アップルの忘れ物トラッカーAirTagはストーカーや自動車泥棒に悪用されること(大ヒット商品ゆえに「様々な人が使っている」ためでもあります)が注目を集めやすくなっていますが、盗難に遭った男性が90万円相当の写真機材などを取り返す役に立ったと報じられています。
写真家にとっての悪夢は、自分の撮影機材が盗まれたり行方不明になったりすることでしょう。シドニーに住むグラハム・テイトさんも5月初旬、南オーストラリア州での休暇を過ごすホテルで所持品の盗難に遭ってしまいました。ノートPCやソニーのカメラ、財布、GoProなど、1万オーストラリアドル(約90万円)もの物品を持って行かれたそうです。
しかしテイトさんは、ノートPCバッグとカメラの両方にAirTagを付けていました。そのため「探す」アプリを起動して盗まれたハードウェアの在処を探し、宿泊していたホテル内の別の部屋に持ち去られていたことを突き止めたと語っています。
その後に警察が呼ばれて、テイトさんは無事に持ち物を回収したとのこと。警察当局は現在、容疑者に対処していると伝えられています。
AirTagやアップル製品の場所が「探す」アプリで分かるのは、世界中のiPhoneやアップル製品がBluetooth経由で通信を取り合う「探す」ネットワークのおかげです。今回の事件でも、犯人の部屋の近くを通りかかった宿泊者のiPhone、ないし犯人が持っているiPhoneのおかげで、盗品の場所が突き止められたと思われます。
逆にいえば宿泊者がほとんどいない(アップル製品がほとんどない)ホテルであれば、見つからなかったのかもしれません。
「ディズニー・ワールドで不審者に追われた(疑い)」など批判の目が向けられやすいAirTagですが、盗難車の追跡に活躍したり、ロストバゲージの取り戻しに貢献したエピソードもありました。アップルが約束した各種の強化策が実現すれば、犯罪者には悪用しにくく、善良な市民にはよきパートナーとなりそうです。
Source:9News
via:AppleInsider