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2022/7/27 18:45

Ankerが新技術「GaNPrime」搭載の充電器を発表! 複数の機器を同時に急速充電&100W超のハイパワー充電

Ankerは、USB急速充電器に用いてきたパワー半導体素材「GaN II」をさらにパワーアップさせた「GaNPrime」と、それを搭載した高出力充電器の新製品を発表しました。本稿では、新技術であるGaNPrimeのポイントと、新製品の概要についてレポートします。

 

小型充電器を、100W以上の高出力&複数ポート装備に対応させた新技術

GaN(窒化ガリウム)は、充電器の小型化、高出力化に貢献した半導体の新素材であり、GaN Ⅱはそれをさらに高性能化したものでした。今回発表されたGaNPrimeでは、GaNを搭載した半導体を充電器内に分離配置することで、充電器のさらなる小型化、高出力化に成功しています。これにより、他のコンセントに物理干渉しないような小型の充電器でも、100Wをゆうに超える出力を出せるようになりました。

↑GaNPrimeのポイントは、GaNを搭載した半導体を分離配置したこと

 

↑GaNPrimeの導入による3点のメリット

 

GaNPrimeを搭載した充電器は、いずれも複数ポートを装備しているのが特徴です。Ankerの充電器は、充電先のデバイスを自動で検知し、それぞれに最適な速度で給電する「Power IQ」というシステムを搭載しています。GaNPrimeと同時に登場した新バージョン「Power IQ 4.0」では、一つのポートあたりの最大出力が100W以上に進化。これにより、ノートパソコンなど大きな電源を必要とするデバイスを、より高速に充電できるようになりました。

↑AnkerのPower IQの進化の歴史。2014年のリリース時点では、最大で”わずか”12Wの出力でしたが、2022年、ついに100Wを超えることになりました

 

小型化や高出力化が進むと、気になるのが発熱です。発熱は、充電器内でエネルギーのロスが発生することで起こる現象ですが、GaNPrimeを搭載した製品は、業界最高水準である94.1%のエネルギー効率を誇っているため、その心配は薄いといえます。

 

加えて、同社の充電器が搭載している温度管理システム「ActiveShield」も、GaNPrimeの登場と同時に「ActiveShield 2.0」にバージョンアップしました。このシステムは、1秒間に35回も充電器の熱を計測し、それが一定の温度に達した場合、電流や電圧を調整するというものです。このおかげで、同社が大切にしている充電の安全性はより強固なものとなりました。

 

GaNPrimeを搭載した新商品は?

今回発表された、GaNPrime搭載の新製品は7つ。「”同時”急速充電という、新常識」をコンセプトにしたこれらの商品は、そのすべてが複数ポートを装備し、小型・高出力という点で共通しています。

↑GaNPrime搭載の新製品

 

その象徴ともいうべき存在が、Anker 737 Charger(GaNPrime 120W)です。USB-C2つ、USB-A1つの3ポートを備えた本品は、ノートPC、スマホ、イヤホンなどのデバイスを3台同時に充電するというシーンを主に想定。小型ゆえ持ち運びやすいので、複数デバイスを常に持ち歩くビジネスマンなどに重宝されそうです。そのサイズについてAnkerは「一般的な96Wの充電器より約46%小型化」したとしています。

↑一般販売8月29日開始(予約販売は既に開始)。価格は1万2990円

 

上記を大型化、高出力化したのが、Anker 747 Charger (GaNPrime 150W)です。本品は商品名の通り合計出力150Wを誇っており、USB-C3つ、USB-A1つの4ポートを装備。複数台のPCを急速充電することも容易です。

↑一般販売9月中旬開始。価格は1万4990円

 

出力を抑えたコンパクトモデル・Anker 735 Charger (GaNPrime 65W)も登場。合計出力こそ65Wに抑えられてはいますが、スマホ複数台を急速充電できるだけのパワーは保持されており、ポートもUSB-C2つ、USB-A1つを備えています。

↑一般販売8月29日開始(予約販売は既に開始)。価格は7990円

 

Ankerの人気商品である、モバイルバッテリーと充電器の一体型モデルにも、GaNPrimeが搭載されました。それがAnker 733 Power Bank (GaNPrime PowerCore 65W)です。こちらは、合計出力65W、USB-C2つ、USB-A1つ、計3ポート搭載の充電器に、容量10000mAhのモバイルバッテリーが一体化した製品。

 

10000mAhは、iPhone 13が約2回満充電できる容量です。なお、モバイルバッテリーとしての最高出力は30Wであり、MacBook Airへの充電に対応しています。モバイルバッテリー一体型のため、サイズこそ大きくなってしまいますが、他製品にはない使い勝手の良さがあります。

↑一般販売8月29日開始(予約販売は既に開始)。価格は1万4990円

 

GaNPrimeが搭載された充電器と、電源タップが一体になったモデルも発表されました。Anker 727 Charging Station (GaNPrime 100W)、Anker 615 USB Power Strip (GaNPrime 65W)です。これらには、USBのポートに加え電源コンセントを備えているため、より多くの機器への給電に対応できます。特に、Anker 727 Charging Station (GaNPrime 100W)は最大6デバイスへの給電に対応しており、オフィスの会議室のコンセントにこれが刺さっていたら重宝されそうです。

↑一般販売8月29日開始(予約販売は既に開始)。価格は1万2990円

 

↑一般販売8月29日開始(予約販売は既に開始)。価格は6990円

 

そのほか、GanPrime搭載機のなかでも最も大型なモデルとして、Anker 749 Charger (GaNPrime 240W)が登場しています。USB-C3つ、USB-A1つを備えたこの充電器は、合計出力240Wで、単体出力でも140Wに対応。この240Wという数字は、Anker史上最大のものだそうです。

↑2022年冬ごろ発売。価格未定

 

モバイルバッテリーにも新製品が登場

本稿では、発表会の目玉であるGaNPrime搭載製品に主眼を置いて紹介しましたが、最大140Wの出力に対応した世界初のモバイルバッテリー・Anker 737 Power Bank (PowerCore 24000)も発表されています。

↑一般販売9月中旬開始。価格は1万9990円

 

充電器・モバイルバッテリーのリーディングカンパニーであるAnker。近年では、家電などに事業を多角化していますが、充電器の分野は同社に対するユーザーからの信頼性の礎になっています。今回発表された新製品も、同社の過去製品と同様に、私たちの生活を陰で支える縁の下の力持ちとして活躍してくれることは間違いなさそうです。

 

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