Meta(旧Facebook)が「Meta Quest 2 Pro」を2022年内に発売予定と噂され、Appleも独自のヘッドセットを準備中との観測が流れたりと、米ハイテク業界ではAR(拡張現実)やVR(仮想現実)ハードウェア開発が活発になっていると見られています。
そんな中、米Amazonが家庭向けのまったく新しい「XR」(ARやVR、MR=複合現実を含めた概念)製品を開発している可能性が、同社が出した求人情報から浮上したと伝えられています。
全世界のハイテク関連情報を伝えるメディア「Protocol」によると、Amazonは「XR」技術を何らかの形で使う「まったく新しいスマートホーム製品」の開発に関わる人材を募集していたとのこと。ただし、4月21日現在ではいくつかあった求人情報が修正ないし削除されており、元の文面を見ることはできません。とはいえProtocolは信頼性の高いメディアであり、「実際に掲載されていた」ことは事実と思われます。
その求人情報には、あまり具体的な内容は含まれていません。例えば「ソフトウェアエンジニア – XR/AR, XR/AR デバイス」の求人には「まったく新しいスマートホーム製品のための主要ソフトウェアとアーキテクチャの考案と開発」と書かれており、詳しい業務内容には触れられず。また「シニア・テクニカル・プログラム・マネージャー、新製品 — XR」の求人では「先進のXR研究コンセプトを、魔法のように便利でまったく新しい消費者向け製品に発展させる」と漠然とした表現がされているという具合。
その中でも、望ましい資質として「AI/ML(機械学習)、ロボティクス、ゲームなど、技術的にディープな製品を開発した経験」が挙げられているのは少し地に足付いている感もあります。これらにつきProtocolがコメントを求めたところ、Amazonはすぐに返答しなかったそうです。
上述したように、多くの米ハイテク企業がAR/VRデバイスに本腰を入れていると見られており、Amazonがそこに参戦したとしても不思議ではありません。AppleやMetaのほか、Googleは2024年にARヘッドセット(社内コード名は「Project Iris)の発売を目指していると噂されるほか、Microsoftは何年も前からMRヘッドセット「HoloLens」を販売しています。
Amazonと言えば、Echo Dotなどのスマートホーム製品を成功させてきた印象がありますが、かつて独自スマートフォンの「Fire Phone」が失敗に終わったことも。ともあれ、Amazon製品ならば価格も手が届きやすいと予想されるため、大いに期待したいところです。