最近のアプリは買い切りよりも、定額料金を支払うサブスクリプションやアプリ内課金を採用したものが増えており、アップルのアプリストアApp Storeでもこの仕組みがサポートされています。
しかし、この手法を一部の開発者がMac App Storeで悪用して、無料と見せかけたMac用アプリに前金を払わせることでユーザーを騙しているとの報告が伝えられています。開発者のJeff Johnson氏はTwitterで、Mac App Storeで最もダウンロード数が上位にあるアプリの中には、無料アプリとして提供されているのに、顧客からお金を得るための「エサ」に過ぎない複数のアプリがあると報告しています。
その1つが「GCalendar for Google Calendar」で、米国のMac App Storeで最もダウンロードされている無料アプリの40位に位置しているもの(15日時点)。たしかに誰もが無料でダウンロードできるものの、アプリ内課金でライセンスを買わない限り、このアプリには何の機能もありません。
さらには試用期間や、ライセンスを買う前にアプリを試せるような機能さえ付いていません。それでも、このアプリはApp Storeで星4つの評価を受けています。一応は実際に使ったユーザーが否定的なレビューをいくつか書いていますが、レビュー数が1000以上もあるために埋もれているようです。
この同じ開発者が、同じような「ビジネスモデル」を持つmacOSアプリを他に8つもMac App Storeで公開しているそうです。すなわち「ダウンロードは無料、アプリ内購入あり。ただしアプリを最初に起動したときに1回限りの前払いを要求し、応じなければ全く動作しない。試用期間もサブスクリプションもない」というぐあいです。
Johnson氏の説明によると、こうした悪質な開発者は誰でも無料のアプリをダウンロードして評価できる(自作自演のコストが掛からない)App Storeを利用しているとのことです。そうすることで、App Storeでダウンロード上位アプリの中に簡単に詐欺的なアプリを紛れ込ませられる、というわけです。
毎日のように無数の新規アプリ、あるいは既存のアプリ更新が申請されているためか、アップルが詐欺的なアプリをうっかり認可してしまうのも珍しくはなく、時にはアプリ特集で推薦してしまったこともありました。担当者の負担は理解できるものの、ユーザー目線でしっかり取り締まるよう期待したいところです。
Source:Jeff Johonson(Twitter)
via:9to5Mac