やディフェンス突破回数など)が見られます。この視点がとても便利で、「いまボールを持っている人は誰だろう」とか「逆のサイドでパスを待っているこの選手のポジションは何だろう」と思ったときに選手をタップして情報を確認できます。

 

↑上の画面で数人の選手が色付けされているので、選手をタップ

 

↑リーチ選手の基本情報とスタッツ。所属チームとか出身地とかいろんな情報が見られたらおもしろそう

 

トライシーンなどのリプレイ映像を見たいときは、「REPLAY」を選択。見どころのシーンがリプレイできるようになっており、シーンを選択するとリプレイが再生されます。

 

↑松島選手のトライシーンをリプレイ。別視点が選べるのもすばらしい。興奮して何回も見てしまった

 

このマルチアングル視聴、ラグビーだけでなくいろんなスポーツに導入してほしいです。そのスポーツにまったく詳しくない初心者でも、ルールや観戦ポイントを知れたらもっと試合にのめりこめるはず。また、すでに詳しいファンなら、得点シーンの他の選手の表情やチーム全体の動きなど、コアなファンだからこそ見たい視点があるかと思います。

 

↑試合が複雑に見えても、ルールや見どころを紹介したらぐっとわかりやすくなる

 

筆者も国内外のサッカーをしょっちゅう見るオタクですが、このアングルの映像が見られれば…と思うことがよくあります。どの選手がボールに触ったのかとか、このフォワードと相手のディフェンダーの駆け引きが見たい、とか。

 

視点が増えることは、得られる情報が増えるということ。スクラムの総体重もそうですが、見えなかった情報が可視化されることで、さらにスポーツ観戦が楽しくなると実感しました。

 

序盤こそロシアにリードされましたが、終わってみれば30-10で日本の勝利。これ以上ないスタートを切ることができました。

 

↑ライブビューイング会場も大盛り上がり。仕事を忘れた筆者もガッツポーズ

 

今回のライブビューイングは、5G時代の新しいスポーツの観戦スタイルを見せてくれた機会だったと思います。映像の中継は光回線との組み合わせであったり、マルチアングル視聴用の端末もほとんどがWi-Fiで通信していたりと、あくまでもまだプレサービスであることも感じましたが、一般の人たちも「5G時代ではこういうことができるようになるんだ」と思えたのではないでしょうか。

 

これから来る5G時代と、そしてラグビー日本代表の活躍にも期待です。

 

↑一部5Gで通信している端末も。右上に「5G」のピクトグラム

 

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