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2020/11/12 19:30

議事録作成の地獄から解放! ソースネクスト「音声を自動で文字起こしする」筆談デバイスの詳細

ソースネクスト株式会社は11月10日に新製品発表会を開催。AI筆談機「タブレットmimi(ミミ)」と、ボイスレコーダー「AutoMemo(オートメモ)」の2製品を発表しました。

 

そもそもソースネクストは、AI翻訳機のPOCKETALK(ポケトーク)を開発した企業です。タブレットmimiは音声をAIがテキスト化し文字で表示する製品。AutoMemoは、なんと音声を自動で文字起こしする製品とのこと。はたして、どのようなデバイスなのでしょうか。

 

音声をリアルタイム変換

冒頭でも触れたばかりですが、ソースネクストといえばポケトークが有名です。出荷台数は80万台を突破し、翻訳機のなかでは約97%のシェア率を誇ります。海外旅行や語学学習はもちろん、昨今ではコロナ対策支援にも提供され、欧米の医療機関でも使われているそうです。

 

そんなソースネクストが発表した新製品は2つ。1つ目は、「タブレットmimi」。話した音声をAIが認識し、ディスプレイに文字として表示するIoTデバイスです。二言語を双方に翻訳するポケトークとは異なり、同じ言語間で音声を文字にするのが特徴。というのも、聴覚障害を持つ人のコミュニケーションをサポートする目的で開発されているんです。

↑約8インチのディスプレイを持つデバイス

 

実はポケトークシリーズでは、同じく難聴者とのコミュニケーションをサポートするデバイスAIボイス筆談機「ポケトークmimi」が8月から販売されています。この製品の開発には、聴覚障害を持つ人が筆談がわりにポケトークを使ったり、難聴者とのコミュニケーションをサポートするデバイスとして活躍したしたりしている、という背景があったそう。日本語を日本語に翻訳するように設定すれば、そういった使い方もできるわけですね。

 

↑ユーザーの声が開発につながった

 

そうして、音声を文字に変換する「筆談機」として開発されたポケトークmimiですが、新しいタブレットmimiはさらに使いやすく進化しています。

 

まずはそのシンプルな使いかた。ポケトークmimiはボタンを押してから話し始める必要がありましたが、タブレットmimiは電源ボタンを入れるだけでOK。話し始めるとどんどん文字に起こしてくれます。

 

↑ほぼリアルタイムでやりとりできる

 

表示される文字のフォントには、教科書に使われるものを採用しています。また、文字サイズは自由に調節可能。文字を大きく設定しておけば、画面をさっと見ただけで相手の言葉がわかって、さらには相手の顔を見て話す時間も長くなるのではないでしょうか。

 

↑見やすい大きさに設定しよう

 

発表会では聴覚障がい者の方々に聞いたアンケートも紹介されていました。普段の会話は相手に大声で話してもらうことが多く、介護者もまた同じ苦労を感じています。最近はマスクを着けていることが当たり前になった結果、さらに会話がしづらくなったと感じている人も多いようです。

 

↑そもそもあまり会話しないという人も多い

 

↑介護者を対象にしたアンケート

 

タブレットmimiは普段と変わらない声量でも正確に認識するとのこと。医師との相談や家族との団らんなど、さまざまなシーンで会話をサポートしてくれるでしょう。価格は3万1800円(税別)、発売は12月4日(金)を予定しています。なお、モバイル通信用のeSIMを搭載し、2年間の国内通信が保証されています。新規契約は不要で通信料もかかりません。置いて充電できる専用のクレードルも付いています。

↑充電しながら使える

 

録音から文字起こしまでおまかせ

2つ目の新製品はボイスレコーダー「AutoMemo」。最大の魅力は、録音した音声を自動でテキスト化できること。録音後、自動でWi-Fi接続し音声をクラウド上で変換(かつ保存)。完了するとスマホやパソコンにデータをメールで送信してくれます。

↑録音後すぐにテキスト化

 

↑メールで内容を確認できる

 

本体に搭載するのは、録音の開始/終了ボタンと、重要な部分をブックマークできるボタンの2つだけ。スマホでデータを閲覧しているときにテキストをタップすると、該当部分の音声が再生され、話者の話ぶりや声のトーンなどを確認できます。また、ブックマークボタンでマークした箇所も確認できます。

 

↑気になる箇所をすぐに聞き直せる

 

さらにキーワード検索ができるのも便利。テキストに含まれるキーワードからデータを探すことができます。

 

↑保存データが増えても問題なし

 

ボイスレコーダーは議事録作成のために使うことが多いですよね。発表会や取材に行くことが多い筆者も、発表内容やインタビューを文字起こしするところから原稿執筆が始まるのですが、これがなかなか骨の折れる作業なのです。あの手間が省けるだけでもかなりありがたい……。

 

本体価格は1万9800円(税込み以下同)、発売は12月4日(金)を予定しています。録音データとテキストデータは件数・期限ともに無制限でクラウドに保存できます。ただし、テキスト化できる録音時間はプランによって異なり、無料のベーシックプランは毎月1時間まで、月額980円のプレミアムプランは毎月30時間までの録音データを文字起こし可能。容量が足りない場合は、980円で10時間分をチャージできます(余った分は翌月へ繰り越せます)。

 

購入時はベーシックプランが設定されています。なお、発売から2021年6月30日まではプレミアムプランを無料で利用できるキャンペーンを実施する予定です。

 

また、翻訳機であるポケトークについても機能のアップデートが発表されています。対応言語の拡大や、英語をゆっくり発音する機能、電池消費の改善など、これから順次アップデートされていくとのことです。

 

↑黄色の項目がアップデート予定のもの