『ポケモンGO』の開発で知られるナイアンテックは、クアルコムのARスマートグラス(ARメガネ)向け新型プラットフォーム「Snapdragon AR2 Gen 1」に基づく試作機を公開しました。
この試作機は、最終的なものではないとのこと。比較的薄めのシースルー(投下型)ディスプレイを搭載し、他のハードウェアは後頭部のリアピースに収納されているようです。これら2つのパーツは、布のようなバンドで繋がれている模様。
また、カメラは主にブリッジ(メガネのつるに当たる部分)に内蔵されているほか、レンズ部分と一体化されて目立たないよう配置されています。これにより、外界の映像を取り込んでいるというわけですね。
ちなみに前世代のSnapdragon XR2 Gen 1を使った最初の試作機は、ワイヤーを介してスマートフォンや外部バッテリーと繋がれていました。カメラもいかにも目立っていたことから、新型モデルがいかに洗練されたかが分かります。
そしてAR体験の実現は、ナイアンテックが得意とするマップを使って方向を決め、物理世界の上に情報やバーチャル世界をレンダリングするというもの。まさに『ポケモンGO』が地図を通じて現実世界とポケモンを重ね合わせたことの延長上にあるようです。
一方、装着は1~2時間程度を想定しており、重さは250g以下に抑え、着け心地の快適さも重視しているそう。さらにワイヤレス化により「活発な遊びの邪魔にならない」ようになり、持ち運びやすさやコンパクトさ、パワフルさも備わりました。これによりナイアンテックは「本当に世界を拡張したい」との野望を語っています。
実際、同社はこのプロトタイプを着けて、街を歩くユーザーのデモ映像を公開。Googleマップのライブビューのようにガイド付きナビゲーションをしてくれたり、現実の地図にコーヒーショップの情報を重ねたり、携帯型コントローラーでゲームキャラやロボットを操作する様子が紹介されています。将来的には、「ARメガネでポケモンバトル」も想定しているのかもしれません。
ナイアンテックのほか、LenovoやLG、Nreal、OPPO、Pico、QONOQ、Rokid、Sharp、TCL、テンセント、Vuzix、シャオミもSnapdragon AR2 Gen 1を使った製品の開発を進めています。多くの企業が競い合って製品を投入することで、ARスマートグラスの進化も加速すると期待したいところです。
Source:9to5Google