今冬の家電市場では、例年以上に魅力的な新製品が続々と登場している。ここでは、なかでも注目を集めるジャンルを取り上げて、価格帯別にトレンドと“買い”のポイントを解説。さらに、各価格帯でプロが認めたイチオシのアイテムも紹介していく。今回取り上げるのは、スマホ。国内では5Gサービスのスタートから半年以上が経過。新型iPhoneの発売を機に、不十分だった5Gエリアの整備の加速も期待されている。今日では、中級機以上のスマホであれば5G対応は当たり前といえる。
※こちらは「GetNavi」 2021年1月号に掲載された記事を再編集したものです。
★最新スマホ、“買い”のポイント
・新型iPhoneは全機種が対応! いまや5Gは常識に
・「とりあえずハイエンド」はNG。コスパ抜群の中級機が狙い目
・低価格帯の端末でもカメラはデュアル構成以上が望ましい
私たちが解説します!
端末価格が高まるなか狙い目はミドルクラスに
国内では2020年3月にスタートした5G(第5世代移動通信)サービス。各キャリアがサービスエリアの整備を進めるなか、5Gに対応するスマホも続々と登場している。
「10月には“大本命”のiPhone 12シリーズが発表されました。新たに発表された4機種すべてが5G対応モデルとなったこと、そしてiPhone 12が予想よりも手ごろな価格だったことを機に5Gエリア整備が加速すると期待しています」(まきはら)
さらに各キャリアの端末展開も5G普及を後押ししていく。
「今日では中級機も5G対応が当たり前になり、まだ4Gでいいと考える人でも買い替え時は5Gを検討せざるを得ない状況です。5Gは使い放題プランが主流で、動画配信サービスなどを利用しやすいため、画面サイズの大きなRakuten BIGやバッテリー持ちの良いPixel 5なども人気機種になるでしょう」(有馬)
【《松》クラス】予算額10万円以上
各メーカーのフラッグシップ端末が揃う価格帯。5Gへの対応や高いカメラ性能は当たり前で、注目すべきは、その機種ならではの「個性」だ。新型iPhoneでは「Pro」と「Pro MAX」が10万円を超える。
【No.1】カメラ性能がさらに向上した5G対応の最上位モデル
Apple
iPhone 12 Pro Max
12万9580円〜
最新のA14 Bionicチップを搭載し、演算能力やカメラ性能が大きく向上した6.7インチモデル。背面カメラと並ぶ形で、照射したレーザーの反射から空間情報を高精度で計測できるLiDARスキャナを搭載。これより、ナイトモード時のポートレート撮影にも対応している。
SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W78.1×H160.6×D7.4mm/約226g
CPU | A14 Bionic |
ストレージ | 128GB 256GB 512GB |
質量 | 約226g |
ディスプレイ | 6.7インチ |
<クロスレビュー!>
耐久性がアップしておりもしものときも安心
「長期間使うことを考えると、セラミックシールドの採用で、耐久性は従来機から大きく向上した点が魅力。ただ、ディスプレイがゲームで有利な高速駆動に対応しなかったのはやや残念です」(まきはら)
リセールバリューが高く次の買い替え時に有利
「光学2.5倍ズームに新対応しており、カメラ機能重視ならオススメ。価格は高めですが、iPhoneはリセールバリューも高いので、次の機種変時の下取りまで考慮すると、この価格も許容できます」(有馬)
【No.2】手書き派も納得できる高精度なペン入力がイイ!
Galaxy
Galaxy Note20 Ultra 5G
14万5728円(ドコモ)
手書き入力が可能なSペンを収納できる「Galaxy Note」シリーズの最新作。ディスプレイがリフレッシュレート120Hzの高速駆動をサポートしたことで、書き心地がさらに自然に。パワフルなCPUに大容量のメモリ&バッテリーを備えており、ゲームプレイも快適だ。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1億800万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W77.2×H164.8×D8.1mm/208g
CPU | Snapdragon 865+ |
ストレージ | 256GB |
質量 | 208g |
ディスプレイ | 6.9インチ |
<クロスレビュー!>
処理性能が非常に高く効率重視派も満足
「パワフルな最新のオクタコアCPUを搭載するほか、メモリは12GBと大容量で、バッテリーも4500mAhと十分です。急速充電やワイヤレス充電にも対応し、とにかく高性能!」(まきはら)
メモにも動画視聴にもSペンが大活躍!
「スマホとしてはほぼ本機のみが対応する高精度のペン入力が何より魅力。手書きと相性の良い6.9インチの大画面は、動画視聴にも便利です。Sペンを各種リモコンとして使用できるのも◎」(有馬)
【No.3】映画もゲームも音楽もOK! エンタメに強い国産スマホ
ソニー
Xperia 5 2
10万9425円(au)
縦横比21:9の6.1インチ有機ELディスプレイを搭載。ディスプレイ上にノッチやパンチホールがなく、動画視聴時は映像に集中できる。リフレッシュレートは120Hzで、タッチ検出レートは240Hzと高速駆動に対応し、ゲームとの親和性も高い。オーディオ端子も装備。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1220万画素、標準約1220万画素、望遠約1220万画素 ●サイズ/質量:W68×H158×D8.0mm/約163g
CPU | Snapdragon 865 |
ストレージ | 128GB |
質量 | 約163g |
ディスプレイ | 6.1インチ |
<クロスレビュー!>
静止画も動画も美しく撮れる高いカメラ性能
「リアルタイム瞳AFに対応するなど、超広角・標準・望遠で構成される3眼カメラに、デジタル一眼『α』シリーズで培ったノウハウを注入。ツァイスレンズを搭載する点も魅力です」(まきはら)
場所を選ばずエンタメを楽しみたいなら有力候補
「ハイレゾヘッドホン装着時に高音質再生できるDSEE機能に対応したほか、内蔵ステレオスピーカーも高音質で、エンタメ用途に最適。スリムで軽い点も魅力で気軽に高音質を持ち運べます」(有馬)
【《竹》クラス】予算額5万円〜10万円
価格性能比に優れたミドルクラス機が揃う価格帯。近年、市場全体が盛り上がりを見せており、iPhone 12やGoogle Pixel 5 などの人気製品も含まれる最注目ゾーンだ。
【No.1】有機ELを新採用しさらにお買い得になった王道モデル
Apple
iPhone 12
9万4380円〜
A14 Bionicチップを備え、5G通信をサポートしたほか、6.1型ディスプレイが有機ELへと変更されるなど大きく進化した新型iPhone。磁力を用いて安定したワイヤレス充電が可能なMagSafeシステムに対応した点も「Pro」と同様だ。
SPEC ●OS:iOS14 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W71.5×H146.7×D7.4mm/約162g
CPU | A14 Bionic |
ストレージ | 64GB 128GB 256GB |
質量 | 約162g |
ディスプレイ | 6.1インチ |
<クロスレビュー!>
ズーム性能が不要なら格段にハイコスパ
「上位モデルの『Pro』との大きな違いはカメラ性能。iPhone 12は、望遠カメラを搭載しないため、ズーム性能では不利があります。逆に言えば、それ以外はほぼ同等。非常に高コスパな一台です」(まきはら)
さらに小さなminiも用意されたのが◎
「これまで不満だったディスプレイが改善されたのは魅力大。大きさとバッテリー容量以外はほぼ差がない5.4インチモデルの『mini』が登場したことで、好みに合わせて選べるのもうれしいです」(有馬)
【No.2】使い勝手を最重視したGoogle初の5G端末
Google Pixel 5
7万4800円〜
5Gに対応したGoogleのフラッグシップ端末。超広角と広角で構成される背面カメラは、機械学習を活用しており、シーンを問わずキレイに撮れる。IPX8の防水設計で、おサイフケータイやワイヤレス充電に対応するなど、使い勝手に優れる。
SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:超広角約1220万画素、広角約1600万画素 ●サイズ/質量:W70.4×H144.7×D8mm/151g
CPU | Snapdragon 765G |
ストレージ | 128GB |
質量 | 151g |
ディスプレイ | 6.0インチ |
<クロスレビュー!>
3年のアップデートが保証されており長く使える
「Google製だけあって、3年間のOSアップデートが保証される点が魅力。5Gにも対応しており、長く安心して使えます。指紋認証対応なのも便利」(まきはら)
丸1日安心して持ち歩ける優れたバッテリー性能がイイ
「消費電力を抑えたミドルレンジ向けCPUを搭載。賢いバッテリー自動調整機能に対応するほか急速充電も利用可能で、高いスタミナが魅力です」(有馬)
【No.3】約6.9型ディスプレイにカメラを内蔵した5G対応モデル
楽天モバイル
Rakuten BIG
6万9800円
インカメラと指紋センサーを6.9インチ有機ELディスプレイに内蔵した5G端末。IP68の防塵防水に対応するほか、おサイフケータイも利用可能。背面には、超広角、広角、マクロと深度測定からなる4眼で構成されたカメラを搭載する。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約800万画素、広角約6400万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:約W80×H174×D9mm/約227g
CPU | Snapdragon 765G |
ストレージ | 128GB |
質量 | 約227g |
ディスプレイ | 約6.9インチ |
<クロスレビュー!>
安価に入手・運用できる大画面機として注目
「約6.9インチ有機ELを搭載しながらこの安さは破格。5Gプランも使い放題月額3278円と安価で、1年間無料キャンペーン中と、とにかく安い!」(まきはら)
SIMカードスロットがないeSIM専用な点には注意
「本機は、スマホ利用に必要な情報を電子的に書き込むeSIM専用設計。ほかの格安SIMに乗り替えようとしたとき選択肢が限られる点に注意を」(有馬)
【《梅》クラス】予算額5万円未満
このクラスは、安さを重視したエントリーモデルが中心。5Gに対応したモデルはまだごく一部のみだが、十分に実用的な4Gモデルはある程度の数が出揃っている。
【No.1】 AI処理を生かした高画質なカメラを楽しめる廉価機
Google Pixel 4a
4万2900円
Pixelシリーズで最廉価の5.8インチモデル。機械学習を活用して暗所でも明るくキレイに撮れるシングルカメラを備える。おサイフケータイにも対応し、発売から3年間のアップデートが保証される。5G通信や防水には非対応だ。
SPEC ●OS:Android 11 ●カメラ:標準約1220万画素 ●サイズ/質量:W69.4×H144×D8.2mm/143g
CPU | Snapdragon 730G |
ストレージ | 128GB |
質量 | 143 g |
ディスプレイ | 5.8インチ |
<クロスレビュー!>
いち早く最新のOSにアップデートされる
「低価格モデルですが、Googleの純正端末なので、発売から3年間、OSなどのソフトウェアについてはいち早く最新の内容が提供されます。OSの進化を体感したい人にもオススメです」(まきはら)
ディスプレイやカメラなどトレンドを押さえたつくり
「安価ながら5.8インチ有機ELディスプレイを搭載するなど、トレンド機能を押さえたつくりです。ステレオミニ端子を備えており、有線イヤホンを使用できる点も地味にうれしいポイント」(有馬)
【No.2】シリーズ出荷台数300万台を突破した人気の4Gモデル
シャープ
AQUOS sence3
3万1680円
5.5インチIGZO液晶ディスプレイを搭載した廉価モデル。4000mAhという大容量バッテリーを装備しており、指紋認証にも対応。お風呂でも使えるIP68の防塵防水設計が採用されたほか、おサイフケータイもサポートするなど、機能が充実。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:広角約1200万画素、標準約1200万画素 ●サイズ/質量:W70×H147×D8.9mm/約167g
CPU | Snapdragon 630 |
ストレージ | 64GB |
質量 | 約167g |
ディスプレイ | 5.5インチ |
<クロスレビュー!>
後継モデルが登場してさらなる値下げに期待も
「5Gに対応した後継モデルなどが先日発表され、間もなく型落ちに。機能的にはさほど古びてはいないのに、さらなる値下がりが期待できます」(まきはら)
安価でも必要十分な機能は揃っているのが人気の理由
「低価格で必要十分な機能を備えるというコンセプトを体現した点が人気の理由。2年間のOSバージョンアップ保証されており、まだ現役です」(有馬)
【No.3】この価格で5G対応を実現した高コスパモデル
シャオミ
Mi 10 Lite 5G
4万2740円
約6.6インチ有機ELディスプレイを搭載し、5Gにも対応したハイコスパ端末。背面カメラは4眼設計で、夜間撮影から超広角撮影、マクロ撮影、ポートレート撮影と幅広く対応する。家電を操作できる赤外線リモコン機能を備える点も魅力だ。
SPEC ●OS:MIUI 11 ●カメラ:超広角約800万画素、標準約4800万画素、マクロ約200万画素 ●サイズ/質量:W75×H164×D8.7mm/約193g
CPU | Snapdragon 765G |
ストレージ | 128GB |
質量 | 約193g |
ディスプレイ | 約6.6インチ |
<クロスレビュー!>
性能的には極上だが国内向け機能はやや不足
「この価格で5Gに対応しただけでなく、端末の処理能力やディスプレイの性能なども優れています。ただ、防水やおサイフケータイは非対応です」(まきはら)
世界的メーカーの実力が存分に発揮された買い得機
「世界シェア3位のシャオミとして国内キャリアでは初採用となる端末ですが、その完成度の高さは見事。コスパの高さでは他の追随を許しません」(有馬)
【Topic1】高価でも気になる「折りたたみスマホ」のいま!
大画面と持ち運びやすさを兼備したのが折りたたみスマホ。まだまだ高価な存在だが、日本にも特徴の異なる5G対応モデルが上陸している。
【No.1】
Galaxy
Galaxy Z Flip 5G
18万5835円
縦向きに折りたためてコンパクトに持ち歩ける5G対応スマホ。開くと約6.7インチのフルHD+ディスプレイが現れ、“普通のスマホ”と同様に扱える。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素 ●サイズ/質量:W73.6×H167.3×D7.2mm/約183g
CPU | Snapdragon 865+ |
ストレージ | 256GB |
質量 | 約183g |
ディスプレイ | 約6.7インチ |
【No.2】
Galaxy
Galaxy Z Fold2 5G
25万9980円
タブレット級に大きい約7.6インチの画面を横向きに折りたためる5G対応スマホ。背面にもディスプレイを備え、折りたたんだ状態でも操作可能だ。
SPEC ●OS:Android 10 ●カメラ:超広角約1200万画素、広角約1200万画素、望遠約1200万画素 ●サイズ/質量:W128×H159×D6.1mm/約282g
CPU | Snapdragon 865+ |
ストレージ | 256GB |
質量 | 約282g |
ディスプレイ | 約7.6インチ |
【Topic2】急速充電に対応! USB Type-Cアダプターのすすめ
スマホの充電ケーブルは本格的にUSB Type-Cへ統一されつつある。急速充電が可能なUSB Type-C端子付きアダプターへ切り替えよう。
【No.1】
RAVPower
PD対応 90W 2ポートUSB-C×2 急速充電器
4844円
USB Type-Cポートが2口ついたアダプター。USBケーブルも付属する。出力90Wと余裕があるので、スマホだけでなくUSB PD対応のPCなども充電できる。
【No.2】
ANKER
PowerPort III 65W Pod
2990円
USB Type-Cポートは1口のみだが、筐体が小さいため、他のコンセントと干渉しにくく、場所をとらないことが最大の利点。PCの充電などにも活用できる。
【No.3】
ANKER
PowerPort I PD – 1 PD&4 PowerIQ
3499円
USB Type-Cポート1口に加えて、Type-Aポートも4口ついている。コンセントへの接続はコードを介するタイプのため、ほかの機器とも干渉しにくいのが◎。