デジタル
2016/8/18 20:00

【ここだけ1998年】画素数は68万画素! デジタル初期のハンディカムをレビュー

「懐かしデジタル製品」を紹介するコーナー。今回は、1998年頃から本格的にデジタルへと移行したビデオカメラを取り上げていきます。高画質、小型化、そして画像編集や特殊処理などの機能が満載で、アナログに比べ、格段に扱いやすくなったソニーのデジタルビデオカメラをご紹介。ここでは、1998年当時の目線で商品を紐解いていきます。

 

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小さなボディにプロ用機材の実力を搭載した時代に!

デジタルビデオカメラの販売台数は、1996年に約45万台、1997年に約90万台(ソニー調べ)と、倍々ゲームで増えている。その人気の要因は、ひと口にいうと「高画質+小型化+長時間録音」が実現したためだ。

 

1/4インチ幅のテープの中に映像・音声、加えてデータや制御信号まで入れることができる「DV方式」になったことで、高画質&小型化が実現。さらに、小型化&長時間録音も実現した「リチウムイオンバッテリー」もかなりの進化を遂げている。

 

これらの性能向上をベースとして、デジタルならではの各種オート機能、ピクチャーエフェクト、タイトル表示など、プロ用機材の実力を搭載した本格ビデオカメラが売れに売れまくっているのだ!

 

デジタル多機能メカを搭載したスタミナハンディカム!

ソニー

DCR-TRV9

実勢価格:22万5000円(当時)

8時間以上という長時間の連続撮影を実現したスタミナハンディカムのデジタル版。撮影素子には新開発の1/4型68万画素CCDを採用、大画面テレビでの再生に細密な映像を見せてくれる。対面撮影も可能な液晶3.5インチモニターを搭載。

 

■「DCR-TRV9」の3大ポイント

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①連続撮影約8時間以上

リチャージブルバッテリーパック「NP-950」でビューファインダーを使用した場合。

②デジタルズーム60倍

解像度の高い15倍光学ズームを採用。なお、15~60倍がデジタルズーム式となる。

③重量約780g

バッテリーパック「NP-950」使用時は約1100g。サイズはW87×H104.0×D173.2(mm)ほどだ。

 

 

■DCR-TRV9で大実験!! デジタルだからここまでできる

①フェードイン&フェードアウト

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↑ホワイト画面からのフィードイン
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↑モザイク画面へのフェードアウト

ホワイト画面やモザイク画面から徐々に画像・音声を出していくのがフェードイン。逆に、徐々に消えていくのがフェードアウトだ。これらの操作もボタンひとつで可能。作品の始めの部分や、場面転換などに使い効果的な演出が可能となっている。

 

②ピクチャーエフェクト

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撮影中の画像にデジタル処理を施すことで、独特の演出ができる。ピクチャーエフェクトボタンを押し、コントロールダイヤルでパステル、ネガアート、セピア、モノトーン、ソラリ、モザイク、スリム、ストレッチのいずれかから選択すればOKだ。撮影の幅が広がり、アーティスティックな映像も楽しめる。

 

③デジタル60倍ズーム

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光学的にはレンズが大きく複雑になってしまう高倍率ズームも、デジタルなら簡単。驚くほどのクローズアップが可能に。しかし、どうしても解像度は落ちてしまうので、TRV9では15倍までの光学ズームを採用し、それ以上がデジタルにしている。

 

④ナイトショット

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内蔵のナイトショットライトから赤外線を照射し、暗闇の中にある被写体の撮影を可能とした。夜行性のペットを撮影する場合や、明かりが不足しがちな夜のクルマ内でのショットなど、今まで撮影出来なかった場面も撮影できる。なお、推奨撮影距離は3m以内だ。

 

⑤タイトル入力

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カセットメモリー付きのミニDVテープを使うことで、撮影中、撮影後にタイトルを入れられる。「入学式」や「卒業式」など、汎用性の高い8種類のワードが記憶されているが、オリジナルワードも挿入可。

 

⑤フォト撮影

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スチールカメラで撮影するように、静止画も撮ることができる。60分テープなら約510枚が撮影可能で、シャッタースピードは明るさに応じて1/1000秒まで自動で調整。パソコンに取り込む際にも便利な機能だ。