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2021/1/20 20:30

実質無料で買える! 楽天モバイルのオリジナルスマホ3機種を使い比べてみました

2020年4月にサービスを開始した楽天モバイルが、300万人を対象に月額2980円(税別)の基本料金が “1年無料” になるキャンペーンを実施していることはご存知でしょうか? 2020年12月30日に契約数が200万回線を超えたことが発表されたので、無料キャンペーンの対象となるのは、残り100万人弱と推測されます。

 

楽天モバイルは「Rakuten UN-LIMIT」の1プランのみ。現在は5Gも利用できる「Rakuten UN-LIMIT V」へとバージョンアップしています。月額2980円(税別)で、楽天回線エリアではデータ使い放題。楽天回線エリア外ではパートナー回線(au回線)に繋がり、月に5GBまでという制約があるものの、5GB超過後も最大1Mbpsで通信が可能です。さらに、専用アプリから発信すると国内通話は無料。しかも、契約時も解約時も手数料は無料なのです。要するに、1年間タダでスマホが使い放題になるわけですね。気になっている人は、得をすることはあっても損をすることはないはずなので、ぜひ使ってみてください。

 

実質無料で買えるオリジナルスマホがお得

唯一お金がかかるのが端末代ですが、楽天回線に対応するスマホ(楽天モバイルのWebサイトで調べられる)を持っていれば、そのスマホにSIMを挿し替えるだけで使えます。

↑楽天モバイルの対応端末はWebサイトで調べられる

 

楽天モバイルは、個性的なオリジナルスマホも開発・販売しています。大きさが異なる「Rakuten BIG」「Rakuten Hand」「Rakuten Mini」の3モデルがあり、これらを購入すると、最大2万ポイント以上の楽天ポイントが還元されるキャンペーンが実施中。

↑左からRakuten Mini、Rakuten Hand、Rakuten BIG。BIGは5Gに対応

 

●Rakuten BIG
一括払い価格:5万9073円(税別)
ポイント還元:最大2万ポイント(6か月の期間限定ポイント)

●Rakuten Hand
一括払い価格:1万8182円(税別)
ポイント還元:最大2万4999ポイント(6か月の期間限定ポイント)

●Rakuten Mini
一括払い価格:1万7000円(税別)
ポイント還元:最大2万ポイント(6か月の期間限定ポイント)

 

つまり、HandとMiniは実質無料で入手でき、5G対応の最上位モデル・BIGもかなりお得に購入できます。この3モデルを使い比べる機会を得たので、それぞれの端末がどんな人に向いているのか? あるいは向いていないのかをチェックしてみました。

 

【端末の外観を写真でチェックする】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。

 

見た目の印象だけでなく、実用性を重視して選ぶべし!

3モデルは、画面サイズと本体サイズ・重さに大きな差があります。

 

●Rakuten BIG
ディスプレイ:約6.9インチ 有機EL(2460×1080ドット)
本体サイズ:約174×80×9mm
重さ:約227g

●Rakuten Hand
ディスプレイ:約5.1インチ 有機EL(1520×720ドット)
本体サイズ:約138×63×9.5mm
重さ:約129g

●Rakuten Mini
ディスプレイ:約3.6インチ TFT液晶(1280×720ドット)
サイズ:約106.2×53.4×8.6mm
重さ:約79g

 

画面の見やすさを重視する人にBIGが適していて、コンパクトさを重視する人にMiniが魅力的であることは言うまでもありません。その上で注意したいのは、BIGがかなり大きめで、Miniが驚くほど小さいこと。約6.9インチの有機ELディスプレイを搭載するBIGは横幅が約80mmで、重さは約227g。現在発売されているスマホの中では最重量級です。これまで片手でメッセージを入力したり、SNSをチェックしたりしていた人は、使いづらく感じる恐れがあります。

↑約6.9インチの大画面ディスプレイを搭載するRakuten BIGは、手にするとずっしりとした重さを感じる

 

↑約3.6インチ画面のRakuten Miniは、オモチャと錯覚するほどの軽さ

 

Miniは、約3.6インチの液晶ディスプレイを搭載し、重さは約79g。手のひらに収まるほどの小ささですが、画面に表示できる情報は必然的に少なくなり、使い勝手を犠牲にしている印象は否めません。

↑Rakuten Miniの画面にGetNavi webを表示

 

↑Rakuten BIGではここまで表示できる

 

3モデルの中では真ん中のHandも、実はかなりコンパクト。約5.1インチの有機ELディスプレイを搭載し、横幅が約63mmで、重さは約129g。あのiPhone 12 miniよりもスリムで軽いです。コンパクトさを重視しつつ、操作性にも妥協したくないのならMiniよりもHandを選ぶべきでしょう。

↑約5.1インチ画面で、ほどよくコンパクトなRakuten Hand

 

↑左がiPhone 12 miniで、右がRakuten Hand。Handのほうが横幅が1.2mm細く、重さは4g軽い

 

カメラ性能を重視するならBIG。だが、Handも結構キレイに撮れる

カメラは、BIGが4眼、Handが2眼、Miniが1眼。それぞれのスペックは下記の通り。

 

●Rakuten BIG
アウトカメラ:超広角(約800万画素)+広角(約6400万画素)+深度測位(約200万画素)+マクロ(約200万画素)
インカメラ:約3200万画素

●Rakuten Hand
アウトカメラ:広角(約4800万画素)+深度測位(約200万画素)
インカメラ:約1600万画素

●Rakuten Mini
アウトカメラ:約1600万画素
インカメラ:約500万画素

 

↑BIGはクアッドカメラ、Handはデュアルカメラ、Miniはシングルカメラを搭載

 

↑BIGのインカメラはディスプレイ内に搭載。画面が黒色に表示されている場合は、その存在がわからないほどに隠れる

 

撮り比べてみたところ、画質はグレードに比例していました。しかし、Handは価格のわりにはキレイに写り、夜景写真もさほど粗くなりませんでした。超広角が不要なら、Handでも十分に満足できるでしょう。

 

【作例写真をギャラリーでチェックする】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。

 

5Gをいち早く体験できるBIG。Miniは電池もちに不安が……

Rakuten BIGは5Gに対応し、HandとMiniは4Gのみの対応。ハードウェアの基本仕様もBIGが他の2モデルを大きく引き離しています。

 

●Rakuten BIG
CPU:Snapdragon 765G (最大2.4GHz オクタコア)
メモリ: RAM 6GB/ROM 128GB
バッテリー容量:約4000mAh(連続通話 約21.7時間)

●Rakuten Hand
CPU:Snapdragon 720G(最大2.3GHz オクタコア)
メモリ: RAM 4GB/ROM 64GB
バッテリー容量:2750mAh(連続通話 約18.3時間)

●Rakuten Mini
CPU:Snapdragon 439(最大2GHz オクタコア)
メモリ: RAM 3GB/ROM 32GB
バッテリー容量:約1250mAh(連続通話 約5.4時間)

 

楽天モバイルの5Gエリアはまだ限定的ですが、すでに5Gが開通している場所でBIGの通信速度を測定したところ、概ね200〜400Mbpsのダウンロード速度を確認できました。同じ場所でのHandとMiniの受信速度は25〜40Mbps程度でしたので、速度面ではBIGに大きなメリットがあります。

↑BIGの5Gアクセスは、クイック設定画面でオン・オフが可能

 

↑すでに5Gが開通している東京の二子玉川エリアでは下り300Mbpsを超えるスピードを記録

 

処理速度を比較するためにベンチマークテストも行ってみました。BIGが大きくリードするかと思いきや、Handも同等のスコアを記録。数値だけではなく、実際の使用感でも、Handは実質無料で入手できる端末とは思えないほどのキビキビとした動作性を確認できました。

↑「Geekbench 5」というアプリで、BIGのベンチマークを測定した結果

 

↑Handも好スコアをマークした

 

↑エントリー向けのCPUを搭載するMiniは、ヘヴィユースには向かない

 

電池もちで注意したいのはMini。小さいのでバッテリー容量も少なく、電池もちが良くないのは仕方ないのですが、電池が減る速さは予想以上。フツーに使っていたら1日はもたないでしょうし、外出が多い人はモバイルバッテリーが必須。スマホよりも大きいモバイルバッテリーを持ち歩くという、本末転倒な日常になってしまうかもしれません。なお、BIGとHandの電池もちは、いまどきのスマホとしては及第点と言えそうです。

 

防水、指紋認証、イヤホンジャック……細かい違いも要チェック!

3機種いずれもおサイフケータイに対応しています。電子マネー専用のサブ機としての使用を考えているのなら、携帯性に優れたMiniを検討する価値は十分にあるでしょう。なお、防水(IPX8)に対応しているのはBIGのみで、HandとMiniは防滴までのIPX2なので、水没には注意が必要です。

 

セキュリティロックは、BIGが指紋、Handが指紋+顔、Miniが顔認証のみに対応。まだしばらくはマスク着用を欠かせないでしょうから、指紋認証に対応している端末のほうが有利でしょう。

↑BIGとHandは画面内に指紋センサーを搭載。とくに片手で操作しやすいHandは、指紋認証をスピーディーに使いこなせる

 

独立したイヤホンジャックを備えているのはHandのみ。BIGとMiniはUSBポートが兼用し、変換アダプタが同梱されています。充電しながら、イヤホンで音楽を聴いたりしやすいのはHand。しかし、イヤホンは同梱されていません。ワイヤレスイヤホンを使うのならBIGでもMiniでも問題はありません。

↑Handには3.5mmのオーディオジャックを搭載

 

なお、3モデルはいずれもSIMカードは挿せず、端末にeSIMを内蔵しています。SIMロックはかかっていませんが、1つの事業者のSIMしか使えない仕様になっています。2回線で同時に待ち受けるDSDV(デュアルSIMデュアルVoLTE)には対応していないので注意が必要です。ただし、海外渡航時に現地で使えるeSIMを追加して、それに切り替えて使ったり、楽天回線で使わなくなった後に、他社のeSIMに変更して使ったりできます。

↑物理SIMは挿せない状態になっている。eSIMは通信事業者が提供するQRコードを読み取るなどして追加可能

 

筆者が使い比べた率直の感想を述べると、実質無料ながら使い勝手がよく、パワフルで、カメラの性能も満足レベルのRakuten Handは、抜群にコスパが良い印象。Netflixやプライム・ビデオを存分に楽しみたい人にはBIG、用途を絞ったサブ端末にはMiniも選択肢に加えて検討することをおすすめします。

 

【フォトギャラリー】※画像をタップすると閲覧できます。一部SNSからは表示できません。