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2016/9/7 21:21

【ここだけ1999年】アップル再建へのラストピースーージョブス氏の切り札「i Book」はこんなPCだった

過去の懐かし製品を紹介する「ここだけシリーズ」が満を持して復活。今回は、1999年の登場から瞬く間に大ヒット機種へとのし上がった「i Book」を紹介します。

 

シンプルさ、使いやすさ、低価格(当時)をポータブルスタイルに集約させたi Bookは、スティーブ・ジョブス氏の切り札として発売されたノートPC。需要に対して供給が追いつかず、発売開始から完売状態が続いた名作です。ここでは、1999年当時の目線で商品を解説していきます。

 

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ーもっと身近なノート型PC「i Book」その使用感をインプレッションー

「使いやすくて高性能」を具体化したアップルのポータブル機

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apple iBook

19万8000円(当時)

iMacのコンセプトをそのまま活かしたフルサイズのノートパソコン。持ち運びしやすいハンドルの搭載、最大6時間までコードレスで使用できるバッテリ寿命、ワイヤレスで利用可能な無線LAN機能「AirPortネットワークシステム」(オプション)対応など、ポータブル機としての使い勝手を追求した傑作品である。性能的には、333MHzのPowerPC G3 搭載ということからもわかるように、旧iMacとほとんど同等。サブマシンとしてだけでなく、初心者にも1台目のパソコンとしておすすめできる内容となっている。

 

【SPEC】

●CPU(クロック周波数):300MHz PowerPC G3プロセッサ

●2次キャッシュメモリ:512K

●標準メモリ容量(最大容量):32MB(160MB)

●ROMドライブ形式:最大24倍速CD-ROMドライブ

●ハードディスク容量:約3.2GB

●モデム:内蔵56Kbps

●最大解像度:640×480ピクセル(約1670万色)

●ディスプレイ:12.1インチ対角アクティブマトリクス方式(TFT)SVGAカラー液晶ディスプレイ
搭載OS:Mac OS 8.6

●AirPort対応:AirPortカード用スロット搭載

 

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最大800×600ドット/約1670万色表示までサポートした12.1インチTFTカラー液晶ディスプレイを搭載。非常に美しく、見やすい画面だ。ノートパソコンで一番コストがかかるのが、液晶パネル。発表前には、低価格なDSTN液晶が使われるのではないかという予想もあったが、あえて高価なTFTを採用した。表示の美しさにも、こだわったからだ。それでいて20万円を切る低価格を実現したアップルに、賞賛の拍手を贈りたい。

 

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iBookの付属品は、電話回線用モジュラーケーブル、ACアダプタ、電源コード、リチウムイオンバッテリー(本体に搭載済み)、マニュアル一式、保証書。他にクラリスワークスver.4、キッドピクススタジオ、FAXstf、Kai’s Photo Soap2、Post Pet 2001、Bugdom、Nanosaurなどのソフトウエアも同梱されている。もちろん、インターネット用ソフトもインストールされているので、iMac同様すぐにインターネットに接続してネットサーフィンを楽しむことができる。

 

 

i Book「10」のチェックポイント

発売開始からほぼ完売状態が続き、注文したもののいまだに手元に届かず、悔しい思いを味わっている人も少なくないはず。そこでひと足先に、iBookのあんなコトやこんなコトまで見せちゃいます。

1)キーボード

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デスクトップ機と同じ感覚で使用できるフルサイズのキーボードを搭載している。

 

2)内部アクセスが容易

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ふたつのツメを押し下げるだけでキーボードを取り外せ、内部にアクセス可能。

 

3)I/Oポート

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本体左側面にUSBとサウンド出力ポートを配置している。なお、サウンド入力は省略された。

 

4)ネットワーク

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本作左側面奥側に56KbpsモデムとEthernetポートが配されている。

 

5)CD-ROMドライブ

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本体右側面には、24倍速のCD-ROMドライブが内蔵されている

 

6)トラックパッド

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初めて採用された、表面が金属製のトラックパッド。耐久性が高そうだ。

 

7)専用大型バッテリー

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専用の大型リチウムイオンバッテリーを採用。最高6時間の連続可動を実現した。

 

8)ハンドル

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未使用時には自動的に収納される、持ち運びしやすいハンドルを装備。

 

9)スリーブランプ

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蛍のように静かにゆっくり点滅するスリーブランプは、まるで生き物のようだ。

 

10)ACアダプタ

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ヨーヨーのようにケーブルが巻き取れる、ユニークな形状のACアダプタが付属。

 

斬新かつ高性能な一般向けのポータブル

アップルが、90年台中期に業績不振に陥った原因のひとつとして、「製品バリエーションを広げ過ぎた」ことが挙げられる。数多くのモデルがありすぎて、ターゲットユーザーを絞り込めなかったということだ。スティーブ・ジョブズ氏がアップルに復帰したとき、まず行ったのがこの製品ラインナップの整理。そこで考えられたのが、ユーザー層を大きくプロフェッショナルとコンシューマ(一般消費者)に分け、それぞれにデスクトップとポータブルを提供するというシンプルな戦略だ。そのコンシューマ・デスクトップ機として誕生したのが「iMac」なのである。iMacと同時に発表されたこの戦略には、この時点でコンシューマ・ポータブルの製品が欠けていた。

 

そして1999年夏、ようやくコンシューマ・ポータブル機として「iBook」を発表。「iMac to go」のキャッチフレーズからもわかるように、大ヒットしたiMacをそのままポータブル機として結実させている。エントリーユーザー向けながら、無線LAN機能への対応など、次世代を見据えたテクノロジーも満載。斬新なデザイン、高性能、低価格というiMacのコンセプトを活かした、夢のようなポータブル機なのだ。10月16日に発売が開始されたが、需要に供給が追いつかず、すでに大ヒット商品となっている。