ビデオ会議アプリのZoom社が、メールとカレンダーアプリを準備中であり、2022年末までにリリースするかもしれないとの噂が報じられています。
もし噂が本当であれば、すでに単なるビデオ通話の域を超え、SlackなどビジネスチャットのライバルとなっているZoomが、マイクロソフトのOffice製品などの本格的なライバルとなるかもしれません。
ニュースメディア「The Information」によると、Zoom社はほぼ2年間という時間を費やして、独自の電子メールとカレンダーのアプリを開発してきたとのこと。社内で前者は「Zmail」、後者は「Zcal」と呼ばれており、11月の年次カンファレンス「Zoomtopia」で発表される可能性があるそうです。
Zoom社のCEOであるEric Yuan氏は、他の仕事アプリを置き換えるのではなく、共に働くパートナーになりたいと以前から述べていました。が、それでは飽き足らず、仕事の全てをカバーするエコシステムを持ちたいという野心が育っていたのかもしれません。
しかしThe Informationは、それらのアプリはZoomが存続するために必要とされているのかもしれないと指摘。確かに同社は直近の四半期収益で11億ドルを記録しましたが、成長が鈍化しているのも事実。株価はコロナ禍以前の水準まで下がっています。
とはいえ、Zoomにとって大きな障壁となるのは、多くの企業がGoogle WorkspaceやOffice 366と組み合わせて同社の会議アプリを使っていることでしょう。クライアントの企業にとっては、Googleやマイクロソフトのスイート(複数アプリのセット)だけで済ませたほうが安上がりであり、それ以外への出費はできる限り削りたいはずだからです。
また、Googleとマイクロソフトは、それぞれ何年もかけてGmailやOutlookに磨きをかけているため、そこにZoom製のメールやカレンダーアプリが食い込めるとは考えにくいでしょう。ともあれ、もしかすると素晴らしく使いやすいアプリになるかもしれず、続報を待ちたいところです。
Source:The Information
via:Engadget